花の3000m稜線


日程 2008年7月19日(土)〜20日(日) テント1泊
メンバー 渡邉 元嗣(単独)
山域 南アルプス 白峰三山〜広河内岳
交通 往路:マイカー+バス 復路:バス+乗合タクシー+マイカー

ルート
広河原 → 二俣 → 大樺沢雪渓 → 八本歯ノコル → 北岳 → 北岳山荘 → 中白根山 → 間ノ岳 → 農鳥小屋(泊) → 西農鳥岳 → 農鳥岳 → 大門沢ノ頭 → 広河内岳 → 大門沢ノ頭 → 大門沢小屋 → 奈良田第一発電所


 海の日の連休、白峰三山〜広河内岳をテント1泊で単独縦走してきました。直前の天気予報を参照したところ、北より南の方が好天が期待できそう。今年は南アルプス林道のバスの運行も支障なし。以前から温めていた白峰三山1泊縦走を決行しました。1泊というところがポイントです。


 7/19(土)、1:30にマイカーで自宅を出発。4:00前には芦安に到着。5:30始発の広河原行きバスに乗り継ぐ。3連休とあって登山者は多く、定刻を20分程過ぎて、広河原に到着。朝の涼風が心地よい。野呂川に架かる吊橋から、雪渓とバットレスを従える北岳を仰ぐ。大樺沢に沿って足を進める。二俣までは人が多い。多くの登山者は右俣から尾根を目指すが、こちらは人の少ない左俣へ。雪渓から八本歯のコルを目指す。雪渓上部はそれなりに斜度があるため、ストックや軽アイゼンが欲しいところ、右手にバットレスの威容を仰ぎながら雪渓を詰めるが、思ったよりも時間がかかってしまった。大樺沢上部は木製の梯子が続く急登。高度の影響もあり、なかなかしんどい。八本歯のコルから稜線に飛び出ると、北岳西斜面には花畑が絨毯のように広がっている。ハクサンイチゲに混じってキタダケソウも残っていた。北岳のピークを踏み、足は南へ向かう。今日は間ノ岳を越えて、農鳥小屋まで行く。間ノ岳の大きな図体を越えるには、それなりのアルバイトを強いられそうだ。北岳のピラミダルな山容を振り返りながら、間ノ岳へ。花に彩られた稜線がどこまでも続く。農鳥小屋は、北岳山荘の喧騒が嘘のように静か。今日はここにテントを張る。


大樺沢雪渓とバットレス
北岳から望む間ノ岳


八本歯のコル付近の花畑
カールを抱く仙丈ヶ岳
雷鳥も夏の装い

 7/20(日)、5:00起床。テントサイトから朝陽に染まる農鳥岳や富士山の遠望を楽しむ。今日は奈良田まで標高差2200mの道のりを一気に下らなければならない。テント撤収を済ませ、意気揚々と農鳥岳へ登山開始。農鳥岳へ至ると花の数は急に少なくなり、アルプスらしい景観に変わってゆく。稜線は急に角度を変え、農鳥岳は複雑な山容を形成していることがわかる。ちなみに、西農鳥岳の方が農鳥岳よりも標高が高い。間ノ岳の大きな山体を振り返ると、急速にガスが増えてきている。どうやら今日は夕立になりそう。大門沢下降点には鐘塔が建てられている。冬季この地で力尽きた遭難者の遺族が建てたそうだ。ここにザックをデポし、広河内岳をピストンする。広河内岳から南方には、白峰南嶺の稜線が果てしなく続いている。大門沢の急坂を下降。標高を下げるに従って、徐々に沢の水量が増えていく。いくつもの吊橋を渡り、バス停のある奈良田第一発電所へ。バスの時刻が気がかりだったが、13:30発のバスにもまだ早いくらいだ。バス到着までは南アルプス林道のゲートを管理する守衛さんと世間話をし、時間を潰す。広河原からは乗合タクシーに乗り継ぎ、芦安に停めたマイカーまで帰着。


間ノ岳の大きな山体
山頂で憩う登山者
農鳥岳山頂にて
広河内に架かる吊橋

その他の写真、詳細な記録はブログに掲載しています。以下のURLからどうぞ。
http://www.mototsugu.com/index.php?e=405


写真・文章:渡邉 元嗣

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