上州路の山々を登る
角落山・浅間隠山・子持山・小野子山

当初は上越の頚城山塊を予定していた。天気予報や雪の便りを耳にし、直前になって予定変更した計画である。いつものことながら、余裕のないやり方は迷惑のかけどうしだ。いくつかのストックを持っていたいものと思うが、それができていれば早い段階から企画を公表できているはずで…。これが性分なのだろう。
お蔭様で少々欲張りな山歩きができました。お付き合いいただいた皆様、ありがとうございました。

日程:2007.11.23〜25
参加者 L蓬生 SL佐藤 井上 松平 高橋
上州路1番目の山      角 落 山(つのおちやま)

コースタイム
11月23日 6:00品川発==9:40角落山登山口10:02──10:22堰堤を登る──(沢を歩く)──10:53二俣──V字状の空沢を上がり──11:33稜線(岩水・白沢分岐)──鎖場と激しい急登──12:20角落山山頂12:55──13:20鞍部(剣の峰分岐)──13:50水場と駐車場(林道崩壊のため使用不能)──14:35登山口(駐車地点) 近くの川原にテント設営【泊】
男坂登山口に駐車し、角落山を目指します。
遠くは角落山の隣山の剣の峰の鋭峰です。
浅間山の南東に位置する浅間隠山更に南東に位置する角落山です。近づくにつれ名前の通り、角のような荒々しい岩稜の山が迫ってきます。
登山路は難路の男坂コースを勿論選びます。

堰堤をいくつか通り過ぎ、鉄の梯子を登る場所もあります。

赤布だよりの川原あるきが続きます

道も細く荒れています。

川原歩きから二俣より別れ、V字の涸れた沢を急登します。氷のはっていない場所を選んで登ります。

沢がなくなり笹薮の急登を笹を掴まりながら登ります。

稜線にたどり着き角落山の岩壁見上げて感動します。どんなルートが待っているのでしょうか。

稜線上はしばらくは笹の気持ちよい尾根歩きです。急傾斜の岩壁が迫ってきます。

1番目の鎖場です。岩稜の右側をトラバース気味に進みます。

2番目の鎖場です。斜面は深く切れ落ちています。なかなかの高度感を感じます。

鎖場以外も山頂まで崖を木の根に掴まりながら這い登ります。

3番目の鎖場です。岩稜にしがみついて登っています。
山頂には立派な角落神社が祭られ、信仰の深い山であること感じさせます。

素晴らしい浅間山が雪を被って目の前にありました。

明日登る浅間隠山が立ちはだかります。

妙義山もそのシルエットを見せてくれます。

角落山山頂で浅間山をバックに記念撮影です。

帰路は女坂コースを下ります。頂上直下は急な下りで、尾根筋は分岐までトラバース気味の道が続きます。

剣の峰分岐から女坂登山口までは涸れ沢のガレた歩きにくい道が続きます。

女坂登山口の駐車場(画面奥)手前の林道が大きく崩壊し使用不能です。
赤沢林道は全面通行止めで、復旧工事中です。

今日の夜は男坂登山口前の白沢橋付近の川原でテントを張りました。夜はかなり冷え込みました。

川原で流木を集め、焚き火で静かな夜を楽しみます。
上州路2番目の山      浅間隠山(あさまかくれやま)

コースタイム
11月24日 5:00起床──角落山登山口発7:00──7:20二度上峠浅間隠山登山口7:25──7:40稜線──8:24南峰──8:32浅間隠山9:00──9:35稜線──9:45二度上峠浅間隠山登山口===車で子持山登山口へ移動

今日は二つの山に登る予定だ。河原のテントを畳んで登山口の二度上峠へ移動する。すでに何台かの車が駐車している。まだ陽の差さないカラ松林の中の道は、ジグザクの緩やかな道と直登の道がある。もちろん後者を選ぶ。尾根に上がると一旦、傾斜が緩やかになるが南峰までどんどん高度を稼ぐ。南峰は樹林に遮られ展望はない。鋭角に曲がるとやがて視界が開け、本峰のピーク。真っ白になった浅間山はもちろんのこと、上信の山々がぐるりと取り囲んでいた。

上越国境稜線は白い壁のよう。「来月は雪の心配がない」と安堵の声が上がる。方位盤で山座同定を楽しんだあと、来た道をあっという間に峠に戻った。

次は子持山にバトンタッチ。(蓬生 記)

稜線上の落葉した木々の間を気持ちよく浅間隠山を目指して歩きます。
浅間隠山山頂の目の前は浅間山です。

360度の山座同定をした後、山頂での記念撮影です。

浅間隠山から見る昨日登った角落山です。登った左斜面の急峻さにあらためて凄い山であったことを思い出させます。

山頂から登山口までは快調に下り、登山口に止めた車に乗り込み次の山の入口子持村を目指しました。







上州路3番目の山      子持山(こもちやま)


コースタイム
11月24日 浅間隠山を早朝登山後、榛名山の西麓を通り、中之条町経由 小野上道の駅で買物
11:45子持山登山口──12:27稜線(昼食)12:45──12:57獅子岩を捲く──13:21柳ノ峰──13:36子持山14:00──14:14柳ノ峰──14:30オオタルミ──15:13登山口着===渋川市内で車の給油とスーパーで買出し===17:00高山牧場展望台 テント設営【泊】

午前中は浅間隠山に登り、今日二つ目の山です。榛名山麓を通り、岩櫃山の岩稜を見物しながら子持村までのドライブでした。途中の小野上道の駅では新鮮な野菜やきのこに女性軍は山の途中とは思えないほど買物に喜んでいます。

登山口からすぐに立派な屏風岩を見上げながらの出発です。

屏風岩から一気に稜線まで登りあがります。

稜線から獅子岩を往復して見物するルートがあり、行こうか行くまいか意見が分かれますが、厳しい岩稜は鎖もロープもなく、雪が凍り付いていることから残念ながら諦めます。

子持山に登る途中立派な獅子岩が姿を現します。

頂上直下に小さな岩場がありますが、たいしたことはありません。

今日二つ目の山、子持山山頂での記念撮影です。

獅子岩の立派な姿です。

岐路は山頂よりオオタルミまでは一気の下りです。

今日は時間がありません。オオタルミから最短コースを沢沿いの道を晩秋を楽しみながら気持ちよく下ります。

子持村から渋川市は近く、車に給油をし、新しく巨大なスーパで夕食の買物をします。お腹が空いていたのでいろんな食品に目移りがして困りました。買出し後は明日の小野子山登山口のある高山高原牧場展望台にテントを設営しました。

上州路4番目の山      小野子山(おのこやま)

コースタイム
高山高原牧場展望台5:00起床  7:00出発──7:11小野子山登山口──8:00高山のゴヨウツツジ──8:28小野子山山頂9:00──9:15十二ヶ岳分岐──9:45展望林道へ出る──10:15展望台地点帰着10:35===高山農産物センター、高山温泉13:30===17:00帰京
3日目 11月25日 快晴・・・小野子山1208m・・・高山ゴヨウツツ道を登る
(高橋記)

3日目も好天に恵まれる。テントを畳み展望園地から10分歩くと登山道入口(標高798m)で登山案内板がある。途中に満開の寒桜とおぼしきはナガバノコウヤボウキ(?)らしく、実の冠毛が満開の白花に見えた。霜柱の道を真っ直ぐ登るとすぐコンクリートの舗装道路になり、しばらく行くと左手に本来の山道があった。植林帯をひたすら登る。山頂まで上りコースの行程1.8kmのうち、初めの距離350mを歩き標高200mを一気に稼ぐ急登である。ちょっとつらいが体が慣れたせいか昨日に較べ足は軽い。落ち葉を踏みしめ平坦部に出ると純白の谷川岳が目に入る。やっと一息つき小休止する。この辺りから群馬県指定天然記念物「高山のゴヨウツツジ」のシロヤシオ群生地であるが、落葉しているので判然としない。更に登ると斜面の途中に「赤芝の姉ツツジ」(樹齢300年)がある。妹ツツジは枯れてもう無い。近くに見事な大木があるが葉を落とし何だか分からない。ゴヨウツツジの斜面から主稜線に出て右に行くと程なく小野子山1208.3mである。四等三角点がある。子持山には一等三角点がある。

葉を落とした冬枯れならではの山頂はグルッと一回転すると雄大な山岳スライドショゥを楽しめる。良質な時間を過ごしていると感じる。皆があの山かの山と同定するのですが、私の行ったことが無い山が多い。東に思いのほか大きな上州武尊山群。陽光を反射して蛇行する吾妻川(先で利根川に合流)を見ながら軽食を摂りのどかなひと時を過ごす。ツェルトに入って昼寝でもしたい気分である。冠雪の浅間山の前衛に角落山と浅間隠山が鎮座する。浅間山外輪山がカーブを描き、その右ずっと奥に目をやると、白銀の北アルプスで、10倍率テレスコープで観ると鹿島槍と五竜らしき2つのピークが見え、8月に行った唐松岳も見える。はや冬支度のアルプスの真っ白の山々に神々しくも厳しさを感じる。真北に目を転じると、10月21日に登った平標山も雪化粧を済ませ、冠雪の谷川連峰が迫力満点で迫る。

9時、北側登山道に入り急激に高度を下げていく。中ノ岳分岐で右のなだらかな作業道を下る。400m歩くと林道に出る。頂上から45分で車道に出る。ムラサキシキブの実が目に入る。ガマズミの艶やかなルビー色の実はジュースにするべく数ヶ所で実を摘む。左手は高山高原牧場のカラマツ林で梢に黄金の葉が残り陽光を受けまさに晩秋の景色。高山温泉ふれあいプラザで弱アルカリ性「いぶきの湯」を浴びる。露天風呂「ロマンの湯」の端の庭園から子持山が臨める。踏みしめた山々に祝杯を挙げ、昼食を摂る。もう1つ山に登れるも交通渋滞を避けようと早目に上州路を後にする。リーダーの選択した4つの趣の異なる火山性の山は低山なりの変化に富み面白い。愉しい小春日和山行で、蓬生リーダー等パーティー4人に感謝する。

昨日登った子持山より朝日が顔を出します。 今日は4番目の山 小野子山を目指します。

高山高原牧場の展望台より明け方の素晴らしい景色です。

登山口からジグザグの急登、天然記念物の高山のゴヨウツツジの立派なツツジの株を見た後は山頂まで気持ちの良い散歩道です。

小野子山山頂から見る浅間山です。

遠くに1番目に登った角落山を望みます。

上州武尊山もその立派な山容を見せます。

谷川連峰です。

小野子山山頂での記念撮影です。

十二ヶ岳と中ノ岳の稜線です

小野子山より中ノ岳よりの急な稜線を下りると更に牧場を目指す道は林道があり4駆では充分利用できる道です。
途中ショートカットする道を通り過ぎてしまい遠回りして出発地の高山高原牧場展望台に戻りました。

高山村の景色です。

高山村農産物センターできのこを買ったりりんごを買ったりしてから、日帰り温泉高山温泉でゆったり汗を流し、食事をして山の疲れをして山の余韻に浸りました。

高山村は日本のスイスを自認するだけに美しい山々の風景が楽しませてくれます。
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