男鹿山塊の主峰
大佐飛山雪山山行記

期 日:2010 3月20日〜22日(前夜発)

参加者:L佐藤、SL細谷、桑村、渡辺(元)

コースタイム

3月19日 23:30東京発──(東北自動車道)

3月20日 0:40佐野SAで渡辺さんと合流 那須塩原 「道の駅穂の香で仮眠」

7:00道の駅出発──7:41林道の黒滝山登山口(出発準備)8:12──9:00稜線1125m地点──9:55三石山──11:08サル山──11:34那須見台──12:13山藤山──13:17黒滝山──(ルートハンティング)──15:24西村山【泊】

3月21日 起床8:00 出発9:40──10:52大長山──12:27大佐飛山──13:52大長山──14:48西村山テントサイト帰着【泊】  風雪が強まる

3月22日 起床5:00 風雪強く待機 7:10頃より天候回復 出発8:26──8:50黒滝山──9:50山藤山──10:04那須見台──10:32サル山──11:09三石山──12:28林道登山口帰着  幸の湯入浴 那須塩原IC付近で食事 16:20IC利用──(東北自動車道大渋滞)──21:00過ぎ帰京


那須連峰の南西に位置する世間的には無名の男鹿山塊その主峰が大佐飛山です。2007年2月に同地区の日留賀岳(1848.8m)に登って以来、気になる山でした。会長の蓬生さんも同じで今年の1月にも横川牧場から瓢箪峠ルートで計画されましたが、雪の状態と長い長いアプローチから断念しました。再度雪の落ち着いた3月の連休に挑もうと計画しましたが、五十肩の激痛に悩んでいる蓬生会長は断腸の思いで参加できず、急遽佐藤がリーダー役で黒滝山ルートで決行することになりました。10日ほど前に関東全般に雪が降り、林道は使えず光徳寺前まで車を利用し、そこから長い長い道程を進む予定です

8:02
林道脇にハシゴがかかり黒滝山登山口の小さい看板があります。事前の情報では全く分かりませんでした

3月20日 

予想外の林道ルートを利用できベースキャンプを相当先に設置できました。

深夜 東北自動車道 佐野SAで渡辺さんと待ち合わせをし、那須塩原ICを降り「道の駅 穂の香」で車中で4時間ほどの仮眠をします。仮眠から目覚め道の駅から那須の山々を見渡すと低い山麓の山々に雪は以外にも少なく、とりあえず林道に入れるだけ入ってみようと林道に入りますが雪はほとんどなく上部上部へと車のナビが百村山近くへと進みます。林道が百村山の南を位置するようになると突如道の右側にハシゴがかかり小さく黒滝山登山口と書いた看板ありました。全く情報はなく予定外に助かりました。早速スパッツだけ着用し、雪のない樹林帯の急斜面を百村山へ直登します。

8:57
登山口より急斜面の樹林帯を登りつめ途中より植林の作業道に導かれて三石山への山麓を辿り三石山が望まれる地点より笹の尾根を少し登り標高1180m付近の稜線へと飛び出しました。
途中の右へ右へと続く植林用の作業道に入り込み三石山近くまで歩を進め雪の深くなった稜線へと這い上がりました。雪は適度に固まりワカンも必要なく三石山を通り過ぎサル山に到着します。天候もまずまずで途中那須連山の展望を大いに楽しみました。サル山からは雪面の急登の連続で大いに汗を掻きましたが、林道のお陰で楽をした分、全員に余裕があります。黒滝山山頂にたどり着きました。更に進む奥へ歩を進めますが黒滝山から西村山への下り道は赤布があちこちに散在し、沢状の中の赤布に引きずられるように進みますが突如 赤布がなくなり左の斜面を登ったり右の斜面を登ったり、結局ぐるっと樹林帯の中を一周し、元の場所へ戻り、またまた赤布に誘われて沢状の中へ今度は左の斜面上部へ偵察し漸く現在場所と赤テープを確認し、西村山へと向かいました。もともと要注意場所とマークしていた場所ですが多くの人が迷ってあちこちに赤布をつけ、地形も複雑なことからの原因でしょう。今日は時間に余裕があるせいか道迷いも本日中に終えることができたのは幸いだと皆さん余裕の表情です。

9:57 サル山に向かっての急登を大汗を掻いて登ります。写真では分かりませんが帰路はかなり厳しい下りでした。

10:56
三石山山頂付近での休憩です

(標高1257m)

11:32  那須見台からみる三本槍ヶ岳 那須岳の那須連山を望みます
11:32 那須見台からみる那須連山の西の連山です。  左から三倉山(2007年12月末登れず)大倉山、流石山そしてピラミッド状の旭岳(赤崩山)(2009年3月登頂)

12:11 当初のベースキャンプ予定地のサル山付近を過ぎ、12時過ぎには山藤山に到着しました。 12:42これからも急登に以外に時間を要します。黒滝山は手前の河下山のピークに邪魔をされ見えません。

13:02黒滝山への登りは厳しく大汗を掻きました。上部は雪屁も発達しています。

13:48 黒滝山山頂に到着しました。ここまで到着できれば十分です。
更に進む奥へ歩を進めますが黒滝山から西村山への下り道は赤布があちこちに散在し、沢状の中の赤布に引きずられるように進みますが突如 赤布がなくなり左の斜面を登ったり右の斜面を登ったり、結局ぐるっと樹林帯の中を一周し、元の場所へ戻り、またまた赤布に誘われて沢状の中へ今度は左の斜面上部へ偵察し漸く現在場所と赤テープを確認し、西村山へと向かいました。もともと要注意場所とマークしていた場所ですが多くの人が迷ってあちこちに赤布をつけ、地形も複雑なことからの原因でしょう。今日は時間に余裕があるせいか道迷いも本日中に終えることができたのは幸いだと皆さん余裕の表情です。
15:24 地形図に注意はしていたのですが散在する赤布に惑わされました。
16:08 西村山山頂にベースキャンプを設置しました。



当初計画のサル山にベースキャンプを設置し、そこからの長い長い大佐飛山往復をする予定でしたので途中で今日のように1時間以上も道迷いで時間を費やしては大佐飛山にたどり着けなかったでしょう。

15:24西村山山頂に到着し、早速山頂の看板の横にベースキャンプを設置し、こんな奥までベースキャンプを設置できたことを喜びます。夜は星がでて比較的暖かです。明日の予報が悪いなんて信じられません。明日の予報を気にしつつ寝ます。


3月21日 天候の変化の前に待望の大佐飛山に登頂が出来ました

夜中じゅう風が強く吹き雨がテントを叩きました。雪は少し溶けたようです。朝はガスって風が強く、6:00前の天気予報を確認していると関東南部は低気圧の影響で激しい雨と突風で電車は全面的にストップするなど春の嵐です。とりあえず8:00まで寝坊をしてやや風が収まったところで朝食をとり、9:40出発です。こちらは発達した低気圧が通り過ぎ冬型の強い雪を含んだ季節風が押し寄せる間のつかの間の比較的おだやかな5〜6時間が勝負です。ツボ足でベースキャンプの西村山を下り、登り返して大長山へは1時間10分ほどで到着し、更に長い長い稜線を歩いて大佐飛山には12:30到着 途中大長山を登ったり下ったり再び大佐飛山に登り返し、荷物は軽いといいながら3時間近くかかりました。寒風の吹くガスで展望のきかない山頂の大佐飛山の看板の前で皆で登頂を感謝して帰路に着きます。アップダウンを繰り返しながらも全般には下り道で帰路は2時間強の14:50ごろにはテントに帰着しました。テントサイトに帰着する前ごろから季節風が暴風雪を伴って強く吹き始めぎりぎりの帰着でした。

10:09 風がやや収まり9:40出発すると晴れ間も一瞬除きました。
10:09 長い長い尾根を大佐飛山を目指して進みました。
10:54  樹林帯の中の大長山の山頂です。
11:28 大長山からも長い長い尾根が大佐飛山まで続きます。尾根を間違えないようところどころで地図をチェックします。
12:29 大佐飛山に到着しました。全員で祝福の握手をしました。風が強く寒いので早々に山頂を後にします。
12:29 長い長い道程の末、大佐飛山1908mの山頂に到着し満足感を共有しました
13:18 ベースキャンプへの帰路は冬型の季節風の到来が目前の強い風が吹き始めます。
14:21 ベースキャンプの西村山が遠望できるようになり、ほっとします。帰りは往きより楽にに2時間20分ほどで帰り着きました。
18:53 夕方の激しい季節風で温度がぐんぐんさがり、テント内で2つのコンロを炊いて暖をとりました。
寒がりの私はガスだけはたっぷり用意したのでガスの補給は安心です。

降り積もった新雪で水を作りましたが、鍋底に砂がたまり、濁った水ができてやや気持ち悪い感じです。黄砂が襲来しているとのことでこの山の雪も黄砂に汚れたのです。
夕方からは激しい雪で外に用足しに行くのも雪まみれで寒いこと寒いこと。テントは吹き飛ばされそうで寒くガスを2台つけてもなかなかテント内が暖まりません。今夜はテントの中で寝袋が風で押されながらの就寝でした。

3月22日 暴風雪に下山が心配になりました。
7:22 7時過ぎに急速に天候が回復し、テントを掘り起こし、撤収しました。
7:22 雪がかなり積もりました。固い雪の上に新雪がつもり、滑り易いのでアイゼンを着用して下ることにしました。
今日はいよいよ下山ですが暴風雪が激しくテントを叩いています。雪はかなり深くなり、この状態の下山については考えざるを得ません。どうなるかと皆で心配していましたが6時前の気象予報では栃木県北部の雪も収まり、天候も回復するとの予報と北陸地方も大きな雪雲がないとの予報でやや安心します。予報どおり7時を過ぎると雪も止み青空ものぞいて来ました。雪に埋もれたテントをたたみ8時半ごろ出発します。雪が深いところもありますが、固い雪の上に新雪が積もり滑るほうが危険だとの事からワカンでなくアイゼンを着用して下山します。
9:00 気持ちよく帰路に着きました。
往きに迷った西村山と黒滝山との間は地形も十分把握し今度はなんなく25分ほどで通過しました。黒滝山の先の河下山の難所の急な下りもアイゼンが良くきき快調に下ります。途中サル山の下りも結構な急斜面の下りでしたが、皆こんな急なところを登ったのかしらとの声です。下を向いて大汗を掻いて登っていたので忘れてしまったのでしょう。
11:10 三石山山頂ではしゃぎます。
三石山山頂でこれで大佐飛山の山行もいよいよ最後になるのが名残惜しいと日向ぼっこをし、いよいよ最後の下りに向かいます。途中から右に来た道の作業道に戻り急な枯葉と雪のどろんこの下りを終え、無事出発点のハシゴを下り、林道に停車した車へと戻りました。
12:41 林道の登山口に戻り、登山用品の整理をしています。車のフロントには雪が残っていましたが、やはり黄砂に汚染され、薄汚れていました。
帰路は板室温泉近くの幸ノ湯で一風呂を浴び、那須塩原ICでそばとビールで空腹を満たし、千本松牧場で美味しいソフトクリームの3点セットで大佐飛山登頂のお祝いを終えました。ここで渡辺さんと次の山行に一緒することを約束して分かれます。勿論帰りは3連休と千円高速の影響で恐怖の大渋滞、19時過ぎ帰宅予定が21時過ぎになりました。
まだまだ冬のこの時期に大佐飛山に登れたことはメンバーの体調管理が良かったこと。そして何より林道が通れて標高890m地点まで入れて予定のサル山より大幅に奥の西村山までたどり着けたことが大きく、そして大荒れの予想日の21日に冬型の暴風雪が近づく一瞬に大佐飛山に登り終えるという幸運にも恵まれた結果と思います。雪山登頂成功は良いことが重ならないとなかなか難しいことを改めて実感しました。(佐藤)


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