鳳凰三山縦走

(地蔵岳2,764m、観音岳2,840m、薬師岳2,780m

日 時 2005114日(金)〜6日(日)

参加者 山田(L)、佐藤、新美、土井(記)

コース 青木鉱泉〜ドンドコ沢〜鳳凰小屋〜地蔵岳〜観音岳〜薬師岳〜中道〜青木鉱泉

あれは今年7月に餓鬼岳に行った帰りのことでした。韮崎あたりで列車の車窓から見えた重厚かつ壁のように立ちはだかる名前も知らない山並みに目を奪われました。それが西日本で生れ育った私が初めて目にした南アルプスでした。北アルプスとは違い派手さはないものの、何か惹きつける魅力をその時感じました。

当初天気予報が土日雨の予報でしたが、何とか持ち応えそうになり念願の山行への出発となりました。

青木鉱泉の独特の雰囲気を持った建物を後に出発しました。

114日(金

大井町駅前に22時半に集合し佐藤さんの車で移動。首都高速・中央道を経て韮崎へ。青木鉱泉までの林道はほとんど舗装もされておらず、暗闇の中凸凹道を揺られながら午前1時半に青木鉱泉のあたりに到着。近辺に舗装された道路があり待避線スペースにテントを設営し就寝。アスファルト上のテント泊は佐藤さんの持ち込んだフカフカの毛布もあり快適でしたが、そばを通った車は路上のテントにさぞかし驚いたことだと思います。ただ車がカーブを曲がりきれず間違えて突っ込んでこないか心配していたのは私だけでしょうか。

 

115日(土)

青木鉱泉(6:55)南精進滝(8:50)白糸の滝(10:40昼食)五色の滝(11:55)鳳凰小屋(13:20

 

青木鉱泉から急登を登りまずは南精進ヶ滝で気持ちを奮い立たせました。

最後の滝五色ヶ滝です。なんとかここまで登って来ました。

凄まじい底冷えの中5時半に起床。青木鉱泉に移動するとすでに車が数台止っており登山の準備をしている人が多くいました。11月初旬とはいえさすがは人気のある100名山の山です。駐車代を払い秋晴れの素晴らしい天気の中出発。沢伝いに歩く事約2時間、南精進の滝に到着。ここまではあまりにも順調なペースだったのでこれは楽勝と思ったのもつかの間、次の白糸の滝までが物凄い急登の連続でした。ペースが半分くらいに落ちたでしょうか。やはり南アルプス、そう簡単には登らせてくれません。急登は五色の滝まで続きました。ただ標高がありながらこれだけ豊富な水量を誇る山はそれ程ないと思います。素晴らしい滝を見るたびに疲れが吹き飛びます。さらに進み地蔵岳オベリスクが顔を見せた瞬間は感動しました。

午後1時過ぎに鳳凰小屋テント場に到着。テント場には我々が一番乗りでしたが、その後ぞくぞくと人がやってきて67張はあったでしょうか、単独でも数名来ていました。全員疲れが溜まっていたからでしょうか、夕食後なんと6時!に就寝してしまいました。防寒対策が不十分だった私は足の凍えにうなされる羽目になりました。とはいえ10時間も寝てしまいました。

 

鳳凰小屋に到着しました。オベリスクの岩峰が我々を迎えてくれました。

116日(日)
鳳凰小屋(6:00)地蔵岳(6:55)観音岳(9:05)薬師岳(9:50)御座石(10:40)登山口(13:10)青木鉱泉(13:40

 

午前4時に起床。朝焼けが大変きれいでしたが、昨日と違い天気は曇り模様です。6時にテント場を出発。先日に引き続き強烈な急登を乗り越え約1時間で賽ノ河原(地蔵岳)に到着。昨日遠くから見たオベリスクを間近に見ると、とてつもなく大きい岩。佐藤さんと新美さんは果敢にもオベリスク頂上まで登ろうとチャレンジを試みます。見る見るうちに2人が米粒程の大きさになります。てっぺんにあと一歩手前のところで止めましたがいい線まで行きました。(ちなみに私と山田さんは下で傍観していました。)

 

 

まずはお地蔵さんを祭ってある地蔵岳で記念撮影です。

 

地蔵岳そしてオベリスクに挑戦の後 砂礫を観音岳を観音岳を目指しました。

地蔵岳から観音岳に向う途中、右手に冠雪した北岳が顔を出しました。鳳凰三山より重厚かつ壁のような白峰三山の山並みには正直圧倒されました。稜線あるきでの素晴らしい光景は薬師岳まで続きました。麓の紅葉と冠雪した向かいの山並み、そして正面には雲から顔を出した富士山、見たこともない素晴らしい風景を目の当たりにしました。苦労して登った分、やはり山は裏切らなかったです。

 

鳳凰三山の最高地点 観音岳で記念撮影です。後ろは北岳、間ノ岳です。

 

鳳凰三山 最後の薬師岳から甲斐駒ヶ岳と観音岳、オベリスクを見ます。

 

 

林道まで下りてきました。ゴールの青木鉱泉は近い。落ち葉が美しい。でも近道の沢を渡る個所で悲劇が?

下りは薬師岳から中道を通り延々と続くこれまた急な下り坂でした。視界も遮られた面白みに掛けたコースですが、途中単独行と3人組とすれ違ったのには驚きました。2000mを下ったあたりからはカラマツの落ち葉が雪のように降りしきりました。道が落ち葉で埋まりフカフカの中を気持ちよく歩けたのは幸いです。午後1時過ぎにようやく登山口に到着。到着と同時に雨が本降りになり本当にラッキーでした。あとは青木鉱泉まで林道を30分あるきゴールです。ここまで今回の山行はすべて順調でした。(30分後に悲劇が起こることなど知らずに。)

降りしきる雨の中傘をさし、下山後の温泉とビールを楽しみに私は珍しく先頭を切って歩いていました。青木鉱泉に行くには最後に川を渡る必要があります。通常であれば橋を渡るコースを、早く着きたい一心で直接川を渡るショートカットを選んでしまいました。雨が降りしきる中、ぴょんぴょんと川の石の上を軽快に飛んでいたらやってしまいました。足を滑らせ見事に背中から川に落っこちたのです。ゴールの駐車場まであと100m程の所でしょうか、水は無常にも冷たく下半身が浸かってしまいました。密かに体力温存のために地蔵岳・オベリスクに登らなかったセコイ行動に“ばち”があたったのでしょうか。駐車場でずぶ濡れになった私を見て山田さんが一言

山田さん:『山行文に書くネタができてよかったな〜』

土井  :『いや、そういう問題じゃないんですが。。。』

ということで今回私が筆を取ることになりました。

費用(一人当たり)高速・ガソリン・駐車場代 \4,000 テント場 \500

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