韓国小白山脈 俗離山系2峰に登る

目 的品川山の会さんかくてん 会創立25周年記念山行
山 域大韓民国・俗離山(ソンニサン)国立公園
山 名文蔵(ムンジャン)() (1015m) と 神仙臺(シンソンデ)(標高約1000m) の頂上往復

参加者13名
石川(リーダー)、高橋、山田、川原林、末石、末石家族(、蓬生、林、松平、以上品川さんかくてん、家族)、 
利根川(大田わたすげの会),岸田大田山遊会)吉田(大田HC)、佐藤(目黒HC)
費 用参加費85000円+昼食2千円
地形図1/25000:韓国名山地図
記 録
10/31の記録)高橋11/1の記録)林
日 程10月30日〜11月2日




2010年10月30日(土曜日)
10/30(土)  午前7時30分成田空港第1ターミ ナルビル4階Eカウンター集合成田9:00発(OZ 107)インチョン空港11:35着専用バスでソンニ山麓へS.A.で昼食16:00アラムホテルにチェックイン街散策(夕食)20:40アラムホテル(泊)
《記録》東京〜韓国ソウルは時差無し。13人が空港で自己紹介を済ませ専用バスでソンニ山麓へ向かい、サービスエリアで昼食を摂る。早速石焼ピビンバプを注文する。お焦げの 飯と5-6種類の具にコチジャンをかき混ぜて韓国の味の洗礼を浴びた。ウーン辛い!

ソンニ山麓の道路両側には多くの食堂と土産物店が軒を並べている。夕食はマツタケ鍋・キノコ鍋・チヂミ・プルゴギなどに、酒はマッコルリに、キムチがどっさり。マッシソヨ (美味しい)!

ホテルの暖房はオンドルで快適だがトイレや風呂が古くて今いち不便だ。私の泊まった部屋は風呂場のタイルの目地に黒カビが付いていて掃除の行き届いていなのが気持ち悪い。でも田舎のホテルだから我慢!我慢! 日本の田舎だって同じようなもだろう。

10/30 17:19 1日目 韓国のどぶろくマッコリの試飲で1リットル購入なつめが浮いている 17:52 お客さん美味しいよと麓の街でで柿を売る店
19:00 1日目の夕食 キノコ鍋 松茸も入って和風味で好評

2010年10月31日(日曜日)
10/31(日) アラムホテル9:00(徒歩)登山口文蔵(ムンジャン)() (1015m)往復下山後(ポプ)住寺(ヂュサ)住寺(チュサ)見学ホテルに戻り街の食堂で夕食21:00アラムホテル(泊) 

10/31(日)  文蔵臺 ムンジャンデ1015m
アラムホテル(標高650m8:00 (徒歩)登山口8:30 9:20タルゴアム分岐9:309:45文蔵臺・神仙臺分岐 10:25休憩10:3511:17休憩所11:2712:05稜線・文蔵(ムンジャン)()広場12:1512:35文蔵展望台(1015m) 12:50鉄階段下(記念撮影)13:00文蔵(ムンジャン)()広場13:20下山開始14:18休憩14:2514:45山寺15:00文蔵臺・神仙臺分岐(トイレ休憩)15:1515:45法住寺見学16:117:00ホテル16:00街の食堂で夕食

《記録》

下りは渋滞。前に進まなくなる。そこに次々と後ろから人が割り込んでくる。ゆっくり周囲の木々に目を遣り色彩を楽しむ。下りは細部にも目が行くゆとりが出る。ムラサキシキブの実が数粒残っている。14時20分休憩。アレッ雨かなという程度の雨。でも空には陽が射す。コシアブラのように紅葉しないで葉緑素が抜けていくだけの木もけっこう見かける。赤松とモミジの林を抜け、亀を土台にした鳥居を左に分け、15時文蔵臺・神仙臺分岐にそして15時45分に法住寺分岐点に到る。

6世紀前後に創建された古刹法住寺の大伽藍を天王門から本殿に進み見学する。三方を山に囲まれた境内は紅葉の最盛期で、山容は赤や黄や緑のグラデーションを奏でて美しい。登ってきた山々が遠く夕陽に染まる。韓国唯一の木造五重塔(捌相殿)が山ふところに抱かれ建つ姿がひろやかで美しい。33mの巨大な弥勒立像が金色に輝やく姿は紅葉の山にそぐわない。曹渓宗の寺社だが信者は崇め奉るのだろう。何処の国でも神や仏や塔などを金ぴかにしたがる。登山口手前の法住寺近くのトイレには参拝客向けかウオッシュレット設備がある。

16時40分登山口を出て、ホテルに戻る。シャワーを浴びて18時から夕食に繰り出す。皆明日の行動食を確保する。私は明日の昼食と行動食にパン1個・あんころ餅・ソーセージ1・蜜柑5・林檎1・桃2を購入する

10:31 7:58 2日目 ホテル前で山へ出発前
8:52 麓のお寺の山門の前で

初日は文蔵臺を目指す。ソンニ山系の険しい岩場稜線は縦走困難なのでピークを往復することになる。

曇り空の下8時ホテルを出る。入山料1人3000ウオン(約250円)。65歳以上は無料。山門をくぐりほぼ直線の参道を行く。大岩がゴロゴロしている渓谷を右に見て歩く。紅葉がきれい。トトロに見える大石があり前に廻ると首を突き出した亀さんだ。昼食用に韓国風海苔巻(キムパプ)を買おうとしたが沿道売店に売っていないので上水道水源池の先の茶店でカルメラ焼風のポン菓子と茹卵を買う。9時半タルゴアム分岐でトイレ休憩。じゃんけんで記録係を決めて勝った私と林さんが大当たり。空が晴れてくる。沢音を聞きながら歩く。9時45分文蔵臺・神仙臺分岐を左へ行く。右は明日行く道だ。石川さんがリーダートップにして、蓬生さんをしんがりにして歩く事を決める。13人も歩くからいろいろある。私は3番手で歩く。三度登ると極楽にいけるという伝説の山で人気が高いそうだ。

10時5分アスファルト道路が終わり山道に入る。ここで自分はキュウリを買う。沢音が左になる。10時25分休憩。クヌギの紅葉はあまり進んでいない。ゆったり進む。リスが走り抜ける。11時20分休憩所横の登山道から左下におりて休憩する。それぞれがさきほど買った食べ物がちょっとずつ廻ってくるのが楽しみ。その間も次々と登山者が引きも切らずに登ってくる。樹木に名札が付いているのだが読めないので訊く。訊いても分らないから「カコナム」は樹肌からシデ類かと類推する。林さんが「クムルナム」はムルナムが水だからミズナラだろうと言う。ウリハダカエデみたいな葉だけど樹肌が違うのよねと言う人もいる。3人寄っても「文殊の知恵」とはいかない。ハングルを読めるのは石川さんと林さんの2人だけ。ハングルは母音10音、子音が19音、複合母音が11音で読むだけなら難しくは無いといわれるが発音が難しいと思う。ずっと石の階段が続く。そこを韓国人がわらわらと追い越していく。日本より登山人口が多いといわれる韓国にあって若者が多いのだが、たまにチャンスがあるとアンニョンハセヨ(こんにちは)と挨拶するがなかなか日本語は返って来ない。

12:28 ソンニ山頂まで長蛇の列
12:31 
12:41 ムンジャンデの頂上−ウヒャ〜この人の多さ
12:53 ようやく頂上だ
12:55 周辺は荒々しい岩山
13:06 ムンジャンデ山頂下広場で
13:28 この混雑ぶり

12時5分紅葉が少なくなった頃稜線に出てそこが文蔵広場だ。人で溢れんばかりの広場で一息入れてから頂上展望台を目指す。巨岩を積み上げたかのような花崗岩の狭い頂上には、急な鉄階段が掛けてあり、その展望台を目指し沢山の人が行列を作っている。我々も20分待って到達する。巨大な奇岩の山並みが目に飛び込んでくる。12時50分に鉄階段下に降り「文蔵臺」とハングルで篆刻した石柱前で記念撮影。広場まで降り20分休み食事をとる。植生を養生している区域にもビッシリ登山者が入り込み宴会状態で呆れる。これでは植生の回復は覚束ない。韓国人登山愛好者は山でのエコも環境も何も考えていないのかしら。

13時20分下山開始。頂上の北西から直ぐ沢沿いの谷に入り法住寺に直接下る一般道もあるが、我々は往路を下る。日本なら尾根筋を辿って頂上に至るのだが、ソンニ山系の地形図を観る限り谷筋に登山道がつけられ、枝尾根筋には道が付けられていないようだ。尾根に出ると大きな奇岩にぶつかり前進を阻まれるのかもしれない。

15:38 下山風景
16:01 法住寺の大仏
16:30 名刹・法性寺
16:56 
18:29 2日目夕食のネギのチヂミと多種類のキムチ
18:45  ネギいっぱいの美味しいチジミ
18:45  10/31の夕食

2010年11月01日(月曜日)
11/1(月)晴  神仙臺シンソンデ 約1000m
ホテル6:00→(徒歩)→登山口→神仙臺(シンソンデ)(標高約1000m)往復14:30→下山後専用バスでソウル市ミョンドンへ→17:00ホテルプリンス→買物と焼肉料理(夕食)→10:00ホテルプリンス(泊)

《行程》 アラムホテル6:00出発→登山口6:30→分岐7:15(神仙臺まで2.7q地点)→朝食休憩8:30→山上の庵9:40→神仙臺をのぞむ岩の斜面で昼食11:00→下山→茶屋で休憩11:40→分岐12:40→登山口1:30→ホテル着2:00→バスでソウル明洞のホテルプリンスへ

11/1 7:26 早朝の登山道を行く
7:45 紅葉がきれい
8:02  月曜日の登山は人出も少なくゆっくりゆったり
《記録》午前6時、ヘッドランプを点けてホテルを出発する。登山事務所は真っ暗だったが、我々が近づくと奥から人がでてきてしっかり入山料を取られた。登山口をすぎてしばらく歩くとようやっとあたりが明るくなってきた。この日東京の日の出は6:02分だから40分くらいの時間差があるようだ。左に沼が見えてきた。朝靄が沼の淵から立ち上っている。日曜日の昨日とはうって変わっての静寂を楽しむ。分岐の近くまで来たところで後ろから女性たちのグループが迫ってきた。5人くらいだがにぎやか。分岐を過ぎて谷沿いの径を歩く。
9:50 ビル群のように見える岩の突起
渓谷が深くなったところに渓をはさんでピロ山荘があった。奥にあるピロ峰のピロらしいのだが、ピロの意味が帰宅してしらべてもわからない。秘路だろうか?俗離山には8峰8臺があると聞くがその中にない。やがて渓がきれて休憩所に到着。月曜日早朝のためか売店は閉まっている。朝食休憩。
9:58 「ここはお坊さんの修行の場」なので出入り禁止のかんばん
ここから道は険しい石段の連続となる。石段がおわって大岩に挟まれた人ひとり通るのがやっとの隙間をくぐり登っていくと石窟があり奥から清水がながれている。ちいさな仏像が置いてある。さらに登ると見晴らしのいい中腹を切り開いて建てられた庵に到着。私たちが無遠慮に覗いているとお坊さんが出て来て中を見せてくれた。小さいけれど金ピカの仏像が鎮座ましましていた。合掌。さきほど潜った岩の割れ目のところに立て札があり、そこに「登山客、観光客、それにムーダン(巫女)は修行のさまたげになるので入らないで下さい」と書いてあった。立て札は一応写真にとり、帰宅してから判読して冷や汗三斗!お坊さんはにこやかに私たちと集合写真に収まってくださったのだったのだが……。
10:55 記念幕で集合写真 3カ所のうち1カ所
10:57
11:09 キョンオブデの展望台
11:12 シンソンデの岩峰
11:13  シンソンデ近くの岩峰
庵を辞して神仙臺をめざすが、時間的に余裕がなくなってきたので、2斑に分かれて1斑は先行して頂上を目指し、2斑はゆっくりと行けるところまで行くことにする。しかし肝心の神仙臺が特定できないまま2斑とも下山することになった。展望のいい岩の上で昼食。昨日買ったチヂミ(パジャン)は冷えても美味しかった。休憩所まで下りてくると登山客・観光客がどんどん登ってくる。軽装が多いのはタンプンーノリ(紅葉狩り)なのだろう。予定どおり2時帰着。2日目の紅葉と静かな山で俗離山はいい印象で終ることができたのが嬉しい。(林記)
12:16 日が差して紅葉が映える
12:47 渓谷の紅葉が美しい

13:38 再度の寺巡り 仏像とミニ仏像 13:41 天井に下がる提灯

13:46 屋根裏の見事な装飾
13:47 絵画と内部の装飾
19:40 やっと肉にありついた 焼き肉食べ放題

2010年11月02日(火曜日)
11/2(火)晴  帰国の途へ
ホテルプリンス9:00ソウル市内観光ホテルプリンス14:30専用車でインチョン空港18:50発(OZ 108)成田21:00着

午前中ソウル市内観光。地下鉄切符を買う時、2年前よりIC化が進み、日本語表記画面(2年前に皆無だった日本語の案内表記がある事が驚き)を選び路線図を選び下車駅を選択するとスイカタイプのカードが出てきた。カードのデポジット料金500ウオンも一緒に払わなければならない。使用後500ウオンを機械で払い戻せるのだが戸惑った。

西大門刑務所歴史館に入る。日本帝国主義の侵略蛮行をこれでもかと模型を使って展示してある。この国の首都にはこの手の展示館や博物館・義士像・記念公園などが多くある。こういう国に日本人観光客が押し寄せている。私の手は汚れていないが日本の歴史と自分自身の歴史観をきちんと認識して韓国に来るべきなのだろう。日本以外の侵略国家の実態が見えないのは不公平だとつい愚痴りたくなる。今回行けなかったが戦勝記念館には韓国が外国といかにして戦って勝利したかという朝鮮半島の歴史を展示してあるようだ。

大きなトラブルもなく皆楽しんだ韓国山行で、韓国よ、さらば!アンニョンイゲセヨ!

11/2 11:05 ソウルで西大門刑務所博物館の見学
11/2 9:55 4日目 ソウル市内の広大な刑務所歴史館 日本の残虐な行為が展示されている 11:04 パリの凱旋門とそっくりなソウルの独立門
12:10 昼休みの食堂に13人で割り込み固定客が困惑?サンマのキムチ鍋定食を食す 17:33 ソウル空港にて民族衣装の荘厳なパレードに釘付け

17:26 「楽しかった」空港で日本語ガイドのユンさんとパッチリ

□ 感 想 

石川: 「さんかくてん」の初代会長です。韓国の山は混んでるよと言われ予想していたがその人数にはびっくり。混雑は凄かった。頂上の景色は良かったですね。若いのが多いのは前と同じ。今回中高年が多い。

高橋紅葉狩にドッと人が押し寄せたので登山マナーなんか何処吹く風というのも多少頷ける気がする。それにしても文蔵臺は紅葉も山も良かったが、凄い混雑だった!翌日の神仙臺の登山は早発ち平日のためもあって良い山に登れたと思う。2008年3月の第1回目に参加したのは冬枯れの登山だったから本当に山を愛する人たちが登っていたのかもしれない。その時は北漢山に指導員もいて良い印象だったし、登山者との日本語での会話も多々あったし、岩場で手を差し伸べてくれ親切にされた。あれから3年近く経って、対日感情の変化があるのだろうか。

山田: 山登りというより階段登りみたい。登山者が多く、山に入る人があんなに多いのは羨ましいが、日本の山もそうだと困る。

川原林 2010年3月に入会した。外国にはよく行くが、今回は外国の山は初めてで印象に残る山になった。登山する人が多いのと若者が頑張っているのが凄い。日本も元気だと良い。他国の異文化を知った事が楽しかった。非常に混んで、追い越す人が多い。

末石: 紅葉もきれい。韓国の若さとパワーを感じた。残念だったのは入山料を取ったのに山の茶店のトイレが汚く臭く汚物落下放出式で、環境を考えてもっとトイレなどにお金を使って欲しい。ドアの鍵もかからない。箸だけでなく山にもエコとか環境というのを考えてほしい。寺も見学でき、観光も良かった。

末石家族: 海外で山は初めてで、良い経験で感謝!頂上の日本と違う景色を見れて良かったな。韓国の登山人口が多いのは良いが、そんなに急いで登ってどうするのと思う。山で宴会をするの?と思う。

蓬生: 初日お昼ごはんを持っていなかったのが不安だった。前回登ったソウルの山のイメージより今回印象が悪くなった。登山者の乱暴な流れも含め残念。腰も痛い。

山までのアプローチが長くて登り始めからきつかったが、頂上の景色はすごく良かった。寺の境内の続きの山なんだと思う。登山する人の人の流れはひどかったのでゆっくり楽しむという気持ちがあると良い。日本人に対する無関心はちょっと寂しかった。最後に夕陽の綺麗な紅葉を見られて良かった。

松平地区連盟での顔見知りが数名いて良かったなと思った。前回の韓国山行の印象が良かった所為か今回観光的な山で驚いています。

利根川(大田わたすげの会): 楽しみにしていたが登山文化の違いを知って、追い抜き・追い越し・割り込みなど韓国人の山のマナーが成っていないのにはガッカリ。初めて来て、食べ物や言葉に接したことによりハングル語を勉強しようかなと思う。

岸田大田山遊会参加者にみなみ地区連盟で知った顔もあって嬉しい。韓国の山も人も風土も楽しみだった。韓国人が、登るときはワラワラと登り、下山すると私達と同じゆったりしていてその落差が面白い。岩山を美しいと思い、スケッチしたいな。

吉田三枝大田HC)前回来たときのインパクトが大きいので今回は山頂直下の登り20-30分の息苦しさが印象に残った。慣れ親しい仲間が居ないのが淋しい。25年かけて百名山は一歩手前の96山。丹沢・トムラウシ・黒部五郎・朝日が残っている。

佐藤(目黒HC): 初めての海外旅行で雰囲気は楽しかった。登った二つの山については、賑やかさは高尾山、岩は昇仙峡、歩き方は筑波山で、それらを併せた山だなと感じた。岩肌の独特なのは日本には無い感じ。山登りのマナー的な面は割り込みなど首を傾げる。夜の美味しい料理と楽しさは最高です。

大田山友会の岸田さんのスケッチです




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