槍ヶ岳

北鎌尾根




8月12日~14日  細谷 他2名


北鎌尾根から槍ヶ岳に行ってきました。


コース 中房温泉~合戦尾根~燕山荘~大天井ヒュッテ~貧乏沢~北鎌沢~北鎌尾根~槍ヶ岳~槍ヶ岳山荘~横尾~上高地

明日登る槍ヶ岳と北鎌尾根  大天井ヒュッテに向かう道で






喜作新道にある「貧乏沢入口」の道標、いよいよスタートだ。気持ちが引き締まり、とても緊張する

天上沢は広い河原で、出合から少し歩くと北鎌沢入口、ケルンが目印だ

北鎌沢から見上げる稜線は自分の目を 疑いたくなるほど、はるか遠くに見える

大天井ヒュッテを4時20分に出発する。石でゴロゴロした貧乏沢を770m下り天上沢に降りた。北鎌沢出合から見上げる稜線は自分の目を疑いたくなるほど、はるか遠くに見える。大きなため息が出る・・降りた距離と同じ位登り返すことになる。昨日と同じでとても暑く、水の補給が心配になるが北鎌沢のかなり上部まで水がある、ここで満タンに出来たので気分的にも安心だ。忠実に右俣のルートをとる。北鎌のコルに10時に着いた。ガチャ類をいっぱい装備した男女ペアーが暑くて、きついですねと迎えてくれた。ここで北鎌尾根に乗る、期待よりも不安がいっぱいだ。

途中から振り向くと、物凄い斜面を登ってきたのがわかる 下は天上沢 である

正面に独標が大きく迫ってくる 問題のトラバースは何処だろう?独標を越えないと大槍は見えないのだ

特長のある硫黄尾根が目立つ 

独標がすぐ前にあるのに随分遠くに感じる。太陽はギラギラと照りつけ、これは猛暑ではなく酷暑だ。木陰で一休みする場所なんかない!体力のない私は炎天下の中、これ以上歩くと熱中症になりそうだったので、独標トラバース手前で、30分お昼寝タイムにする。ここは少しばかり草地があり、ひんやりとして気持ちが良い場所であった。元気を取り戻しトラバースに向かう。がんばるぞ!足元がスッパと切れて要注意なところだが、恐怖感はなくスタスタと歩いた。ここには平和で安全な道なんかないのだ。

独標を越えて、やっと出会えた大槍 まだまだ遠いなぁ~

 先行しているパーティが蟻のように小さく見える これからも険しい道の連続だ ガスの間から大槍が見える

北鎌平から見上げる大槍 物凄い迫力で圧倒される 槍の先まで届くか心配だ!

いつまでも空は碧い。北鎌平からの槍ヶ岳 カッコイイ




初めての槍ヶ岳を北鎌尾根から登った。
(~o~)/

 


独標から先はザレ場が多く浮石ばかりの不安定な岩稜で、とても気を使う。稜線から外さないようにルートファイディングをする。3パーティを追い抜き、北鎌平に16時、思ったほどペースが上がらず、このままだとビバーク?17時に大槍に取り付く。体はヨレヨレであるが、モチベーションは相変わらず高く、チムニーを登りやっと槍の穂先にゴールインだ。 大天井ヒュッテからここまで13時間20分、充実感がいっぱいである。     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
北アに始めて行ったのは16年前、野口五郎岳から水晶小屋に向かうと、左側に赤茶色の硫黄尾根、その向こうに槍ヶ岳から続く北鎌尾根があった。ここはとても厳しい所で、簡単には登る事はできないエキスパートのエリアと教えてもらった。そうなんだ~と思った。
 今まで穂高、槍とかに余り縁がなくて、行きそびれていたが、昨年は自分で西穂~奥穂に行くことが出来た。クライミングをしていたことがかなりプラスされとても快適に楽しく行けて大満足だった。槍には機会があれば北鎌尾根から行きたいと以前から思っていた。これは連れて行ってもらった山行にである。岩登りの技術は良しとして、問題なのは体力との勝負だ!ビバークすると荷物が重くなり、水、食糧を2日分背負わなくてはならないし、重い荷物でバランスのいる岩場の通過は少し心配である。体力のない私は荷物を超軽量化してワンデイで行けば可能性はあると思った。登攀具、水3ℓを入れその他の余分なものはすべて省き必要な装備で8kgにまとめることができた。装備を計量器で量り、ハンカチ、ティシュペーパーまで 軽量化に神経を使った。
でも今回の最大の敵は『暑さ』であった!岩稜帯なので、日陰がなく、休憩するのにも、ゆっくり休めない。水分を補給してもまた、すぐに欲しくなる。山頂に着いたと時は残り500ccだった。
 5パーティが北鎌を目指していたが、2パーティが北鎌のコルでバテていた、残りは北鎌平、槍の直下でビバークしたらしく、やはりの猛暑でかなり体力を消耗したと言っていた。
 ワンデイで槍の穂先に立てたのは、会で岩登りの機会を与えてもらい、それを継続していた事、いろんなジャンルの山に行かせてもらった事だと思う。感謝の気持ちが一杯で胸にこみ上げてくるもがある。北鎌は強靭で、厳しく、そしてタフな尾根だった。

 

 

無事に怪我もなく予定通りに北鎌尾根から槍ヶ岳までに行けたことを感謝し、足取り軽く?とても良い気分で槍沢を下る
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