5月連休の雪山山行

北アルプス 薬師岳山行

山行日

2006年5月2日~7日

参加者

L /YOM SL/ TAG SAI HOS KUW MAT WAT SAT   (計8名)


費用   (1人当り) 個人の行動食、及び温泉宿泊費を除く

JR夜行(急行・指定券)上野---神岡鉱山
タクシー代(神岡鉱山和佐府)
タクシー代(和佐府岩稲温泉)
バス代(岩稲温泉---JR富山)
JR運賃 富山---東京(特急・新幹線)
食料費(夜3朝3)個人食を除く

9700円
1700円
2500円
800円
10780円
1700円

27180円

今年の5月連休の企画は北アルプス 薬師岳です。予定ルートを調べると何とそのアプローチの長いこと、自分の体力と40年のブランクを考えるとき、「不安と頑張らなくては」の気持ちが交錯します。

JR高山線猪谷駅より神岡鉄道に乗換 神岡鉱山駅に向かいます。残念ながらこの第三セクター鉄道は今年末の廃線が決っています

例年は飛越トンネルまで車が入りますが、今年は雪が多く、林道を往路は2時間45分、復路は2時間、5時間近く余計に歩きました。

5月3日

夜行列車で富山駅に着き、高山線・神岡鉄道を乗り継ぎ、ジャンボタクシーを1時間も乗って漸く山間の部落へ着きました。それでも林道を3時間近くも例年より余計に歩かなければなりませんでした。睡眠不足のうえ雪の林道歩き、北ノ俣岳への稜線歩きは小さいアップダウンが多く、高度を稼げません。リーダーは全員の疲労度を見て寺地山手前でのテント泊とします。 テント設営後、天候は晴れわたり、暖かい日差しを浴びながら夕方まで春の雪山を堪能します。

夕方のミーティングでリーダーは、

黒部五郎岳をあきらめ、薬師岳を確実に登るため翌日の行動を太郎平までテントを担ぎ上げることにし翌々日に薬師岳に登るとの判断をします。

5月4日
北ノ俣岳への登りは予想通り厳しいものでしたが、北ノ俣岳の肩より見る北アルプスの展望は美しく、そして雷鳥が走り回り感激の一瞬です。

北の股岳より太郎平までは駆け下ります。

 行 動 記 録(2006.5.2~5.7)
5.02
23:33 上野発急行「能登」
5.03 (晴)
7:29 JR富山==(高山線・神岡鉄道経由)==神岡鉱山駅====(ジャンボタクシー)===和佐府部落
8:27 和佐府部落より(標高1000m)
飛越トンネルまで雪の林道を歩く(例年この時期、雪はない)
11:15 飛越トンネル(標高1460m)
14:25 寺地山手前 鏡池付近標高1920m地点で【テント泊1日目】
5.04 (晴)
7:10 出発(5時起床、食事とテント撤収)
10:30 北ノ股岳の肩 標高2600m地点 
12:00 太郎平の小屋前で【テント泊2日目】
5.05 (晴)
5:47 出発(太郎平テントサイトを軽装備で出発)
6:02 薬師峠(標高2294m)
7:20 薬師岳山荘
8:30 薬師岳山頂(15分休憩)標高2926m
10:05 太郎平テントサイト
11:30 出発(休憩とテント撤収)
13:16 北ノ股岳の肩 標高2600m地点 
14:10 北ノ股岳避難小屋付近 2080m地点 
15:20 寺地山を越した 鏡池付近標高1920m地点で
【テント泊3日目】
5.06 (晴時々曇り夜半より雨)
8:15 出発(5:40起床 食事とテント撤収)
10:07 飛越トンネル
11:55 和佐府部落到着
ジャンボタクシーで岩稲温泉に向かう
14:30 JR高山線 富山市郊外の岩稲温泉で宿泊
北アルプスの汗を流す
桑村さん、渡辺さんとはここで先に東京へ
5.07 (雨)
8:47 岩稲温泉==バス==富山駅
14:50 東京駅着 富山駅==特急・新幹線を利用


北ノ俣岳の肩より見る槍ヶ岳 辛い登りの苦労が喜びに変わった一瞬です

なんとジャンボテントのポール1本を紛失していました。
太郎平でのテント設営を始めたところジャンボテント用ポール3本のうち、1本がありません持参した目印用の篠竹を利用してジャンボテントを設営します。なんとかなったものの反省しきりです。

             北ノ俣岳から薬師岳の稜線は雷鳥の愛のシーズン こんなに多くの雷鳥が目の前で見られるとは 白い雷鳥と雷鳥が飛ぶ姿は初めてみました。

5月5日

雷鳥の愛のシーズンです

太郎平より。アイゼンをつけ快調に薬師岳山頂を目指します。途中なんども雷鳥の走り回る姿をみて喜びを深くします。

ついに薬師岳山頂に立ちました。
8:30薬師岳山頂です。360°の北アルプスの展望は素晴らしく足元を広く深いカールがひろがります。折立峠からの夏道と比べてなんと遠回りのルートだったでしょう。長い林道と長い尾根道と2600mの北ノ俣岳をに登り、2294mの薬師峠まで下って2926mの山頂まで遠いこと遠いこと、全員で頑張りました。

薬師岳を登頂した後は再び重いザックを背負い北ノ俣岳を登りかえして帰路につきます。

北ノ俣岳の登りは緩やかですが距離が長く、雪が緩んで足と心臓にこたえます。北ノ俣岳の肩で一服した後はチョットおっかなびっくりの急な雪面トラバースを行いその後は一直線に雪の尾根を駆け下ります。その後の稜線は腐った雪に足をとられて歩きにくいこと歩きにくいこと。今日は行動時間10時間と長い長い充実の1日でした。

薬師岳山頂での全員の記念撮影です。長いアプローチを頑張りました。

5月6日

往路で苦労した林道も4日間の好天で雪もかなりとけました。雪の融けた斜面の蕗の塔とりをしながら下山をし、ジャンボタクシーで今日の温泉宿に向かいますが、なんとその遠いこと2時間半も乗りました。 “そして満足のビールと温泉で乾杯“

北ノ俣岳より振り返る薬師岳の雄姿

【参加者のひとこと】
□ ホントに久しぶりの3千㍍級に近い日本アルプス。最近は夏も雪のある時も、ほとんどが千数百㍍以下だった。今回良かったもののランクは好天第1、パーティ第2、第3は食事そしてビールが同じ順位かなあ! 勿論、薬師岳という山の素晴らしさは別格。皆様本当に良く頑張りました(自分を含めて)。山行計画を立てたリーダー、ご苦労様でした。お陰様で体重が減る筈が、ん!増えているよ。(SAI)


□ 天候とメンバーに恵まれ、素晴らしい眺望を得ることが出来た。『白い雷鳥のつがいが飛ぶのも見たよ!』リーダーを始めパーティ全員に感謝です。案じていた膝は雪のクッションとテーピングで辛うじて保ったのだが、歩けなくってパーティの足を引っ張る結果となった。足並みが揃っていたら、天候も雪質も安定していたので当初の山行計画通りに「黒部五郎岳」と「薬師岳」の行程のはずだったのに、私が進まなくて山行途中で計画の練り直しになってしまった。トレーニング不足でパーティに迷惑を掛けてしまったことが悔やまれた。課題は、トレーニング不足と体力不足、それに加齢ですね。 (KUW)

□ 40年間全く山から離れた会社人間でした。いつか自分もリタイヤしたら、山に登ってみたい雪山に登ってみたいが心の奥深い願望としてありました。さんかくてんに入会して1年、皆様の暖かいリハビリへの協力と指導のお陰で雄大な雪の北アルプスの一角に立ち、眺めることができました。この文を書きながら皆様への感謝と山に登れた幸せを感じております。(佐藤 達夫)

□ 薬師岳は大きくて、とても遠かった。もうこれ以上歩けないと何回も思った。自分の力量以上のものであったと感じた。感動はいつまでも心に残り、薬師岳を眺める度に仲間のやさしさ、真っ白な頂を連ねた北アルプスの山々を思い出すだろう。(HOS)

□ 五月晴れの良い天気に恵まれ残雪期の山を堪能し薬師岳の山頂に立てることができ感激でした。山頂近くだけ風が強く気を付けなさいと言っているのかな!!と思いました。      ( MAT)
□ 例年以上の積雪で黒部五郎岳登頂を諦めたことは非常に残念でしたが、連日の好天で非常に充実した山行を楽しむことができました。何度も目にした雷鳥のつがいが非常に印象的でした。また、ザックに必要以上の荷物を忍ばせてしまい、登りではなかなかペースを上げることができませんでした。今後、長期的な山行に出掛ける際には、荷物の軽量化が必要であることを切に感じました。(WAT)

リーダー総括

連休山行を通して    リーダー・YMG

1.       準備、計画

  企画段階では幾つかの山域が提案されていたが、どれも具体化には至っておらず、最終的には非公式ながら総会後に決定した。

訓練山行は4/15・16に赤沢山で実施した。雪上歩行と確保技術が中心。(アイゼン歩行では3月の二王子岳・五頭山の参加者にとっては有効であった。)また、4/22には滝子山への日帰り山行を行い、体調の維持を図った。

4月のアルツ例会(4/11)ではコース決定と役割分担をおこなうが、この時点では現地の除雪状況が分らず大雑把なものになった。このため、現地での計画変更-薬師岳登頂にしぼった行動とする-を余儀なくされたが、天候が安定していたことも幸いして好結果を得ることができた。

2.       装備食糧、

①装備は8人で18kg、ジャンボテントの他に2~3人用テントを持参。燃料はガスボンベ小一個を個人装備にし、量的にはほとんど使い切った。食糧を除く一人あたり重量は2,200g。快適さの点では問題はなかったが、自分たちの体力の面からは今後より一層の軽量化を図る必要があろう。(2~3人用テントをやめ、ツェルトにする。テルモスは持参しないなど。篠竹、ザイルは使用する機会はなかったものの、安心のためには外すことはできない。)

②食糧の重量は不明。無洗米を使用。アルファ米に比べて重量はかさむ。味の点を重視すると止むなしか。一食ごとに下調理されたものがパックされており、しかも毎食、変化がつけられた内容で担当者の苦労が想像される。

今後のために…

久しぶりに3000m級の山に行き、充実感ある山行になった。例年ならば2時間もの林道歩きはなかったであろうが、それなりの体力が要求されることには変わりはない。早い段階から計画し、内容に見合う訓練を積んでおくことが成功ならしめる条件であろう。皆がどうしたいいかはあるにしても、自分のしたい内容、形態を前面に出すようにしようと思う。 (YOG)

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