爺ケ岳・鹿島槍ケ岳に花を訪ねて

大田山の会 公開山行に参加しました

山 名

北アルプス  爺ケ岳・鹿島槍ケ岳縦走

目 的

花を訪ねて(大田山の会主催 公開山行)

山行日

2007年7月28日(土)―29日(日)

費用:8300円

参加者

総勢17人、大田山の会13人、一般参加4人(TMえ、IM子、他 )

コース

タイム

7月27日(金) JR蒲田駅20:00発→(車)→1:00扇沢駐車場テントサイト
7月28日(土) 扇沢駐車場7:10*7:20柏原新道入口1325m*11:05種池山荘12:10* 13:15爺ケ岳中峰2669m 13:25* 14:55冷池テント場
7月29日(日
) 冷池テント場2430m 4:30→5:20布引山*6:15鹿島槍ケ岳南峰2889m 6:30*6:55北峰7:00 *7:30南峰7:40*8:05布引山*8:40冷池テント場9:10*冷池山荘9:20*(赤岩尾根)*10:20高千穂平 *11:55西俣出合12:10*12:55大谷原(駐車場)13:05 →13:20大町温泉郷「薬師の湯」 15:10 →(中央道)→ 21:00 JR蒲田駅

6月3日百蔵山クリーンハイクに参加したとき、山頂での交流会で「大田山の会」の「公開山行:鹿島槍ケ岳」について新会員獲得を目的としたものだが、他会の人もどうぞと言うのをしっかり耳に止めていた。2年前に悪天候で撤退した白馬鑓・唐松・五竜・鹿島槍の縦走をいずれやりたいと思っていたので縦走南端の山を実際に登っておきたかった。7月26日から計画した自分の仙塩尾根縦走は別の理由で日程を変更していた。本当は自分で鹿島槍ケ岳山行を計画すべきなのだから、少々気がひけるが、11日前に参加を申し込んだ。池田さんも誘ってみた。2人で説明会に出たのだが、何と参加者17人中、私が2番目に歳とっているではないか。しかも私が一緒に歩くB班の3人の年齢は26(女)-37(男)-45(男)と自分よりはるかに若い。

鹿島槍ケ岳南峰にて 7/29 6:15

私は初っ端から失敗した。京浜蒲田へ急いだが、駅前交番はあったものの山やの姿はなかった。事前説明会ではJR蒲田駅東口交番前集合と記憶していたのに、全く情けない。駅前でピックアップして戴いたが2日間慎重に行動せねばと心した。

1日目(曇り後雨)  深夜1時過ぎ扇沢駐車場でテント泊。5時半起床時は青空。B班共同装備としてフライと敷板を持ったが、軽めで申し訳ないと感じた。車道を少し下り、左手の柏原新道登山口にM木・西・T橋・N林の順に取り掛かった。165cmでスラッとしたM木さんは会のホープ。西さんは趣味の渓流釣りが嵩じて会に参加したばかり。N林さんがB班のリーダーで「ゆっくり行きますから」といわれホッとする。傾斜の強いもみじ坂に次第にガスが上がり雲が湧く。左手の稜線を見ながら登るが、針ノ木岳が聳える南の眺望は全くない。途中で雨具を着けた。11時過ぎ種池山荘着、標高2450m。水500mLを80円で買う。山荘に至る直前の斜面を登るのはきつかったが草地一面ミヤマキンポウゲとチングルマの競演で見応え充分であった。

朝十時まだ青空の覗く柏原新道

小屋の中で昼食。混んでいたが山荘の人が親切で気持ちよい。雨は止む気配なし。このあと扇沢下山の選択肢も考慮されていたようだ。体調不良者が出たC班はここにテントを張り、A、B、D班は冷池を目指すことを決定した。班毎にコンパクトに行動できていた。小雨の中、小屋を出てすぐのハイマツ帯で雷鳥に出会いラッキー。母鳥がまだまだ小さな雛45羽を連れ芽をついばんでいる。5月4日に鳳凰三山で出会ったお腹が真っ白い冬羽で背中が夏羽の雷鳥のつがいはオスのほっぺは赤いし配色がとても美しかった。それに較べるとハイマツや岩をバックにする夏の雷鳥は見つけにくく、この後は見ることができなかった。ハイマツに混じり白山石楠花がかなり咲いていたのは嬉しい。爺ケ岳中峰2669mを経て、冷池山荘で各自水2L150円で購入してからテント場まで登った。重かった。ずっと雨だ。

夕食はM木さんが手際よく作る紀文の鰻御飯や海草サラダにスープなど美味しい。食材を彼女が全部持ってくれて感謝。テント内は広さもあり快適だ。小屋のトイレまで往復20分。冷池山荘のNHKTVは明日午前曇り(降水確率50%)午後雨(降水確率60%)。私はA班のアルコール&歌声テントに参加したかったが眠くて19時半就寝。5時間くらい熟睡できたようだ。そのあと浅い眠りの続くなか雨が止み強い風が断続的にテントを揺らすのを耳にしていた。

  

爺ケ岳中峰

2日目(曇り後晴れ)

3時過ぎ起床。星が瞬く。朝食は餅入りラーメン。4時半出発。ここから本格的にお花畑。シナノキンバイや車百合が鮮やか。何で冷池や種池なのかが分かった。猫の額ほどだがいくつか池塘があるのだ。5時、柔らかな朝日が昇り青空がのぞいた。ガスが切れるたびに印象的な剱岳と立山が見えた。散りそびれた黒百合に出会えた。タカネバラの花期は終わっていて残念。5:20布引山2683mの東斜面に回り込むとハクサンチドリ・ハクサンフウロ・タカネヤハズハハコなど花園。稜線の東側は深く切れ落ちて東尾根とか鎌尾根とかの岩登りのルートだ布引東尾根の先に大町市が見えた。登山路に戻った。振り向くと槍の穂先から穂高の稜線も垣間見えた。6:15鹿島槍ケ岳南峰に到達した。A、B、D班13人で登頂の記念撮影。

N林リーダーは無線で他班と緊密に連絡を取り合っていたが、C班が種池を出てから南峰に登頂する間に、B班だけI西さんの希望もあって双耳峰の北峰に向かった。南と北で山容が大違い。岩場を急降下。帰りが心配だがミヤマオダマキに出会えた。北峰で丁度ガスが切れいつか歩きたいと思いながら、八峰キレットや五竜岳の稜線が北に延びるのを束の間だが目にできた。その右側斜面下の谷がカクネ里。南峰にやっとのことで戻った。

南峰から下る途中C班とすれ違い、8:40テン場に戻れた。何と陽が照ってきた。A、D班は先に下山していたが我々のテントのフライを外しておいてくれた。テント撤収の間にC班も戻った。

9:10下山開始。眺望はよくない。赤岩尾根を下り10:20高千穂平。ここで鹿島槍に突き上げる鎌尾根東尾根と北峰が見えた。日の照りつけるなか正午に北俣本谷のトンネルをくぐり河原の水で首筋を冷やした。大冷沢に沿って林道を歩き大谷原の橋を渡り駐車場に12:55着。ここは標高1100m。標高差1800mを今日下れて、自分の4日後の仙塩尾根縦走の自信になった。

大町温泉郷「薬師の湯」につかり疲れがドッと出た。小淵沢にさしかかる頃雨が降り出すと高速道前方の山の端に虹がかかり、終わりも良しの山行だった。何十種類もの花に出会えた。B班のN林さんM木さん、I西さんと御一緒に何とか登らせていただき本当に嬉しい。往復路を運転してくださったフルマラソンを走るT田さん、T津会長はじめ、総リーダーのH谷さん、大田山の会の皆様、ありがとうございます。大勢で助け合い3000m峰に登るのって楽しい。

大田山の会ではいくつかの公開山行を開催していて、今回のテント泊教室の他に沢登り教室や雪山教室も開催している。これらの教室の参加者は岩登り教室を事前に受けることが義務づけられている。会員向け岩トレ教室は2ヶ月に1回のわりで日和田山などで行われベテラン会員が出てきて指導するという。指導しながら自身のトレーニングも兼ねているらしい。また会員は年に1回は岩トレ教室へ参加しなければならない。こういう努力を通して一人二人と会員が増え力量もレベルアップされているのだろう。すべての山行の下山報告書を会の財産と考え山行データの蓄積を図っているが、提出率は低いという。いずこの会も報告書とか山行記とかは集まりにくいものらしい。「大田山の会」の会員は45人くらいだが、「さんかくてん」と異なり女性会員が8人しかいないという。どうも山行レベルが高すぎて敬遠されているふうもあるようだし、大田区には労山加盟の多様な会がいくつもあり女性がそちらに流れるということなのだろう。複数の会に入って活動している会員もいる。「品川さんかくてん」の公開山行として9月2日の「高尾山一丁平おでんハイク」を「大田山の会」に宣伝して参加を呼びかけました。

冷池山荘越しに鹿島槍ケ岳、7/29、5時17分、Cグループ撮影









Bグループ

 大田山の会に参加してIM子記 

大田山の会の「鹿島槍ケ岳 公開山行」に参加したい気持ちは充分ありましたが、諸般の事情から諦めていた処、TMえさんからお誘いがあり急遽申込みをしました。事前の説明会でパソコンとプロジェクターを連動させ、スクリーン上で自在に地形図の一部を拡大縮小したり、三次元に方向転換したりと感心してしまった私が遅れていますねー。

総勢17名のパーティーをA、B、C、D四班に分け、それぞれがグループごとに自己責任で行動しました。私はD班、通称Dカップ班に所属。リーダーはT津さん。岩など若い人の教育指導に当たっているとの事でした。またフィリッピンに精通しているご様子。いまどき死語になりつつある「朴(とつ)で純」なK本さんとT津さんの掛け合いが楽しくニヤリとさせられます。S戸さんはナイーブでシャイ。独特な雰囲気のある方で山は単独行がお好きだとか。でも泊まりだと皆でお酒が飲めるのでその時は行くみたいです。もしかして依・存・症? 以上、私を含めて四人のメンバーで行動しましました。三ヶ月で三キロ太り、ザックの重さプラス三キロでかなりきつい思いをしましたが、沢山の方のフォローでなんとか登頂できました。人見知りする私ですが、みなさんの暖かい人柄が伝わってくるせいかとても居心地良い気持ちにさせて頂きました。大田山の会の皆様大変お世話になりました。機会がありましたら、またよろしくお願いします。

種池山荘の背後に朝焼けに染まる剱・立山連峰、7/29、5時16分、Cグループ撮影

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