剱岳の展望を巡る山旅を楽しみました。
中山(1255m)・小窓尾根(1600m)・赤谷山(2258m)
期 日: 2008。10月11日~13日(前日10日出発)

メンバー:L細谷,佐藤(池ノ谷写真) 堤・松平・高橋(食当)丸山(会計)稲石(赤谷山記録・写真)桑村(中山、池ノ谷記録) 

費用:交通費 乗用車(往路5人、復路6人)+公共交通機関(往路3人急行能登、富山電鉄、タクシー、復路2人深夜バス)÷8人=15,000円 食費: 4,000(10/1112)

10月11日(第1日目)
中山(1255m)に登りました。

10/10()夜 東京出発→10/11()朝 馬場島着10/11()馬場島キャンプ場10:25→家族の森中央管理センター中山遊歩道登山口10:48→中山山頂125512:08→東小糸谷側登山口下山13:29 就寝19:45

えっ!これが遊歩道

 11()早朝に馬場島に着く。当初の予定は初日にブナクラ峠にテントを上げ、翌日は赤谷山と猫又山だったが、生憎お天気がすぐれないので明日に赤谷山ピストンとして、今日は馬場島キャンプ場にテントを張る。剱の展望台として人気が高い中山がキャンプ場近くなのでウオーミングアップに全員で出掛けた。看板には中山遊歩道とあったが、偽りありの急登だった。山頂からは劔はもちろん大日も見えるというのだが今日は雨。下山は2006年に新しく造られた周遊コースをとった。感想記:桑村






前日の10月10日21時ごろ東京を出発、関越道、上信道、北陸道と高速道を順調に走りますが、親知らず付近から激しい雷雨となり、深夜の緊張した走行となりました。魚津ICで下り、コンビニで買物をし、雨の中を剣岳の前進基地の馬場島に向かいます。途中通行止めで大きく迂回して時間をロスしながら、深夜3時過ぎに馬場島の駐車場に到着、雨が強い為、車の中で仮眠をします。7時過ぎに細谷リーダー、桑村、丸山の3人が到着し合流しますが、雨は一時小降りになったものの再び降り始めます。仕方なく馬場島荘で待機をします。
10:15 漸く雨が上がり馬場島荘の前の無料キャンプ場にテントを張りました。立派なトイレ2棟に炊事棟が2棟あり快適です。
いよいよ中山へ足慣らしハイキングです。
10:32  立派な実をつけた何とかで高橋さんが知っています。
10:44 中山登山口にある立派なルート図です。
11:44 1時間ほどのあえぎながら急登をすると立派な立山杉にあえました。
地元の人々に「洞杉(どうすぎ)」と呼ばれる一種独特のスギの巨木が点在している。
 洞杉は、富山県で「立山杉」と呼ばれているウラスギ(アシウスギ)の一種であることは明らかだが、主幹がほとんど立ち上がらず、根際から幾本もの枝とも幹ともつかぬ姿に分かれ、一塊りになって上方に向かっている。異様な力強さを感じさせる樹形だ。
11:45
12:02  中山山頂につきました。生憎待望の剱岳は見えません。
12:06 中山山頂はガスがますます濃くなってきました。雨上がり直後は晴れ間ものぞいて展望を期待していたのですが、残念です。
12:35 下りは東小糸谷ルートを下ります。立山杉ではありませんが、立派な巨木が点在します。
13:03 雨が激しくなり、合羽をきても木の下で雨宿りをして雨の小降りになるのを待ちます。 13:12 東小糸谷を3度ほど小橋を渡ります。
13:25  広大で荒れた立山川に下り立ちます。後は林道を馬場島のテントサイトまでのんびり帰りました。

剱岳の展望ができなかったものの、立山杉の巨木は素晴らしく、巨木ファンにはそれだけでも満足かもしれません。



10月12日(第2日目)
10/12()起床03:45→標高約(以下同)730m車で移動0540→950m堰堤に駐車→976m取水口急斜面の登山道を上がる沢の徒渉→1500m06:50谷に下る→1000m06:54谷から上がる→1300m07:44登山道途中で鳩首会議08:16→1600m展望台09:12→池ノ谷へ下山開始10:30→1050m沢の徒渉12:00→1200m12:33→950m車に到着13:15
小窓尾根から剣岳の素晴らしい雪渓に感動しました
♪ 剱見るなら赤谷尾根でよ~ と唱われた赤谷山へ剱と紅葉を見に出掛けたのだが…

 大窓 小窓にネ 三の窓よかネ ケガの功名で池ノ谷(いけのたん)

いきなり急登、それもかなり危なっかしい登山道、谷に下りたり上ったりの大高巻き、「池ノ谷」のペンキと標識を不思議に思いながらも冷や汗と大汗で忙しく登って来たが「これはおかしい」とやっと考える。沢の徒渉も「これは大ブナクラ谷」なんて勝手に決めて通って来たが事前に調べた情報とも合わない。ブナクラ谷の取水口と思い込んで白萩川の取水口から入ったことに気付く。

これは地図にはない池ノ谷右岸につけられた登山道だ。戻って出直すか、このまま行くか?今から赤谷山へは時間切れになってしまう。だがこのまま行くには準備不足。相談の結果「確実な登山道があるところまで進む。少しでも危険なところが出て来たら帰る」となった。

1時間で登山道は崖を降り池ノ谷の雪渓を詰めて三ノ窓に至るコースになった。私たちはここで終わり。そこには1600mの標識もあり私たちは展望台と名付けた(同様に間違えた先行の2人パーティもそう呼んでいた)が後で小窓乗越と知る。ここからは池ノ谷の右俣も左俣も雪渓がくっきりと見える。そして小窓~小窓ノ頭~小窓ノ王~三ノ窓~劔本峰の北方稜線がド〜ンと聳えている。でも同定には意見の一致を見なかった。左手には赤谷尾根と赤谷山、猫又山、右手には早月尾根と早月小屋も。展望を堪能し、ちょっと池ノ谷を眺めに降りたりもしてみた。休憩中に単独の年配の登山者がやって来た。聞けば今朝に馬場島を出発、左俣を詰めて北方稜線に、小窓から今日は池の平小屋泊まりだと言う。ステキー!

 『日本登山大系 剱岳・黒部・立山』によると、私たちは白萩川取水口の裏側の樹林帯を登ってタカノスワリのゴルジュを高巻き、ふたたび白萩川の河原に降り、さらに池ノ谷出合をやりすごして小窓尾根に取り付き、池ノ谷のゴルジュを巻いて小窓乗越しから池ノ谷に下降する(抜粋)三ノ窓への入山路を辿ってきたようだ。下流のゴルジュは日本屈指の険悪な廊下(同書)で池ノ谷は「行けぬ谷」がなまったものと伝えられているとは聞いていたが、注意深く歩いていれば滝が覗けたかもしれないと後で気付いて残念だった。

途中の登山道の段差に蜂の巣があり、8人パーティの4番目から7番目迄が数ヶ所ずつ刺された。幸いスズメバチではなくポイズンリムーバーと抗ヒスタミン軟膏の手当をしたが、毒出しが不充分だったようで翌々日からは熱を持って赤く大きく腫れ上がり痒くて堪らなかった。

調査報告(桑村)
通称「白萩川の高巻き道」と呼ばれているこの道は、池ノ平方面か ら輝水鉛鉱(きすいえんこう・モリブデンの原鉱)を搬出するため に造られた道ではないかと言われています。この採掘は大正4年に 着手されています。池ノ谷→大窓→ロープウエイ→杉ノ平→馬車→ 伊折への登山道だったのではないかとのことです。道の設置はその時に富山鉱業が行ったと推察されます。(早月川風土記)現在、地元の上市町の山岳会「峰窓会(ほうそうかい)」が年に2度草刈りをして管理しています。2月と3月を除いて、ほぼ年中 利用しており正月登山にも登ります。(上市町観光班)




赤谷山へと向かう予定で出発しました。が?
沢を間違え白萩川の堰堤を越えてたことを、ブナクラ沢の堰堤を越えることと大間違いをしていました。
小窓尾根に登る途中まで気付かず、皆様に大変ご迷惑をおかけしました。間違えた原因は反省すれば多くありました。

5:35 暗いうちに堰堤手前の川原に駐車します。 5:49 堰堤は通行止めでしたので脇道の赤布を目印に堰堤を高巻します。


堰堤を高巻、左岸(上流に向かって)を上部に向かって更に高巻いています。

6:35 だんだん夜が明け始め、明るくなって来て、岸の左手の樹林帯を歩いていると対岸におおきなゴルジュだかを持った小さな沢が見え、地図を見ても特定できない。この沢が池ノ谷の入口とは気付いていない。あの大きな立派な池ノ谷の入口とは見えません。単に崖崩れをした谷としか見えませんでした。
7:02 本来なら対岸に渡るはずもない渡渉を行う。地図と違うと思いながらも、まだ気付いていない。
7:17  ところどころ虎ロープが張っています。高巻の為の道だと思っていましたが、道はどんどん登るだけです。途中おかしいとの話になり、小窓尾根を乗越し、池ノ谷に向かっていると判明しました。時間は既に8:00時戻って赤谷山に向かう時間はない為、とりあえず小窓尾根にいけるところまで行こうとの結論で更に上に向かいます。途中私たちと同じように登山口を間違えた二人が下りてきて、上の景色は素晴らしいとの話に勇気付けられました。
乗越の手前で後続を歩いていた4人が蜂に刺される、毒の吸出し等の手当てを行い幸い酷い後遺症は残らず、吸出し器を持参していた方に感謝。

9:07 小窓尾根を乗越す最高点に達するを突如として紅葉の中に剱岳がその雄姿を現しました。
9:13  小窓尾根の潅木帯の中で剱岳の見上げ感嘆の声を上げます。
9:17  見下ろす池ノ谷の雪渓です。
9:46 雪渓の先は剱岳の厳しい岩壁です。
9:56  小窓尾根を越し池ノ谷へ少し下りました。紅葉は益々美しくなりました。
10:00  池ノ谷の下流方向には大滝と深いゴルジュがありますが深くてみえません。再び小窓乗越に登り返し、帰途につきますが、虎ロープが各所に張ってありますが、慎重に下ります。
11:37 帰路も厳しい下りでした。逆光の為良く見えません。 11:46 帰路小窓尾根を下りきると、行きにみた池ノ谷方面への立派な石標です。
帰りの徒渉は靴を脱いで裸足で渡りましたがさすがに水は冷たく、20秒ほどで足がかじかみました。
12:04 徒渉地点から振り返る剱岳は大きく立派です。
12:24 帰路に改めて池ノ谷入口を観察すると険しく人を寄せ付けない様を充分に感じました。


間違えた堰堤に帰り着き、車で馬場島まで戻りました。桑村、丸山のお二人は用事があるとのことでJR夜行高速バスで帰京することにしました。
残ったメンバーで明日 あらためて赤谷山に登る事にしました。一瞬 昨年天候不順で赤谷山山行が中止なった事思い出し、今年もだめかなと思いましたが、残ったメンバーが協力して頂き、あらためて行けることが出来そうです。桑村さん、丸山さんごめんなさい。
15:45  日帰り温泉「アルプスの湯」の窓からみる素晴らしい剱岳のシルエットです
 馬場島から全員で上市の日帰り温泉「アルプスの湯」で汗を流し、富山駅前まで足をのばし、食事をし、JRバスで帰京するお二人と別れ、スーパーで明日の朝食と行動食を買出し、馬場島のテントサイトに戻りました。

10月12日(第2日目)
待望の赤谷山から北アルプスと剣岳の
大展望を楽しみました
コースタイム
起床3:45  5:05馬場島出発==車==5:17赤谷山登山口駐車場 堰堤 5:23──5:37小ブナクラ沢──5:41大ブナクラ沢──6:57大きな岩屋──マヨイ沢──7:25戸倉沢(最終水場)──8:28ブナクラ峠8:45──9:14小さな池 テン場可能──(沢状の岩塊帯を登り詰める)──9:56大岩の脇で休憩10:08──(稜線の急登)──10:53赤谷山山頂11:48──12:19大岩──(紅葉を散策しながら下りる)──13:20ブナクラ峠13:33──14:22戸倉沢──14:32マヨイ沢──14:41大きな岩屋──15:40大ブナクラ沢──15:45小ブナクラ沢──15:50堰堤 登山口帰着──16:05馬場島 テントサイト テント撤収 17:10出発==北陸道、長野道、関越道==深夜1:30頃帰京

この日は前日と同様、3時半過ぎに起床して、5時に馬場島のキャンプ場を出発しました。起きた時に空を見上げたら、満天の星空が綺麗でお天気もかなり良さそうで赤谷山の展望も期待出来そうな感じです、でも朝はかなり冷えました。車で10分位で登山口に到着、昨日下見をした時は駐車場にかなりの車数が見られましたが、今日は連休最終日のためか昨日程の混み具合はなさそうでした。軽い準備体操の後、まだ薄暗いなか出発、まず堰堤を登りはじめました。(梯子の一番下と上が段数が足りなくて、足の置き場に苦労しました)
沢沿いの道を歩き、途中沢を横切りながら進むうちに明るくなっていきました。ブナクラ峠までは、直前のがレ場(ここを登るとすぐ峠に着きました)を除いてはそんなに急な所はなく、途中の紅葉を楽しみながら歩く事が出来ました。峠からは立山の山々がよく見えました。峠には登山者が何人かいて、昨日小窓尾 根で会った人達にも会って、ご苦労様、などと声を掛け合いました。反対側の猫又山に行く人達も結構いて、今度は時間があったら登ってみたいな~と思いました。峠から赤谷山までは、結構絶壁のきわの道を通ったり、ロープ場が3か所ほどあったりと少し大変でしたが紅葉は本当に美しく、赤と黄色の絨毯が山に掛かったようで、感動しました。山頂の直前の平坦な道を抜けると剣の展望が一気に広がり、山頂に着いた事に気付きました。それにしても、間近に見る剱岳には圧倒され、その名の通りの山だなと感じました。(松平さんの言うかっこいい剣の意味が解りました)また行ってみたい山が一つ増えました。山頂からは鹿島槍、五竜、白馬などが見えてその雄大な風景にも感動しました。山頂は私達以外にも10名程の登山者がいて、昼寝などをしたくなるほど気持ちの良いお
天気で皆さんそれぞれ思い思いに楽しんでおられました。そして、赤谷山の山頂の看板を作ったというご老人にも山頂でお会いし、いろいろとお話を聞かせて頂きました。30分程大展望を満喫した後、ガスが出始めたので、名残惜しさはありましたが、山頂を後にしました。下りは少し足速に、でも紅葉の激写大会 でここぞとばかりにいろいろと写真を撮りました。帰りの沢は水量も増えており、沢をジグザグに横切りながら、下山しました。
今回の山行は初日は雨でしたが、最終日は山の神様にご褒美を頂き美しい紅葉を見ることができました。皆様本当にお疲れさまでした、そして大変お世話にな り有難うございました。
(感想文、稲石)


5:32 昨日と同じ時間におき出発し、今度は昨日偵察済みの赤谷山登山口の堰堤の急な長い梯子を登って出発します。当たり前のことですが昨日とことなり地図と地形がピッタリあっています。小ブナクラ沢 大ブナクラ沢を渡り、道は左の斜面から流れ込む沢から水の豊富な道筋が続いています。
6:48 10人ほど泊まれそうな大きな岩屋です。このあとマヨイ沢を渡り、最終水場の戸倉沢(標高1400m)を渡り、いよいよブナクラ峠までは急登です。
7:25 戸倉沢を過ぎ、ブナクラ峠への急登の前 猫又山の斜面に朝日が当たり紅葉が美しく映えます。
ブナクラ峠の直下は累々とした岩の道が続きます。
につれ
8:19 ブナクラ峠に近づくにつれ後立山の峰々が近づいてきます。
ブナクラ峠からの大展望です。 白馬三山と不帰のキレット 唐松岳が近くに見えます
8:21 8:24 ブナクラ峠のお地蔵さまです
8:24 紅葉に彩られた猫又山への道です。そちらぬ向かう登山者も多くいました。
9:07 ブナクラ峠から30分程 テントを張れそうな場所です。猫又山立派に見えます。
9:35 稜線の左の沢状の岩道にルートはあります。
10:41 赤谷山の頂上直下は急登が続きます。
10:47 いよいよ赤谷山山頂です。剱岳が突如として目の前に現れました。
10:49 山頂で7年前に赤谷山の山標を設置した82歳の元気な砺波市の男性にも会いました。

                            鹿島槍ヶ岳から剱岳に至る大展望です。

10:48  手前白萩山から赤ハゲ 白ハゲ 池ノ平山 小窓ノ頭に至る稜線です
10:49 赤谷山山頂で白馬三山をバックに大展望を楽しみました。
11:01 赤谷山から白萩山方向に進むと美しい岩山が点在します
11:13  剱岳をバックに記念撮影です
11:44
12:18  毛勝三山に急速にガスがかかってきました。
12:51  帰路は素晴らしい紅葉を楽しみながらのんびり下ります。
12:52
12:53
13:04
13:08
13:34  ブナクラ峠直下の岩塊地帯をを下ります。
帰路は戸倉沢、マヨイ沢、大ブナクラ沢、小ブナクラ沢と沢を渡りながら、ひたすら堰堤の登山口目指して帰ります。
15:47 漸く最終地点の堰堤に到着しました。堰堤の下りは梯子が厳しくおっかなびっくりです。

赤谷山は細谷さんが昨年から計画したものです。昨年は天候不順、今年も1日目は悪天候、2日目はルートミス、3日目に漸く実現しました。前評通りの剱岳の素晴らしい展望を楽しみました
。間違って登った小窓尾根からの剱岳の素晴らしさ、チャンスがあれば来夏にもこのルートから登りたいものです。

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