早月尾根からの剣岳

         
 
2007年7月26日(木)〜29日(日)

         参加者 L細谷 SL佐藤 勝山 松平

            (会計)福井(記録)西田・関根

7月26日(木)  

品川駅港南口(発)22:50 富山行夜行バス

7月28日(金)晴 

 夜行バス              ジャンボタクシー

―― () 6:40 富山駅(発)6:50 ――――――― 馬場島(着)7:50

馬場島・・→ 1000m ・・→ 1400m・・・→ 1800m・→ 早川小屋

8:07          8:50            10:40      12:05(昼食)13:25      14:30

 山行二日目の聳え立つ岩峰群に圧倒され、三日目の大雪渓大展望の印象が強烈で、初日の記憶が飛んでいた。思い出すのに時間がかかった。

馬場島の登山口には「試練と憧れ」と書かれた大きな合同慰霊碑があった。

ふり仰ぐ憧れの剣岳は遥かに高く遠い。今日は小屋まで標高差1400mの急斜面を一直線に登らなくてはならない。気合を入れて出発する。登山道には200mごとに標高を刻んだ石の標識があり励みになるが、展望のある場所や小休憩に適した所にだいぶずれて置かれている?ように思われた。早川尾根は木々に覆われてあまり展望のきかないロングコースだ。途中、立山杉の巨木が何本もあり、幹に大洞があいていたり、複雑に広がる枝ぶりに感嘆の声があがる。1900mを過ぎると右手にどっしりと奥大日岳が姿を現し傾斜もやわらぐ。再び急登を頑張り、小さなコブを乗り越えると早月小屋に到着。

メンバーの足並みが揃い快調に登れた。早月尾根は登山者が少なく、静かな山登りが楽しめる。事前の調べで小屋は雨水利用とあったが冷蔵庫には各種お飲み物が 荷をおろし小屋前の高台に登り山座同定。めざす剣岳の頂上も間じかに見えている。小窓尾根の荒々しい岸壁・毛勝三山・大日連山・室堂乗越の向こうに浄土山・・・なんとも幸せなひと時だ! 剣岳の脇から白く透きとおつた月が出てきた。あたりを赤く染めながら太陽がゆっくり富山湾に沈んでいった。              (記 関根)

7
月28日
() 曇り

4:00起床  4:23出発 30分ほどヘッドランプで行動---7:00 2800m地点 岩稜帯に入り鎖場が連続する---8:03剣岳山頂(大休憩)8:36---カニノコヨバイ上部で渋滞---9:15カニノヨコバイ---9:30勝山さん避難小屋跡付近で足を踏み外し2m下へ転落(安静にし状態を見る)荷物を各自分担し空身で出発する10:12----10:24平蔵ノコル---11:05前剣を捲く----12:15武蔵ノコル----12:25一服剣----12:50剣山荘---剣沢のを横切る----13:45剣沢小屋【泊】

  剱岳は3年位前より細谷さんに一緒に登りたいと言っていたのが、実現せず、今回やっと念願がかなった。しかし、5月頃より体調が悪く、山歩きもしてなかったので自信が無く、7月に入ってから白山、奥大日岳に登り、何とかなりそうな気がして、1週間前に参加決定した始末。

 早月小屋を早朝4時半に出発。樹林帯を1時間程登ると、かなり下に早月小屋が見える。天気もまずまずで、快調に高度を稼ぐ。ほぼ50分毎に休憩を取り、朝食のすし弁当を半分食べる。長い樹林帯を抜け、2600mのピークからいよいよ岩稜帯になる。左手の鋸歯状の小窓尾根が眼下に見える。振り返ればいくつものパーティーが我々の後ろに続いている。

 途中右側の絶壁に左側から雪渓が迫り、下部の空洞をくぐり抜けようとしても、ザックが引っかかり、トップの勝山さんが立ち止る。すかさず佐藤さんが岩場をよじ登り、後続に足場を指示して、無事に通過する。

山頂直下の鎖場、岩場をあえぎながら登ると憧れの剱岳山頂である。山頂はあいにくガスがかかり、視界不良だが、大勢の登山者が写真を取りあっている。


剣岳山頂で拍手をして登頂を喜びます

我々は風の当たらない場所で食事をゆっくり取り、熱いコーヒーを飲み感慨に浸る。全員で記念写真を撮り、下山にかかる。10分位下ると前方の大勢のパーティーが立ち止まっている。
     前後100人位の大渋滞である。順次下っていくと渋滞は、噂のカニのヨコバイである。我々も慎重に通過し、急なハシゴを降りて前剱への分岐を左にとり避難小屋跡を通過。カニのタテバイは前剱からの登りにある事を知る。途中雨が降り出し雨具を着ける。濡れた岩場を前剱、一服剱と下る途中、一服剱の手前の下りでレスキュー隊が滑落死した人を収容しているのに遭遇。より慎重に剣山荘まで下りてほっとする。雪渓を2箇所通過して無事満員の剣沢小屋に到着。早速シャワーを浴びビールで乾

カニノヨコバイを慎重に通過します 

                    杯。夕食は揚げたてのエビのテンプラ等美味しく、若い従業員の溌剌とした態度、言葉に好感が持たれた。

7月29日() 晴のち曇
4:50起床 出発6:18---6:45別山への分岐----7:15別山乗越(大休憩)7:38--雷鳥沢を弥陀ヶ原へジグザクに下る---常願寺川の沢を渡り弥陀ヶ原の遊歩道に入る---9:50みくりが池温泉(入浴と食事)   14:00室堂発===16:32富山駅着===20:20東京帰着

  昨日は念願の剱岳を果たし、今日は下山するのみである。

やっと出た晴れ間から剣岳が全貌をあらわします 

剱沢小屋の前で写真を撮り、ゆっくり出発。昨日と違って今日は晴れて剱岳の雄姿がはっきり見える。又周囲の緑の山と雪渓のコントラストが見事である。

別山乗越までは緩やかな登りで、剱岳に別れを惜しむように後ろを何回も振り返り、途中のお花畑を楽しみながら、剱御前小屋に到着休憩。ここも綺麗な花が多く、パチリ、パチリ。  

雷鳥沢までゆっくり下ると、色とりどりのテントが建っている。

 剣沢の素晴らしい景色に見入ります 



今日の最大の楽しみのみくりが温泉まで登り返して入浴。
3日間の汗と疲れを癒して乾杯。室堂には昼過ぎに到着。2時のバスまでゆっくり時間を費やす。関根さん、福井さんの感想は、剱岳はもういい、きつかった、怖かった。健脚の細谷さん、佐藤さんは次は大窓、小窓尾根の猫又山、赤谷山に登りたい、松平さんは称名滝から大日岳、奥大日岳に登って見たいとの事
   
富山駅でさんかくてんの皆さんと7ヶ月振
りの山行にお別れ。

私は8月1日より金沢ハイキングクラブ(KHC)に入会しました。(労山)
こちらで脚力を付けながら、皆さんと又山行出来ることを楽しみにしています。

                             (西田 )











広々快適な夜行バスで富山駅北口に到着、駅には最新のライトレールの出発駅があります。都市交通のモデルケースとして注目をされています。

富山駅よりタクシーで1時間 出発地馬場島で入念な準備をします

馬場島登山口には記念碑、慰霊碑等々碑があり、多くの登山家が剣岳を目指した基地であることをうかがわせます。

早月尾根入口付近より遥か遠くに剣岳をのぞみます。これからのアプローチの長さを感じます。

標高1100m付近には稜線上に巨木が続きます

早月尾根は猫又岳連山を目の前にしながら登ります。

早月小屋を目前にして急登を最後の頑張りです

早月小屋手前のピークで記念撮影です。後は剣岳より連なる小窓尾根です。

手前のピークからみる早月小屋です。尾根上にあり、水場はなく、飲料水はミネラルウォーターでまかなっています。

剣岳山稜よりのぼる月です。明日通過するカニノヨコバイ付近の厳しい傾斜をあらわします。

小窓尾根の厳しい山稜をどのようなクライマーが挑戦したのだろうかと考えます

日本海に沈む夕日です

7月28日 早朝4時過ぎ 暗いうちから出発します

標高2500m付近よりどんどん展望が開けてきます

標高2600m付近傾斜が厳しくなってきます

標高2700m付近から鎖場の連続です

ルートを残雪で塞がれ、脇の岩壁をよじ登ります

8:03ついに剣岳山頂に登頂しました。馬場島より標高差2238mを克服してでの登頂です。
残念ながら天候が悪化してくるようで視界はありません。

剣岳山頂を後に下りにさしかかりますが、ガスに雨がまじり、視界が非常に悪くなります。
カニノヨコバイ、カニノタテバイの上部は登山客で20分ほど渋滞します。

濡れてすべりやすくなったカニノヨコバイを慎重に通過します

カニノヨコバイ通過した後は長いステンレスの階段を下ります。下りきった場所に避難小屋跡があります。
剣沢小屋まで鎖場もまだまだ続きアップダウンも多く,雨も降り出し、視界も悪く、メインルートであるのに下山道の選択に迷う部分も多かった。

下りのルート雨で視界も悪く、メインルートでも道の選択に迷う事が度々ありました。

7月29日 前日の大雨もやみ、少しずつ雲が切れてきます。

剣沢小屋出発前の剣岳を背にしての記念撮影ですが。残念ながらガスの中です

別山乗越への道は高山植物の道でもありました

前日は雨で見えなかった剣岳もその秀麗な姿を現しました。

しばし剣岳の美しさを観賞します。

剣岳八ッ峰の岩稜もはっきりみえます

別山乗越で大休憩の後は弥陀ヶ原を目指して下ります。コバイケイソウも満開でその白さを際だ立てます。

広大な弥陀ヶ原です

別山乗越から雷鳥沢を下りきり、称名川を渡って弥陀ヶ原の遊歩道に入りますが、200mの標高差の登り返しに息をきらします。

規模の巨大な地獄谷です。

遊歩道からみる広大な弥陀ヶ原の一部です。
最後の1日も11時頃より雷雨になり、山の天候の変化の激しさを感じます。
地下部分にある室堂バスターミナルは黒部立山アルペンルートの富山県側の起点です。都会のターミナル駅並の雑踏と沢山の店があり、これが標高2400mの山中の地下とは思えません。
帰路のバスから見る弥陀ヶ原から美女平まで緑の広大な高原に花は咲き乱れ、遊歩道も整備され、人も少なく、いつかははここを歩こうとの気持ちを深くします。
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