山行2006--4

雪 上 訓 練 山 行

日 程: 2006年4月15日(土)〜 16日(日) テント1泊
山 域: 谷川連峰
参加者: 蓬生(CL) 田口(SL) 斉藤 細谷 佐藤 松平 新見 堤 渡辺
費 用: 乗車券(往路:上野→土合)     \ 2940
     JR特急券(往路:上野→水上)    \ 1680
     関越交通バス(復路:土合山の家→水上)\  620
     JR乗車券(往路:水上→上野)    \ 2940
     食料(二食)他            \  900
      計                 \ 9080

赤沢山の頂にて

4月15日(土) 雪上訓練   晴れ時々曇り

7:00上野駅集合 7:20上野駅発 9:42水上駅乗換 9:59土合駅 10:28土合駅出発
10:45白毛門登山口周辺にテント設営 11:40訓練開始 15:45訓練終了 18:20夕食 19:30歌唱 21:30就寝

 テント泊雪上訓練のための重装備を背負った一同9名は、地下70.7m「日本一のモグラ駅」土合のプラットフォームに降り立つ。息も絶え絶えに486段の階段を登り切るところから今回の山行が始まる。土合の駅舎を出ると、雪景色が広がっている。4月半ばといえども、ここは上越国境の地、豪雪の年ということも手伝って、雪は豊富に残っている。空には層積雲が見られるが天候はまずまず、今日の行動時間中は何とかもちそうだ。湯檜曽を流れる雪解の水を耳に、雪の下から顔を出す蕗を目にしながら、国道291号を谷川岳方面へと向かう。

白毛門(1720m)登山口付近にテント2張を設営後、雪上訓練を開始する。先ずは雪上歩行の基本となるキックステップの練習。直登、斜登、直下降、斜下降、トラバースなど、登山靴の爪先と踵を雪面に蹴りこんで歩行する。雪面の状況によって、蹴りこむ力を加減する。さらに、両足とピッケルの三点支持による耐風姿勢を確認後、滑落停止の練習へと移る。ピックを素早く強く雪面に打ち込むことが重要である。春の腐りかけた雪、さほど斜度の強くない斜面であっても、的確に滑落停止するのは難しい。続いて、ハーネスを着用しザイルとシュリンゲを使った確保の訓練を始める。固定されたフィックスロープに沿って、プルージック結びにしたシュリンゲを操作する練習。利き手にはピッケルが持たれていることが想定されるので、シュリンゲはもう片方の手で扱わなくてはならない。ピッケルを支点とした確保の練習。スタンディングアックスビレイやボディビレイなど。ボディビレイは、確保器を使用せず身体を使う確保の方法だが、肩絡みよりも腰絡みの方が、重心を低く保てるため安定していることがわかった。今回の訓練内容は、雪上技術としては基礎中の基礎であるが、より幅広く多くの技術を練習し、登山者としての向上に励みたいと感じた。

訓練終了後、テントに戻り海鮮寄せ鍋の夕食を済ませた。山の話に花を咲かせた後、明日の赤沢山(1328m)登頂に備え、シュラフに潜った。

ロープワークの習熟に励む一同


4月16日(日) 赤沢山登山  晴れ時々曇り

5:00起床 5:55朝食 7:05出発 9:15赤沢山登頂 9:55赤沢山頂上出発
11:15国道291号へ 11:00テント撤収開始 13:02土合橋よりバスに乗車 13:19水上駅着

 本日は雨との気象予報であったが、夜半のうちに前線は通過したようで、起床時にはテントを叩く雨音は消えていた。前線一過の青空が広がっている。結局、行動時間中は一度も雨に降られることはなく、天候に恵まれた山行であったといえそうだ。

 今日は赤沢山を目指す。赤沢山は白毛門の南方にある地味なピークである。ブッシュを覆い隠した雪を利用して、登山道のない赤沢山の登頂を試みるという計画である。昨日、訓練を行った雪面を直登し沢筋から尾根筋を目指す。両脚の間から次に続くメンバーの顔が覗ける程の急斜面、昨日行ったキックステップの練習が活きてくる。今日の登山は、昨日行った訓練内容の実践と確認という意味もある。地道に標高を上げ尾根筋へと移ると、徐々に展望がひらけてくる。谷川岳(1977m)東面を間近に仰ぐ。天神平のスキー場や、あの一ノ倉の大岩壁の様子が手に取るようにわかる。さらには上州の山々、武尊山(2158m)はじめ奥利根の山々、尾瀬の山々もよく見える。山座同定と雪上歩行を楽しみながらの登高、赤沢山の頂に立つ。改めて雪をたっぷり抱いた谷川岳や白毛門の展望を楽しむ。豪雪の上越国境の山であるからこそ、谷川岳や白毛門の頂には雪のある時期に登ってみたいと思った。ここで大休止をとり、記念写真の撮影。下山ルートについては、少々遠回りであるが、登りとは別の尾根を辿ることになった。ブッシュを掻き分けながら、花を踏み潰さないようにしながらの下山。国道291号へ出ると、元のテン場はすぐそこである。

テン場に帰着し少々の休憩をとった後、早々にテントを撤収。土合橋でバスを待つ間、石垣でボルダリングの真似事をやって時間を潰す。バスの車窓から上越の山々と湯檜曽の流れを振り返るうちに、バスは水上駅に到着した。そして、水上駅前で打ち上げをする者、早い時刻の列車で帰京する者、それぞれの形で今回の山行を終えた。

赤沢山から望む一ノ倉の大岩壁

記:渡辺 元嗣

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