石坂の森で野鳥と親しむ

日時 128日(土)

参加者:L.林 SL.末石(た)井本 小関 末石(五)高橋 蔦 堤 橋本 深沢 福井 宮林 和久井(君)渡辺(綺)渡辺(綾)荒木(ゲスト)(16名)

協力 里山環境プロジェクト・はとやま:鈴木さん 富田(女性)さん 小倉さん 川内(女性)さん 山際さん(5名)

 

東武東上線高坂駅 900着 バスで現地「石坂の森」へ 野鳥観察9301300

昼食後 活動広場で「里山について」のレクチャーと意見交換 1430 現地解散


 

 参加者のひとりが「こんなに大人数で驚いた」ともらしていたが、私も驚いた。初体験のリーダーとしては最後まで事故なく終われるだろうかと心配になる。天気は上々、ここ数日の寒さもこの日は暖かだった。高坂駅に到着間近、鈴木さんに「時間通り到着予定」とメールを入れるとすぐ「待っています」の返信。バスを降りると駐車場に車が数台。この日ガイドをして下さる「里山環境プロジェクト・はとやま」の皆さんと「石坂の森」が待っていた。簡単に挨拶のあと、この日の資料が配られる。

@    石坂の森の概要とプロジェクト・はとやまの活動紹介

A    石坂の森で見られる鳥(カラー写真つき)

B    探鳥記録用紙(これに各自が自分のみた鳥を記入する)。

「石坂の森」は広さ約40ha.の鳩山町町有林で東京ドーム8.5個分の広さ、鳥類85種のほか多様な動物や植物約428種にめぐまれた森と周辺にある里山で構成されている。

出発の前に、「はとやま」の富田さんから双眼鏡のピントの合わせ方を教えてもらう。大人数なので2班に分かれて別々のコースをとり最後に活動広場で合流することになった。

私はB班で鈴木さんと小倉さんが先導。森の入口から真ん中の道をとり落葉樹林の間を抜けてゆっくりと登っていく。

 普段の山行ではまずこんなゆっくりとした足取りでは歩かない。その分周囲の木々のたたずまいや植生に目をとめ、そして何よりも目的の鳥を探す。鳥を見つけるコツは、まず「あたりを広く見る・耳をすまして鳴き声がしたらすばやくその方向に目を向けること」だそうだ。そうは言っても簡単に出来るものではない。ガイドのお二人があげる鳥の名と指先を追いかけるばかりである。小倉さんが5メートルほど離れた枯れ松の幹にコゲラの巣穴を見つけた。ほんの5pほどの穴!この山道でみた鳥たちはアオジ・エナガ・シジュウカラ・メジロ・ルリビタキ・ヤマガラ・キクイタダキ・ヒヨドリなど。ところどころ倒木が斜面にあるがちゃんと切られて安全に処理されている。これも「はとやま」の皆さんの手によるものだ。

このあたりはコナラ、クヌギなどが主な林だが上にゆくに従ってヒサカキが目立つようになってきた。照葉樹のヒサカキを放っておくと葉が厚く光を遮り、かつ常緑のため年間を通して日光を遮ってしまう。やがて林の様相が変わっていく。これを極相林というそうだ。それを防ぐのも里山保護の活動に含まれる。聞けば聞くほど驚くことばかりである。

笹藪を払い、倒木を処理し、わるさをする照葉樹を除く。

このような汗の結晶が目の前に拡がる美しい林の風景であり鳥たちに好かれる環境なのだ。下草を刈ったことで、野生のランなどが生えてきたとも聞いた。

登りつめて見晴らしのいい丘に出た。ここを下ってぐるっと左回りに谷津田の上に出る。谷津田とは山間の谷で上にため池がありその水が下流に湿地をつくるところ。今では農地としての使い勝手が悪いので放置されている。里山を構成する谷津田だが、かつて農家が手間暇かけて手入れしていたものを、今は環境保護という新しい考えで取り組んでいる人たちがいる。夏はゲンジボタルの名所でもあるとか。入口のところでウグイスとミヤマホオジロをみた。谷津田を降りて田んぼに出たところでA班と出会う。また山道に入り松林を抜けていく。ここの松はテーダマツといって北米からの輸入種、松ぼっくりも大きい。日本ではなかなか見られない松のようだ。実り多いバードウォッチングを終えて、昼食。この日寒いだろうと予想して用意した甘酒が好評だった。

食後、Bの記録用紙に基づいてそれぞれが見た鳥を報告しあう。この日見た鳥は全部で32種類。凄い!続いて「環境・プロジェクトはとやま」代表の鈴木さんから、里山についてのレクチャーをしていただく。また、鳩山町が受け入れている福島原発避難者との交流・支援活動のお話しもあった。最後に全員の集合写真、その一瞬強い風が吹いて花吹雪ならぬ落葉吹雪が森を私たちの上を覆った。

以下、参加者の感想を紹介するが、今回を新しいかたちの山行だと捉える人が何人もいた。また季節を変えて継続的に石坂の森を訪れようという意見も多かった。(林記)

 

参加者の感想(到着順):

◇とてもいい企画でしたね。昨日のパンフや資料を読み返したところです。フォーラムの内容で東日本大震災体験談には涙が止まりませんでした。津波も大きかったですがそれ以上に恐ろしい原発にはノォーと言いたいです。里山の姿を都心からこんなにも近くで目にすることが出来たこと、そして自然を取り戻し維持して行こうと活動を続けていらっしゃる方たちの努力に頭が下がる思いです。見習うことばかりでした。今回の石坂の森ウォークを機会に、森の中をただ漠然と「自然を感じる」だけではない以前の私ではなくなることに自分自身期待しています。もっともっと自然に目を向けたいと思いました。想像を超える年月で造り出されたものを簡単に壊される現実があること忘れないようにしたいと思います。山の会さんかくてんも多様化していくのかな?(和久井)

◇新しい山行スタイルで此れからも時々継続したら如何でしょうか?色々な方向に展開して行くのではないでしょうか?(宮林)

◇地域の里山を守る人たちの熱意がつたわってきました。すばらしい森が身近にあることにうらやましくも感じました。あんな楽しいところがあるのに、子供はどこで遊んでいるのでしょうか?家でピコピコやっているのかしら……農家の減少で里山の環境が保てなくなった今、日本人のふる里をみんなで保全しましょう。「うさぎ追いしかの山〜〜〜♪」

石坂の森にもうさぎさんがいるとのことです。(橋本)

◇初めてのバードウォッチングでとても楽しかったです。これからウォーキングの際鳥に目を向ける楽しみが増えました。(深沢)

◇双眼鏡の調整法を初めて知りました。まず左目を両レンズのセンターにある調整ネジでピントをあわせる。次に右目を右レンズについている調整ネジでピントを合わせる。そうして両目でのぞいて画面が丸くひとつになったら完了。(末石・た)

◇石坂の森を守っていこうという地元の有志の方々の熱意が伝わってきました。「鳥あわせ」の32種類の鳥のうち個人的には10種類くらいしか認識できませんでした。探鳥ハイクはこれで3度目ですが雑木林の中で鳥を探し出すのは鳥が飛ばないと難しいし、鳴き声や姿から鳥名を言い当てるのも難しいですね。好天に恵まれ標高140mの展望台から秩父の山並みも望め嬉しかった。来年行ったらまた松ぼっくり(電車に忘れたのは手元に戻ってきませんでした)を拾おうかしら。林さんの用意された甘酒も美味しかったし、多くの会員が参加して楽しい山行でした。(高橋)

◇野鳥に関心を持つきっかけになりました。里山の青空をゆうゆうと舞うトビ、初心者の私には双眼鏡でとらえきれないけれど静かに耳をかたむけると聞こえてくる小鳥たちのさえずり、はじめての体験でとってもわくわくした1日でした。里山を守る活動を続けられている方々の説明を聞いて里山の重要性を実感しました。(渡辺・綺)

◇身近な自然を大切にしている方々に出会い感動しました。念願のノスリの勇壮な飛翔をタップリ見られて大感激!!(堤)

◇おかげさまで、野鳥について少し学ぶことができました。鳴き声を勉強して山行に役立てるようになるといいなと思いました。そして奥が深く、自然に対してもっと謙虚にならないとたくさんの野鳥に会えないとも思い、チャンスがあればまた出席したいと思います。(渡辺・綾)

◇石坂の森、とても素晴らしい森でした。野鳥の観察も初めての経験で双眼鏡で鳥を捉える事が出来ず、難しいものだと実感しました。今日、見た森も鳥もこれを守っている人達の事を知り、直に話も聞く事が出来て有意義な1日でした。自分に出来ることは何だろう…考えなくてはと思いました。(福井)

 

里山環境プロジェクト・はとやま:鈴木さんから

林 様 原稿拝見、ありがとうございました。見事にまとめていただきました。感想を拝見して楽しくなりました。こういう反応はなかなか出てきませんのでとてもありがたいことです。それとなんと言っても、今後の交流が予感できたことがうれしいです。これまで、町が都会と交流しながら森を活用していくと言っていましたが、なかなか実現できませんでした。こんな形で第一歩を踏み出せたことは私達にとっても町にとっても大変大きな出来事です。大きな目標は、「後世に伝える“人と自然が共生・水と緑の里山”」です。これを行政に先駆けて実践していくということです。「さんかくてん」との交流は早速町にも報告しておきます。鈴木

 














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 会報 2012年12月号は「石坂の森」のパンフレットを利用しました。撮影 小倉憲貴さんです。









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