雪山山行  北ア  白馬岳

  日:53日〜55(前夜発)

参加者:L新美、蓬生、田口、上野、横山、堤、松平、福井、佐藤(9名参加)

52日(木)】

 2340分新宿駅9番線ホームに今回の山行メンバー9名が揃う。2354分発ムーンライト信州は全車指定席で本日は全て満席との事であった。一ヶ月前に松平さんが購入して頂き感謝である。皆さん、座席の上や床で上手に仮眠を取りながら一路白馬駅へ。(仮眠の取り方が山屋だべー)  (横山)

53日(金)
             天候:晴れ】

 

白馬駅540着〜白馬駅656発〜南小谷駅715着〜南小谷駅 栂池スキー場〜栂池スキー場ゴンドラ〜栂池ロープウェイ着8:57   出発準備918発〜栂池山荘前でストレッチ〜栂池自然園〜2280m付近12:02(幕営)

 

5時過ぎ、車窓から北アルプスの稜線は雲に覆われ風が強そうである。540分定刻に白馬駅到着。松本駅や穂高駅で大方の登山客が降りたのか白馬駅ではそれほど多くの登山者は下車しなかった。

白馬駅からバスで栂池高原入口へそこからゴンドラとロープウェイに乗り継ぎ、漸くスタート地点です

 

 

 大雪渓の遭難事故が影響しているのか。?この日の大雪渓は登山禁止になっていたらしい。

白馬駅から大糸線ローカルに乗換え南小谷駅下車。バスの待ち時間を利用し駅前の雑貨屋でBeerを購入、735分発の栂池高原行き路線バスに乗り込む。

ゴンドラ〜ロープウエィ(チケット売り場では登山届を提出しなければ購入できない)と乗継ぎ標高1,800mの栂森へ。身支度し9時10分過ぎに歩き出す。横山はシールレスのスキーを履き気持ちよく歩き出す。

GWの初日、風が冷たいが稜線以外は晴れ間が広がり春山日和である。自然園を横切り尾根状を快適に登行する。12時頃、2,300m付近の比較的平らな場所に到着。テント設営後、本来であれば雪でテーブルを作り春の日差しの下で入山祝いとなるが冬型の気圧配置のため風が冷たく寒くなってきたのでテントの中で入山祝いである。

栂池自然園の中を小蓮華山直下の2300m付近のテント予定地に向かって雪原を歩きます

テントサイトからは小蓮華山、白馬岳・杓子岳と遠く唐松岳や鹿島槍ヶ岳を望めたが直ぐに雲に覆われた。稜線は非常に風が強そうである。16時の気象通報も地平の天候はある程度読み取れるが山岳では現地での状況判断(観天望気等)となる。夕食後、夜行入山で疲れたのか早々にシュラフに潜り込むが19時過ぎ頃から風が出始め、結局翌朝まで風の音に悩ませられながら熟睡できずウトウトであつた。(横山)

 

長い時間の乗車で、みなさん疲れ気味の様子。ようやく栂池ロープウェイに到着(920)しました。そこで出発前にあった事故の影響か、山岳ガイドの登山の注意と、行方不明者家族からの発見情報の依頼などをうけました。これから登る私たちにも、とうてい他人事には思えませんでした。私自身も、3000m級の雪山など初めてで、そのうえテレビの事故情報などもあり、家族、仕事場の方たちからも大丈夫なの?と心配されていました。私も本音は、多少不安で、びびっていました。会の仲間たちは、どうなのだろうと思いましたが、いずれもベテラン揃いで、コースが分かっているためか、平然と重たいリュックを担いで、いつもの山行と変わりない様子でした。

栂池ヒュッテ前で、上野指導の簡単なストレッチで済まし、940歩行開始。明日の山行に備えてできるだけ登り、1200頃に雪崩のこない平坦なところ(2280m付近)で幕営した。天気は良く、北アルプスの山々と、見渡す限りの雪原で、自然の偉大さに魅了された一日でした。 (上野)

 

54日(土)天候:2,300地点で稜線以外は快晴】

起床5:30  待機9:10出発〜10:27船越ノ頭手前の稜線〜11:27テント帰着

 

4時頃目が覚め外を見ると晴れ模様。白馬岳の山並みが姿を見せているが、ただ風は相変わらず強く稜線を雲が流れている。シュラフの横に置いていたペットボトルもシャーベット状になっていた。新美リーダーと相談の結果本日の白馬本峰のアタックを中止し停滞とする。朝食は7時と決め再度シュラフに潜り込む。

 

54日 朝からの強風でリーダーより停滞の指示がでました。風がやや収まり身体がなまってはいけないと船越ノ頭まで登ることにしました。

 

 朝食後、9時に船越ノ頭までウオーミングアップ。テントサイトから標高差約300m中々の急斜面でジグザグに登行する。小蓮華山や白馬岳方面は雲の中で多少風があるものの快適に船越ノ頭船越ノ頭まで登る。

白馬大池や頸城の山々の展望を楽しみ、昼前にはテントサイトに帰着。横山は船越ノ頭から快適にスキーで下降。この時期、小蓮華山や船越ノ頭からスキーやボードで金山沢へ滑り降りるバックカントリーが流行っており沢山の登山客が入山していた。

 

 

5/4  船越ノ頭から白馬大池を見ますが、そこは巨大な雪の窪地でテントが豆粒のように散見され、白馬大池山荘は雪の下に隠れて見えません

午後からは寒気の影響で雲が増え、雪がちらつく天気となり16時の気象通報を確認すると、天候は西高東低の気圧配置、北海道東方に低気圧が居座り北アルプス周辺は弱い気圧の谷が通過している事が予想された。辺りは一面ガスの中で昨日テントが吹きっさらしとなり風に悩まされたのでブロックを積み上げ風対策を行う。夕食は今旬の高価なフリードライ、チキンカレーは非常に美味しかった。明日のアタック後、もしかしてもうここで一泊。?アルコールの残量も気になる。?(空き缶等を認するとロングカン20本以上持ち上げていてあと数本「’jjj’」ジェジェジェ!)内燃機を燃やすのも早々に終了しシュラフ潜り込む。外は冬山並みの環境であった。(横山)

 

 

55日(日)天候:白馬岳山頂は大快晴・無風状態】

4:00起床  5:44出発〜7:00船越ノ頭〜7:58小蓮華山〜8:52三国境〜9:49白馬岳山頂10:1010:40三国境〜11:40小蓮華山〜11:54船越ノ頭手前の鞍部よりテントサイト迄ショートカット〜12:33テントサイト帰着(撤収)出発13:3014:07栂池ヒュッテ前  15:00発ロープウエイ利用

 4時起床。雲一つ無い!頸城山群の辺りからの夜明け。東の空には三日月。素晴らしい自然の息吹、モルゲンロートバンザイ!。本日の白馬岳アタックにわくわくする。

食後、610分過ぎに出発。船越ノ頭650分到着とハイピッチ。(昨日約1時間10分:休憩含む)小蓮華山から白馬岳まで多少のアップダウンを繰り返し、950分予定を大幅に短縮し白馬岳の山頂に立つ。

5/5 昨日の強風も収まり、そらは雲一つな晴天で白馬三山がテントサイトの先に輝いてきました。

 

大快晴・無風、槍・剱と360度の大展望を満喫し1010分下山開始。下山途中の小蓮華山手前では冬毛から夏毛に変わるライチョウと出合う。(撮影タイム)12時頃、小蓮華山と船越ノ頭の鞍部に到着。船越ノ頭までは多少のピークを超えて朝と同じ下山コースとなるが、そこは春山!どこでもルート。テントサイトまでショートカット、

小蓮華山の稜線から徐々に白馬岳の山稜が近づいてきました。

コルから多少トラバースし小蓮華山の大斜面を直に下降する。雪質はフィルムクラスト多少ザラメ雪、非常に歩き易い。横山はコル手前からスキー滑降。大斜面に豪快なシュプールを描いていた。(フィルムクラストは自分が滑るとパリパリ剥がれたのが後から追いかけてくる感覚が面白い)

白馬岳登頂の帰路 小蓮華山の稜線からスキーでテントサイトへ滑り降りる横山さん

 

1230分頃テントサイト帰着、数本のBeerで登頂祝い。出発前はここでもう一泊等と議論していたが一気に帰京する事に小一時間で撤収し1530分のロープウエィの最終を目指す。

白馬岳に登頂し、テントに帰着し、ビールで祝杯をあげるメンバーです。

 テントサイトから栂森ロープウエィ駅まで標高差約500mを1時間程度で下山。栂池高原の「栂の湯」で汗を流し、白馬駅から松本駅までローカル列車を乗り継ぎ新宿行き「あずさ号」の最終に乗り込み春山を満喫した満ち足りた気持ちで帰京する。(横山)

 

 




GPSルート図










5月3日


836  今時珍しい夜行列車にゆられ、早朝5:40に白馬駅に到着、バスに揺られロープウェイ
を2回乗って漸くスタート地点に着きました。


912  ロープウェイ終点駅の室内でスパッツを付け、出発準備をしました。

932  栂池山荘の前で上野さん指導の入念なストレッチを行います。

948  今日は広大な栂池自然園のを通り、急な雪面を登り、小蓮華山の直下の2300m地点の
テント予定地を目指します。


10:50 出発した栂池自然園を振り返ります。傾斜は徐々に増し、雪面に太陽が反射し、
夏のような暑さです。


1155  いくつかのテント適地がありましたが、標高2280mの灌木が終わりになるこの地点
にテントを設営することにしました。


1238 テントを設営し、横山さんが持参した鯉のぼりも付けました。


5月4日

730 昨夜の19:00就寝頃から吹き始めた風は朝も収まらず、リーダーは今日は白馬岳
への登頂はあきらめるとの決断をし、横山さんは大テントのメンバーへ中止の連絡を入れに
来ました。


今日の白馬岳への登頂を諦めた強風です。画面をWクリックして拡大してご覧ください。

915  風もやや収まり、天気も晴れているので、稜線の船越ノ頭へ上がってみよう
と意見が一致し、出発します。


1029  船越ノ頭への急登です。雪面状態は良くアイゼンで快調に登ります。雪の状態では
ザイルが必要な急登ですが、今日は全く心配がありません。


1030  船越ノ頭の稜線上から見るテントサイトです。写真右に豆粒のように二つ見えます。

1032



1032  船越ノ頭から見る白馬大池です。白い窪地が大池です。左手に小さいテントがいくつか散見できます。

夏の白馬大池の写真です



豆粒のようなテント群をアップしてみました。


1103 船越ノ頭から元の急登を下ります。帰りは雪面が太陽熱で緩み、アイゼンが高下駄に
のようになり歩きにくくなりました。


1513  日中収まっていた強風も再び吹き荒れ、雪のブロックを積んで凌ぐことに
しました。


1604  雪のブロックはテントの中でもその効果が実感できました。真冬だとブロックは
上手くできないし、寒くて耐えられない厳しさでしょう。春は楽でした。

5月5日

512  昨日は強風が吹いて停滞した行動も今日はめったにない素晴らしい天候です。左手遠くは鹿島槍ヶ岳です。

524 茜色に染まって来た白馬連峰稜線を見ながらアイゼンを付け出発準備です。

524

622 船越ノ頭への登りの途中で雷鳥に会いました。

623 皆さん見物するやらカメラで撮影します。

722 船越ノ頭への急登を終え、小蓮華山へのんびり稜線歩きです。




白馬鑓ヶ岳(左)と杓子岳(右)の威容です。



740

740

801 小蓮華山の山頂を進みます。ところどころ雪面に50pほど深さ(分かりません)の穴が開いて
おり、注意情報が出ていました。どうして出来た穴なのでしょうか。

9:00 三国境を過ぎると白馬岳は直ぐ近くに見えます。



9:35 白馬山頂は直ぐそこです。皆さん快調にここまで来ました。きっと夏よりずっと楽でしょう。

958 白馬山頂で参加者全員で記念撮影です。後ろは旭岳です。

10:02 白馬山頂から飛び出した巨大な雪庇です。遠くからも良く見えました。 

1030 奥の山が小蓮華山です。手前の小ピークが三国境の分岐点です。
気持ちよくアルプスの雪面散歩です。


1136 帰路の小蓮華山の登りで今日2回目の雷鳥との遭遇です。

1139 岩と雪に同化した見事な保護色です。

1144 小蓮華山 山頂近くから白馬沢を下るスキーヤーです。中央に点のように見えます。
写真では分かりにくいですが、物凄い急傾斜です。徒歩でもこの沢を下る自信はありません。


1159 小蓮華山からの下りです。満を持して横山さんのスキー大滑降の始まりです。


1201  スキー滑降のスタートです。荷物を背負ってよくぞバランスがとれるものだと
感心します。


1203 いよいよ稜線からテントサイトへ滑り降ります。






1206 往きに通った船越ノ頭をカットし、直接テントサイトへ向かうことにしました。稜線を滑り
下りる横山さん、写真では分かりませんが結構な急斜面です。


1212  稜線から離れ雪の壁を慎重に下ります。写真では分かりませんが結構な傾斜です。


1241 テントサイトへ戻り、白馬岳登頂を祝い乾杯です。当初計画では今夜もここに
泊まる予定でしたが、早めに戻れたし、ビールも不足していることから下山することに
しました。


1410  テントサイトから一気にロープウェイ駅までノンストップで下りました。

1410  振り返れば小蓮華山からテントサイトそして栂池自然園まで雄大な展望と我々のトレース、
横山さんのスキーのシュプールまで
はっきりと見えました。




1418 栂池自然園の先に白馬鑓ヶ岳と杓子岳が遠望できます。

14:20 日本アルプスの歴史を感じさせる栂池ヒュッテ記念館に戻ってきました。
これを利用した往年のアルピニストの気持ちは我々と同じだったかも知れません。



 

 私はあまり北アルプスには行ったことがありませんでした。白馬岳は2度目で
昭和34年7月に兄と一緒に八方尾根から唐松岳へ登り、白馬三山から白馬大池そして
蓮華温泉に下って以来の白馬でした。栂池コースは初めてです。雪のないときも
素晴らしいようですね。企画をたてた新美さん、リードをして頂いた皆さんそして
この地区詳しい横山さん有難うございました。素晴らしい雪山と天候に感謝します。
(佐藤)





 






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