新緑と残雪の会津駒ヶ岳


日程 2008年5月17日(土) 日帰り
メンバー 渡邉 元嗣(単独)
山域 南会津 会津駒ヶ岳(2133m)
交通 往路:マイカー 復路:マイカー

ルート
滝沢登山口 → 駒ノ小屋 → 会津駒ヶ岳 → 駒ノ小屋 → 滝沢登山口


  新緑と残雪を求めて、南会津最高峰の会津駒ヶ岳(2133m)に登ってきました。2007年に新設された29番目の国立公園である尾瀬国立公園に含まれます。会津駒ヶ岳はたおやかな山稜から成り、麓からはどの角度からも頂を望めない山です。豪雪の地に広くなだらかな尾根を従えている山なので、山スキーの対象としても有名。ルートは最短である滝沢登山口から。


たおやかなる峰、会津駒ヶ岳
新緑のシャワー

  深夜1:00に起床、3:30に自宅を出発。今回のベースとなる桧枝岐村までは自宅から約260kmの道程。距離的には北アルプスの信州側登山口と同程度だ。首都高、東北道を経て、鹿沼からは下道を走る。日光杉並木で有名な国道121号を走り、会津へ。鬼怒川温泉を過ぎると、新緑が眩しく、心地よいワインディングが続く道となる。前走車もなく、こういう道のアプローチなら大歓迎。登山のアプローチに便利な車もいいけど、登山のアプローチそのものを楽しめる車って、やっぱり捨てがたい。芝草山や家向山の登山口を車から見送り、今年の1月と3月にも会津へ訪れたことを思い出す。新緑と春風に導かれ、桧枝岐に到着したのが7:00頃。今回の登山口に行くには、国道352号から右手に折れる。「会津駒ヶ岳登山口」と大きく表示された標識が立っているので、わかりやすい。滝沢登山口へと続く林道は完全に舗装されている。林道の左右あちこちに駐車スペースが敷設されているところを見ると、雪解けを迎えたシーズンは登山者で賑わうのであろう。


残雪の針葉樹林帯
山頂へ続く雪のプロムナード

 身支度を整え、7:30には歩き出す。春らしい穏やかな日和であるが、雲が多い。登山道へと取り付きには木製の階段がある。ブナとナラが春陽を浴びて輝いている。会津の落葉広葉樹は美しい。ところどころにムシカリやタムシバの白い花が目立つ。ジグザグの急登を追え、標高1500mを過ぎると残雪が多くなる。次第に辺りの樹木がツガなどの常緑針葉樹に姿を変えていく。枝が多く落ちてはいるが、ここまで登ると残雪は豊富で、スキーの使用も可能だ。森林限界を向かえ、視界が開ける。右手には大戸沢岳から駒ヶ岳へと雪稜が続いている。この時季の会津駒ヶ岳は、新緑を輝かせている広葉樹、これから芽吹きを迎える広葉樹、常緑針葉樹、森林限界と段階的に樹木の生態が移っており、植生の分布が非常にわかりやすい。さて、森林限界を超えると、スキーに最適な雪面が広がっている。正面の緩やかな斜面を登り終えると、駒ノ小屋だ。ここで、キリンテ、御池方面から来るトレイルと道を合わせる。最後の登りを終えると、駒ヶ岳の頂である。駒ヶ岳からは東へ大戸沢岳、北へは中門岳へと尾根が続く。今回は中門岳まで足を伸ばそうと画策していたが、雲が多く展望も期待できないので、駒ヶ岳登頂にて引き返し下山することとした。大池の周りに花が咲く頃にまた訪れよう。眩いばかりの新緑にシャッターを切りながら、順調に下り、あっという間に滝沢登山口へと戻った。下山後、天候は回復方向へ。もう少し登山開始時刻を遅らせるか、山頂で時間を潰して粘ればよかったかも。この後は、桧枝岐温泉の立ち寄り湯、駒の湯へ。後から気付いたのだが、滝沢登山口付近には竜ノ門の滝という立派な瀑布があったよう。新緑と相まって綺麗だったろう。立ち寄ればよかった。


山頂にて
霞む燧ヶ岳

 下山後は駒の湯で汗を流し、桧枝岐観光。ミニ尾瀬公園ではミズバショウが一面に咲いていた。桧枝岐名物の「裁ち蕎麦」と「はっとう」を食し、七沢キャンプ場にテントを張った。


春風に新緑が薫る
陽を通す明るい登山道

写真・文章:渡邉 元嗣

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