初秋の”名峰飯豊山縦走”
期日:2009.09.19~22
参加者:L 蓬生 細谷 松平 新美 川田 渡辺(綺)

行 程  

19日(土) 東京1008⇒(MAXやまびこ111号)1130郡山1144⇒(磐越西線)1256会津若松1307⇒野沢1355

     JR野沢駅1405(ジャンボタクシー)→1504弥平四郎登山口15101527祓川山荘(泊)

20日(日) 祓川山荘557750松平峠→857疣岩分岐916930疣岩山→1015三国岳避難小屋10301215→切合避難小屋12351310草履塚→1338姥権現→1440飯豊本山小屋(ツェルト泊)

21日(月) 飯豊本山小屋705720飯豊山730838御西避難小屋8581018大日岳10321140御西避難小屋12081441烏帽子岳→1530梅花皮避難小屋(泊)

 22日(火) 梅花皮避難小屋603631北俣岳→735門内岳避難小屋745835地神山→851丸森尾根分岐→(丸森尾根)→1114夫婦清水→1305飯豊山荘  1632(ジャンボタクシー)→1708JR小国駅

   小国(JR米坂線)⇒坂町JR羽越線)⇒新潟(上越新幹線)⇒東京2230着) 

初日(9/19)晴れ

 念願だった飯豊山縦走に参加することとなった。郡山から会津若松に、さらに会津若松で野沢行きに乗り換え終点で下車。磐越西線2時間余の車窓から眺める会津盆地は、稲の収穫期を迎え黄金色の見事な風景を見せてくれる。電車が山あいにさしかかると蕎麦畑の真っ白な花、可憐なコスモスの群生がまた一段と目を楽しませてくれる。穏やかな日本の秋の原風景……心和む時間であった。

野沢駅から弥平四郎登山口まではタクシーで1時間程で到着。本日は登山口から20分弱歩いて祓川山荘泊。少々古ぼけた2階建ての無人避難小屋は静かなたたずまいのブナ林の中にあった。小屋の中には水道が引かれ自炊道具等もあり快適である。今夜は我々のメンバーだけかと思ったが遅くにカップルが到着した。ビールで入山祝いの乾杯をし、豚シャブの夕食、差し入れのワイン、果実酒で心地よい初日を過ごした。

疣岩山の下りから三国岳
切合小屋を過ぎて飯豊本山

2日目(9/20)晴れ

5時起床。朝食のうどんを食して6時に小屋を出発。本日のコースは松平峠を経て疣岩山まで標高差約1,000mの登り。さらに三国岳~種蒔山を縦走して飯豊本山小屋泊。気持ちの良いブナ林の登山道を、新美さん先頭に3日間の縦走はスタートした。よく食べ、よく寝て天気も上々だ。

3時間余でやっと疣岩山分岐に到着する。私には久々の重くて大きいザックなのでかなり体にこたえてきたが尾根にでるまであと僅か。ほっと一安心。疣岩山頂上に立つと前方に飯豊主稜の山々が大きくどっしりと見えてきた。三国岳頂上に建つ三国小屋で飯豊連峰の最高峰、大日岳を眺めて小休止。三国岳を過ぎると稜線に紅葉した木々が目につくようになる。緑のなかに鮮やかな紅葉の群れが点々と彩り、あまりの景観に思わず歓声を上げる。豊富な水場である切合小屋で、水筒全部に水を補給して本山小屋に向かう。稜線を紅葉に彩られた飯豊山そして本山小屋はずうーと正面に見えるのだが目的地まではまだまだ遠い。

PM240分、やっと本山小屋に到着。やれやれと一安心もつかの間、小屋はすでに満員状態。小屋番のおじさんは平常心を超えてしまってやや興奮気味だ。小屋隣にある飯豊山神社の、石垣に囲まれた風当たりの少ない敷地にツェルトを張らせてもらえないかお願いしたが聞き入れてもらえない。(風も強く気温も急に下がっているので緊急時の対応をお願いしたのだが) 急きょ、吹きさらしのテン場にツェルトを張り身を寄せ合って温かいクリームシチューの夕食を済ませ、寒さ対策をして狭いツェルトにもぐりこんだ。

飯豊山山頂
文平の池付近からの大日岳
御手洗池と烏帽子、梅花皮岳
梅花皮岳と北股岳

3日目(9/21)晴れ

 本日は飯豊山主稜縦走のハイライトのコースである。飯豊山から御西岳さらに大日岳へと続く大きくゆるやかな稜線がテン場の目前に姿を見せている。天気も申し分なし。飯豊山から御西岳への稜線はお花の宝庫らしく、咲き終えたチングルマの群れが綿毛となって風にゆれている。咲き遅れたウサギギク、マツムシソウ、リンドウ、ウメバチソウが目を楽しませてくれる。

御西小屋に荷物を置き、サブザックに水と食糧を詰め大日岳をピストンする。大日岳は飯豊連峰の最高峰であるのだが、主稜線から少し離れているので天候に恵まれないとなかなか足を伸ばせないのだと先輩方から話を聞く。今回、初めての飯豊でここまで来れたことに感謝です。烏帽子岳では先程歩いてきた飯豊、御西、大日の稜線を対面から眺めることとなり、懐の大きいゆったりと構えた素晴らしい山々に惚れ惚れした。

 今宵の宿は梅花皮小屋。2階建の小ぎれいな小屋だ。1階は我々の他に世田谷からのおじさんグループ数人のみ。飯豊の素晴らしい山々を眺め、歩いた充足感。ビールで乾杯、そして熱々のとん汁をいただき今夜は伸び伸びと床についた。

4日目(9/22)雨のち晴れ

 本日はいよいよ下山。朝から雨もようだ。

小屋を出るとすぐ北俣岳の登りで呼吸が整わず少々しんどい。門内岳、地神山の頂上を踏み、地神北峰から丸森尾根を下る。最初から急降下のうえガレ場で閉口する。

中間は岩場の連続、後半は飯豊山荘の赤い屋根を眼下にしての急降下である。朝からお腹の調子を崩してしまった私は辛い下山となった。オーバータイムでやっとPM1時、飯豊山荘に到着。早速4日間の汗と埃を飯豊の温泉で洗い流しさっぱりする。後のビールと食事がなによりの楽しみだったのだが、残念ながらこの時間、食堂は閉まっていた。

 山荘の前庭で三々五々、自販の缶ビールを片手にバスの出発時間までゆっくりと時間を過ごすことになった。ところが時間になってもバスが来ないことに気づき、時刻表を確認したところ、飯豊山荘までの運行は8月中までで、この時期は1つ手前の飯豊梅花皮荘止まりだったことが判明したのでした。そういえば時刻表を確認した「バスストップ」は飯豊山荘敷地の建物内に撤去されていたものでした。
 結果は、当初予定の「小国駅」発の電車に余裕で乗車できたのでした。

(渡辺、記)

初めての飯豊山。なかなかのスケールがあり、歩き応えがありました。
 運行期間の終えているバスを待つというハプニングも、いい笑い話です。今回歩けなかった朳差岳へは「石転び沢を遡るルートで行こう」と、早くも次なる計画ができました。こんなことも山歩きの楽しみ方の一つでしょう。                   (蓬生)

飯豊山山頂で             大日岳を背に御西小屋前
松平峠  大日岳/文平の池付近の尾根


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