GWの涸沢定着山行


日程 2008年4月26日(土)〜29日(火) 前夜発・テント3泊
メンバー 渡邉 元嗣(単独)
山域 北アルプス南部・槍穂高連峰 槍ヶ岳(敗退)〜奥穂高岳(3190m)〜涸沢岳(3110m)
交通 往路:新宿〜新島々(ムーンライト信州・松本電鉄) 復路:上高地〜新宿(松本電鉄・中央線)
残照の前穂北尾根

ルート
上高地バスターミナル → 明神 → 徳沢 → 横尾 → 槍沢ロッジ → ババ平 → 大曲(泊) → ババ平 → 槍沢ロッジ → 横尾 → 涸沢(泊) → ザイテングラート → 白出のコル → 奥穂高岳 → 白出のコル → 涸沢岳 → 白出のコル → 小豆沢 → 涸沢(泊) → 横尾 → 徳沢 → 明神 → 上高地バスターミナル → 大正池 → 上高地温泉ホテル → 上高地バスターミナル


 4/26〜29、単独テント3泊で槍穂を歩いてきました。しかし、ピークに立てたのは、奥穂高岳(3190m)と涸沢岳(3110m)のみ。標高でいうと、国内第3位と第8位のピーク。上高地開山に伴って、槍沢および涸沢からピークを目指しました。どちらのルートも雪崩多発地点のため、積雪が安定するこの時季以降のみ利用できるルートです。


槍沢を往く

空を翔ける

 4/25、23:54臨時夜行列車のムーンライト信州で新宿を出発。


 4/26、6:30頃には上高地に到着。天気が悪い。今夜から明け方にかけては、嵐になりそうだ。降雨の強弱が変化する中、槍ヶ岳に向けて槍沢を往く。槍ヶ岳ロッジで小休止、暖をとる。ババ平を過ぎると、左右の尾根からデブリが散乱している。同時に雪が深くなる。トレースはほとんどあてにはできず、時には腰まで潜るラッセルを強いられる。相変わらず雨は止まず、大曲付近で本日の行動を終える。雪崩が恐ろしいので、小高い大地に上がり、斜面をL字型に切って、テント1張り分だけのスペースを確保する。体調があまり優れないので、食事は摂らずシュラフに潜り込んだ。辺りには頻りに雷鳴が轟いている。


涸沢テント村
瞼に残るジャンダルム

 4/27、雨は雪へと変わり、雪は一晩中降り続いていた。昨晩中に40cm程度は新雪が積もったよう。撤収時には、突風にテントを飛ばされかけている。降雪は、昨日のトレースを消し去り、ラッセルを更に困難なものとした。槍沢は雪崩の巣窟、新雪表層雪崩の危険性が高いと判断し、ここで引き返すことにした。横尾まで戻ると、空は次第に明るくなり、穂高は雲の中から雄姿を見せる。涸沢へと方向転換することにした。天候はすっかり回復している。涸沢にテントを設営し、明日は奥穂を目指す。


烈風の中、奥穂の頂へ
涸沢岳にも登頂、エビノシッポがびっしり

 4/28、日の出と共に目覚めるが、穂高の主稜線には雲が掛かる。今日は奥穂を目指す。強風に節煙が舞う中、ザイテングラードを快調に登り、白出のコルへ。強風のため、奥穂の頂を目指す登山者は多くないようだ。奥穂の山頂には自身も含め4名のみ。ジャンダルムが雪煙を纏い、勇ましい姿で屹立している。白出のコルまで下った後、涸沢岳をピストン。小豆沢をシリセードで下る。あっという間に涸沢のベースキャンプへ帰着。まだ陽が高いので、シュラフ等、一昨日の雨で濡れた装備を干すことにした。


白出のコルに日が沈む
奥穂高モルゲンロート

 4/29、目覚めると、主稜線がモルゲンロートに燃えている。今日は早々に上高地へ下り、周辺を散策してから東京に帰ることにする。上高地バスターミナルから大正池までバスで移動し、上高地へ戻る形で梓川に沿って歩く。上高地温泉ホテルで4日分の汗を流し、14:00発のバスに乗車し、家路へと向かった。


涸沢さらば、また来る日まで
大正池と焼岳

写真・文章:渡邉 元嗣

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