残念ながら天候悪く来年への偵察で終わりました
剱岳 北方稜線ルート
期 日: 8月8日〜11日(前夜発)
参加者:L蓬生、細谷、佐藤
8月8日(土曜日)
前夜8月7日22:30毎日新聞社本社前を夜行高速バスで出発
6:50 立山室堂バスターミナル着 準備と朝食 出発7:55──8:43称名川の木橋を渡る──雷鳥沢ルート──10:50別山乗越11:15──11:45剱沢小屋(情報収集)12:15──12:50剱沢雪渓部分──13:35長次郎雪渓出合──14:23真砂沢キャンプサイト【泊】 19:20消灯



7:55 室堂バスターミナル前の名水で水を補給します。

前日の22:30竹橋の毎日新聞本社を深夜高速バスでスタート、途中何度も目を覚ましながらも7時前に室堂のバスターミナルに到着、小雨やら霧やらの怪しい天気でとりあえず雨具着用で出発します。
8:35 雷鳥沢登山口へ弥陀ヶ原を歩きます。荷物と雨具でゆっくり景色を楽しむ余裕がありません
8:59 大きな荷を背負った蓬生リーダーは称名川の木橋を渡りいよいよ雷鳥沢登山コースを別山乗越2750mへの急登が待っていました。
11:09 雷鳥沢登山コースで雨は止み晴れ間も覗いてきました。あえぎあえぎ登りつめた標高2750mの別山乗越より剱岳の一部八峰の岩稜が望まれます
    結局今回の山行で剱岳本峰を見ることはありませんでした。
11:52剱沢のキャンプ場より別山乗越を振り返ります。左は別山 右は剱御前 間に別山乗越は標高2750mがあります。今日はこの乗越から真砂沢ロッジキャンプ場までほぼ1000mを下らなければなりません
12:47剱沢小屋を過ぎ、急な斜面をくだりいよいよ真砂沢キャンプ場を目指して日本三大雪渓の一つの剱沢雪渓を下ります。
12:51 剱沢雪渓は下るにつれ傾斜を増してきます。
12:58 画像が全体的に白いのは、雪渓と空気の温度差で出た湯気のように昇る霧のためです。先行する蓬生さん細谷さんも霧の中にかすんで行きます。
13:15剱岳本峰蟹の横這付近から下る平蔵谷雪渓が剱沢雪渓に落ち込みます。
13:31剱沢雪渓に長大な長次郎雪渓が合流します。
14:18長次郎雪渓出合を過ぎ、剱沢雪渓を高まきながら進むと真砂沢小屋とキャンプ場が近づいてきます。標高2400mの室堂から標高2280mまで下り、標高2750mの別山乗越まで登りそして真砂沢キャンプ場標高1780mまで下ります。
14:38真砂沢キャンプ場は剱沢雪渓の最下部に位置しています。今日はさすがに疲れて昼寝をし、夜も明日に備えて早々に寝ました。

8月9日 小雨のち曇り
5:00起床  出発6:27──6:37三ノ沢出合クレパス──8:02二股吊橋──10:36仙人小屋分岐──10:40展望 乗越10:57──11:20池ノ平小屋着 【泊】 消灯19:30
いよいよ今日は池ノ平小屋へと出発しますが、小雨模様のため雨具着用での出発です。二股吊橋までは剱沢を更に標高200mほど下ります。そこから仙人新道の急登を池ノ平小屋へと向かいます。
6:49真砂沢ロッジから10分ほど下ると三ノ沢出合付近は三ノ沢のデブリが崩れクレパスやスノーブリッジになっています。剱沢の山岳警備隊から注意を受けていましたが思ったより安定しているようでした。
7:33二股吊橋まで途中剱沢をへつる鎖場があります。水の少ない時は不安感はありません
8:03 二股吊橋にちかずくと圧倒的な迫力で小窓雪渓が迫ってきました。
8:06 二股吊橋で記念撮影です。
8:54登るにつれ小窓雪渓と北方稜線・八ツ峰の岩稜が大きくなってきます。
9:19 仙人新道の急登で大汗をかきました。
10:42 仙人池ヒュッテへの分岐を過ぎると赤谷山から池ノ平山へいたる難コースが近づいてきます。
11:03 池ノ平山です。あの雲の下に今日の目的地の池ノ平小屋があります。
11:34 池ノ平小屋の内部です。快適な雰囲気で沢山の山岳関係の蔵書があります。
11:36 小屋には手書きの簡単なイラストですが結構参考になります。
11:36 最近 映画が公開された新田次郎作「点の記」のメンバーもここに泊り込み映画撮影したそうで、記念のサインも沢山残されていました
12:31池ノ平小屋は旧小黒部鉱山の事務所として戦後まもなくまで稼動していた時代もあり、希少金属のモリブデンの鉱石が小屋の周りを探すと出てきます。
13:31小屋の周りに小黒部鉱山時代の機械部品が残っています。
13:54 池ノ平小屋の前で北方稜線を見ながらビールでのんびりよもやま話を楽しみます。
18:20 明日の天候が心配です。夕暮れの小窓ノ王が圧倒してきます。
明日の予報はラジオの予報を聞くたびに降水確率が高くなってきます。一昨日の予報は晴れだったのですが?

8月10日 雨のち曇り
5:00起床 雨が降り続き停滞か真砂沢キャンプ場に戻るか判断時間   池ノ平小屋発10:05──11:55二股吊橋12:15──13:10三ノ沢出合付近──真砂沢キャンプ場【泊】 消灯19:40

夜中から雨が強くトタンの屋根をたたいているのが、分かります。定刻5時に起きましたが雨は降り続いています。勿論北方稜線縦走には出発できません。停滞して明日北方稜線を目指すか判断に迷います。ラジオの予報を聴いたり、9:30の天気図をリーダーが付けたり明日の予報は晴れ間もあるがすっきりしないだろうとリーダーは判断し、小屋を後にして真砂沢のテントサイトに引き返すことにしました。
10:07雨の中にもすっきりと剱ノ池が小屋から見渡せます。これでお別れです。
10:33 乗越の分岐から仙人池ヒュッテが見えます。これから時折降る雨の中を雨具をつけ蒸れながら、急な仙人新道を下り真砂沢へと向かいました。
12:15池ノ平小屋から仙人新道を下り二股吊橋を渡るころには雨も止みました。
12:23 剱沢はこの辺では雪渓はありませんが上流からの雪渓の水は冷たく気温差から幻想的な水面から水蒸気が上がっています。
12:30 剱沢をへつりながら上流の真砂沢ロッジへと歩きます
13:19 真砂沢ロッジの手前の三ノ沢出合でリーダーは突然ピッケルを取り出しました。何故でしょうといぶかる間に雪渓の雪を掻き始めました。ビールを冷やすための雪をテントサイトに持ってゆくためです。なんと思慮深いことでしょう?

真砂沢のテントサイトは20〜30人の若者が八ツ峰の岩稜でクライミングで集まっていますが、今日は登れずスイカ割りをしたり、読書をしたりで時間をつぶしています。


8月11日 曇り時々晴れ一時雨
3:30起床 出発5:15──6:00長次郎雪渓出合 アイゼン・ピッケル使用──(長次郎雪渓を詰めあがる)──7:45熊ノ岩上部7:58──(長次郎雪渓を下る)──8:53長次郎雪渓出合9:10──(剱沢雪渓を詰め上がる)──10:15剱沢雪渓を離れる──11:35剱沢派出所12:05──12:51別山乗越13:05──14:04常願寺川橋を渡る──(弥陀ヶ原)──15:30室堂バスターミナル15:45===17:10美女平===(ケーブル)===17:17立山駅  17:35民宿千山荘【泊】
8月12日 立山駅7:37===富山===越後湯沢===(新幹線)===東京駅12:40

今日は真砂沢標高1750mをあとにして剱沢の登りつめ別山乗越2750mを越えなければ帰れません。テントを背負ったフル装備でなかなかのアルバイトになりそうですが、せっかくここまで来たのだから長次郎谷の雪渓も少し登ってみようとのことになりました。
6:04 長次郎谷出合でアイゼンを着用、ピッケルを持って雪渓をさかのぼります

6:25 北方稜線の岩峰に一瞬 朝日が差し込みその迫力に圧倒されます。
6:25 長次郎沢右俣を詰めたところは池ノ谷乗越ですが、今日は左手の熊の岩までです。来年のお楽しみです。
6:58 北方稜線は直ぐに霧に隠れてしまいした。目指す熊ノ岩は不気味にたちはだかっています。
6:58 長次郎雪渓を登る蓬生さんと細谷さん
7:23 右手の八ツ峰の鋭峰です。この鋭峰を登るクライマーの声が近くに盛んに聞こえますが姿は見えません。この2時間後にクライマーに落石が当り、剱沢のレスキューが駆けつけました
7:31 急な雪渓を登りつめると熊ノ岩が現れもう少しです。長次郎谷出合標高1950mから2565mまで600m以上登らなくてはなりません。北方稜線まではかなり近くなりますが今回はここまでです。
7:44 あの荒々しい熊ノ岩の上部は草原で高山植物も咲き乱れています。
7:45 熊ノ岩上部はテントが大小6箇所は晴れる絶好のテントサイトです。解けた雪渓の水もあります。トイレがないのだけが難点ですが。
7:46 長次郎谷左俣ルートは今年は雪渓が崩壊してかなり危険とのことですが、霧がかかって確認できません。
9:33 長次郎谷出合に戻り、再びフル装備を背負って剱沢の長い雪渓を登りつめて行きました。
11:01 剱沢の雪渓を離れ、剱沢小屋までの斜面の暑く厳しいこと。暑くて高山植物を楽しむ余裕がでませんでした。
11:02
11:06 剱沢小屋まで道程は暑くて暑くて重荷にはこたえました。
12:31 剱沢小屋を過ぎ別山乗越に近づくと美しい高山植物が豊富にありました。
別山乗越からは多くの登山客が登ってくる中を下り、称名川の木橋を渡ってからの室堂バスターミナルまでの長いこと、まるで万里の長城を歩くようなアップダウンのある石畳の道を観光客と混じって重い荷物を担いで歩くとはいやになりました。

室堂までの今日の道程は登りの標高差合計1800m下りの標高差合計1200m 行動時間12時間の長丁場になりました。
とりあえずどっかでのんびり汗を流そうと話になり、バスとケーブルを乗りついて立山山麓を目指します。

16:46 バスを1時間美女木平まで更にケーブルで立山駅までおり、そこで民宿を探しました。
民宿「千山荘」は70数歳の奥さん一人で切り盛りし、そして簡易郵便局の局長さんでもありました。ご立派でした。
温泉は隣の立派なホテルに借り湯し快適です。食事も十分でした。標高550m静かで涼しい高原の町でした。
7:31 立山駅から地鉄電車で富山駅まで出て、乗り継ぎよく越後湯沢から新幹線にのり、昼過ぎには無事帰宅しました。
9:04 富山からの帰路魚津付近から剱岳のシルエットが見えます。北方稜線はどうだのコルはどこだのを語り合いながらの帰路の列車の旅でした。
来年の北方稜線が楽しみとして残りました。




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