八ヶ岳(硫黄岳・天狗岳)~北八ヶ岳縦走

 

日 程  2008年111日(土)~3日(月)

参加者  新美(L)、福井(食当)、関根(会計と記録)、渡辺(記録)

コース  

1日目 新宿700⇒(JR特急)⇒907茅野935⇒(バス)⇒1012

     美濃戸口⇒赤岳鉱泉(幕営)

2日目 赤岳鉱泉⇒硫黄岳⇒天狗岳⇒黒百合平(幕営)

3日目 黒百合平⇒高見石⇒白駒池⇒麦草峠1145⇒(バス)⇒1249茅野⇒

(JR特急)⇒新宿 

                              

  1日目(11月1日)土 晴れ  

  コースタイム

 美濃戸口10301135 美濃戸山荘11451240堰堤広場124513

50赤岳鉱泉(幕営地)15001520中山乗越展望台1530⇒(幕営地) 

  茅野駅からバスに揺られ、40分ほどで美濃戸口に着いた。車内は、連休の晩秋の登山者で満員だった。美濃戸口で身支度を整え、軽くストレッチ体操をして本日の幕営地・赤岳鉱泉を目指して出発する。カラマツに囲まれた静かな林道を歩きはじめると、黄色に色づいたカラマツの糸のように細い葉がハラハラと風に舞って雪のように足元に落ちてくる。とってもロマンチックな風情だ。

  約1時間程で美濃戸山荘前に到着。ロマンチックな林道とはいえ、久々に重たいザックを背負い少々息切れしてきた身を休める。山荘前のベンチでは、大勢の登山者が皆一様にザックを開け食事中だ。じき林道が終わりになるので備えているのだろうか?その光景を見て私たちも少々の行動食をとった。堰堤広場を過ぎ、北沢に沿って登っていくと正面に奇怪な形の鋭い大岩が見えてきた。これが横岳の前に鎮座する大同心か。PM1時50分赤岳鉱泉に到着。早速テントを張りザックを中に入れて準備完了。ここ赤岳鉱泉から横岳の眺めがまた素晴らしい。鋭い岩峰にうっすらと雪が覆い白く輝いている。その前にはさきほどの大同心が鎮座している。見ごたえのある光景だ。

  夕食まではたっぷり時間があるのでここから1時間余で往復できる中山展望台まで散策する。登山道の岩石には雪が張り付いて滑りやすいため登り下りとも慎重をきす。ガイドブックの説明どおり、それはもう八ヶ岳主峰の絶景だった。

 阿弥陀岳~赤岳~横岳~硫黄岳の岩峰がパノラマのように眼前に広がっている。

 当初の予定コースだった行者小屋から赤岳への文三郎尾根もはっきりと見ることができる。急登で雪もあり厳しい登りであろうことは一目瞭然だ。

展望台で一人、三脚を構えシャッターチャンスを待っているらしきカメラマンに出会った。山岳会の会員で、何年かに1回ある今年の山岳写真展に出品するために準備しているのだという。お願いして皆でレンズを覗かしてもらう。立派な望遠レンズで、覗き込むと手の届きそうなところに山々が目にとびこんできた。

PM4時頃テントに戻り夕食の準備にとりかかった。今夜のメーンデュッシュはカツ丼。食当のFさんが心をこめて準備して下さったのだ。暖まったテントの中で食したカツ丼は本当に美味でした。食後、ワインとNさん手づくりの果実酒で歓談し、明日のメーンコースに備えPM8時に就寝した。

 

2日目(112日)日 晴れAND強風

コースタイム

 赤岳鉱泉645830 赤岩の頭835905硫黄岳9101045夏沢峠11001125根石山荘⇒1140根石岳 ⇒1205東天狗岳12151300黒百合平への分岐⇒1400黒百合平(幕営地)

  テントの外が明るくなる6時頃起床。外はかなり寒い。暖かいテントの中で朝食後、テントをたたみAM6時45分赤岳鉱泉を出発する。早朝の横岳岩峰は、昨日の陽光に輝く印象とは異なり、灰色の寒々しい様相を見せている。いよいよ本日は今回のメーンのコースを縦走する。赤岩の頭までは樹林帯の中、急登もありの登りだ。途中休憩を入れながら、雪で滑りやすい登山道を一歩々慎重に歩む。

 やっと樹林帯を抜け赤岩の頭に着くと視界がいっきに開ける。昨日、中山峠で見たあの大パノラマ、阿弥陀~赤岳~横岳~硫黄の荒々しい岩峰に加え、反対側には天狗岳さらにたおやかな形の蓼科山まで仰ぎ見る事ができる。しばらく眺望を楽しんだ後、硫黄岳頂上を目指して出発。

 尾根に出た途端、強風が吹き荒れる悪条件に遭遇しこれから先困難な山行となる。白い砂地に続く岩の尾根を強風に打たれながらやっと硫黄岳頂上に到着する。

 ガイドブックでは「広い山頂で眺望が良い」「息をのむほどの爆裂火口…」云々とあるが、強風と寒さで眺望を楽しむ余裕はない。山頂の標柱の陰であわててザックから毛糸の帽子、手袋、防寒着を取り出し寒さ対策をする。早々に夏沢峠を目指して下山にとりかかる。雪に覆われて滑りやすい砂礫と大きな岩石と強風の中、登りよりもさらにきつい下りであった。重いザックとともに強風に飛ばされそうでじっと立ち止まることもしばしばであった。夏沢峠近くになると樹林帯に入る。夏沢小屋前の、風よけと日当りの良い場所を探し行動食をとり休憩した。               

根石岳・天狗岳への尾根は再び強風の中を行進。根石山荘の案内板には「お風呂入れます」の文字が見える。今、この山荘に泊まってお風呂に浸かれたら最高にいい気分だうなーなどと妄想しながらひたすら登る。この辺りは夏はコマクサの群生地らしい。根石岳正面には東天狗岳、西天狗岳が相似形をなしている。強風の中で体力も消耗しているので東天狗岳のみ登って黒百合平に下りることに決定した。東天狗岳の登りも黒百合平への下りも雪で滑りやすい岩石の連続であり、特に黒百合平への下りが行けども行けども岩石の連続で閉口した。ン10年前の夏、赤岳~横岳を経て今回と同じコースを歩いたことがあるのだがそんな大変だった記憶がない。季節と天候によって同じコースの登山条件がこんなに異なってしまうことをあらためて実感した次第でした。(勿論、年齢もです!)

PM2時、やっと黒百合平に到着。幕営後、早速黒百合ヒュッテ前のベンチでビールで乾杯。外は寒かったが、力を出しきった後のビールはとっても美味だったのでした。PM5時ごろから夕食の準備にとりかかる。今夜のメーンデュッシュはうな丼。昨夜に続く豪勢な食事、これで今日の疲れもスタミナ回復間違いなし! 食後は短い歓談のあと昨夜よりも早めに就寝した。          (記 渡辺)

3日目(11月3日)月 曇り

  コース                                                  

黒百合平6:45⇒中山峠6:55中山展望台7:40⇒9:05高見石小屋9:2010:00白駒池⇒(一周)⇒青苔荘10:3510:55白駒の奥庭⇒11:15草峠11:45(バス)⇒12:49茅野駅⇒(望岳温泉)⇒ 茅野駅15:53

              

5時起床。こんがり焙ったイングリシュマフィン(バター・ブルーベリージャム)とスープのおしゃれで美味しい朝食。

テントのロープを止めた重石が土に凍りつくほど寒い。防寒着で身を包み出発する。

今日はコースタイムにゆとりがあるので疲れて身体は重いが気分は軽い。

 

展望の良い場所ではザックをおろし、小海線の東に広がる山並みをじっくり眺める。特徴ある金峰山の五丈岩や荒船山の山容が面白い。

足もとや森の中は、数日まえ降った雪がまだら模様に残っている。シラビソの木が擦れあい、小鳥のようにピキーピキーと鳴く。

「素敵ね!」 「この前行った有名な○○美術館の庭園より感動するわ。」

「こんな所でコーヒーが飲みたいね」と話しているとL新美さんが 即 休憩にしてくれた。暖かなコーヒーと美しい風景に心身共に和む。昨日歩いた硫黄岳・天狗岳の荒々し風景から一変、今日は苔むす針葉樹原生林の穏やかな風景だ。このコースでは贅沢なことに 南八ツと北八ツ まったく異なる山の魅力を楽しむことが出来る。枯木立の目立つ中山からの岩道は雪が凍りついていた。緊張する場所もあったが出会う人も少ない静かな山歩きで高見石まで下った。

高見石の天辺に立つと白駒池が見下ろされ、北アルプス・浅間山・蓼科山、背後には中央アルプスが望まれた。メンバー女性3人は、今夏 空木岳登山をしている。「あそこへ登ったのよね~!」と感慨も一入。

深い樹林をめぐらす白駒池の遊歩道を一周する。蒼とした針葉樹の森は岩や根が幾重にも青々とした苔に覆われている。

森の妖精があらわれそう! 

池からひと登りで冬の風が吹き抜ける麦草峠に到着。L新美さんの75ℓのザックに感謝し、無事山行できたことを喜び合う。

美しく紅葉したカラマツの林をバスに揺られて茅野へ。公営の玉宮温泉望岳の湯に寄る。湯舟からは八ケ岳の峰々が眺められた。

                            (記 関根

費用 \15450

 交通費 11650あずさ回数券使用8300・バス900+1400・タクシー4200÷4)

 幕営料 2000(二泊)  食費1400   温泉 400


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