奥秩父の百名山を二つ

カンマンボロン瑞牆山・金峰山

日 程:20141115日(土)〜16日(日)

参加者:(L)飯嶋、渡辺(綾)、松下、橋元、蓬生、渡辺(綺)、蔦(15日富士見平小屋で合流)

1日目(11/15)カンマンボロン経由瑞牆山へ

新宿700(スーパーあずさ1号)⇒837韮崎(ジャンボタクシー)みずがき山自然公園950・・・カンマンボロン1055・・・富士見平登山道に出る・・・瑞牆山頂上1334・・・富士見平小屋1540

 

韮崎駅からジャンボタクシーに揺られること約1時間強でみずがき山自然公園に着いた。空は良く晴れ渡り、眼前には瑞牆の岩山が要塞のごとく聳えている。駐車場にはたくさんの車があるが登山者の姿は少ない。最初の目的地「カンマンボロン」とは大日如来の意味らしい。初めて目にする異様な岩峰の山々、耳慣れないカタカナの名前にワクワクした気分になる。「みずがきの森」の案内板を背にカンマンボロンを目指す。

 みずがき山自然公園入口からカラマツ林の中をカンマンボロンを目指します

 


岩と岩の間の隙間をすり抜けるとそこにカンマンボロンはありました。

 

落ち葉で覆われた広々とした森の中を30分ほど歩くと葉を落とした木々の間から頭上に岩山が見え隠れしてくる。わかりづらい登山道だがところどころにある岩に赤いペンキの矢印 をたどっていく。大きな岩と岩の隙間をくぐり抜けると巨岩群がそそり立つ場所に出た。

 

 

天に高く伸びた一つの巨岩になにやら文字らしきものが彫ってある。(浸食?)これが梵字でカンマンボロン、弘法大師空海が書いた(彫った)そうだ。みごとな巨岩、神秘的な言い伝えにしばしみとれ感慨にふけった。
梵字のように刻まれたカンマンボロンの岩肌

岩を這い上がりながら正規の登山道を目指しました

 

休憩後次の目的地「瑞牆山」2230mを目指す。急な斜面、立ちはだかる大岩の連続に足がつらないよう注意をはらいながら登っていく。富士見平登山道に出るまでは険しくわかりづらい登山道であるがロープ・鎖の設置もあり、なによりこの山行のためにリーダーが下見をされてくださったので安心して前進することができた。

 

 カンマンボロンの岩群を上から眺めるようになり、富士山が見えてくるとほどなく富士見平登山道に合流し登山者の姿も急に多くなってきた。1334瑞牆山頂上に到着。もちろん360度の素晴らしい眺望だ。八ヶ岳、中央アルプス、南アルプス、北アルプス、富士山等々。冠雪の北岳・間ノ岳・甲斐駒・仙丈ケ岳が青空に映えて美しい。あの御嶽山からはまだ白い煙が上っている

瑞牆山山頂から素晴らしい富士が見えました

 

富士見平への道 振り返ると瑞牆山の岩峰が要塞のように存在感をしめしている

 眺望を楽しみ富士見平小屋を目指して下山開始。時々振り返ると要塞のような瑞牆山が存在感を示している。

 

 

1542富士見平小屋到着。夕食は大皿に綺麗に盛り付けられた鹿肉のソーセージ、色とりどりの生野菜、ボリュームたっぷりのお汁をランプの灯りでお洒落にいただきました。男性2人組はテント泊でした。記:渡辺(綺)
今夜の宿泊は富士見平小屋です。男性二人はテント泊まりでした。

 

 

2日目(11/16)富士見平から金峰山へ(快晴)

コースタイム  富士見小屋615発→大日小屋700→大日岩(755801

→金峰山(10311041)→鉄山1108→朝日岳1150

朝日峠1218→大弛峠1247


テント泊の男性陣は、零下の寒さにもかかわらず、昨晩よく眠れたと言う。山小屋泊の女性陣は、寒さと鼾で熟睡できず、体調万全でない様子。山小屋の朝食は、豆類の入った朝粥に磯部餅とみそ餅。昨夜に続き山小屋らしからぬ個性的な献立。郷愁を誘うオレンジ色のランプの光に外国人の女性スタッフ。3年前にオーナーとなったご夫婦の尽力で、富士見平小屋は素敵な山小屋に変貌したようだ。ご夫婦の次の課題は“トイレ”だそうだ。

富士見平小屋からは名に恥じぬ朝の富士が雲の上に浮かんでいました。

 山小屋のドアを開けて外に出ると、富士見平という名に違わず、薄紅色に染まった空を背景に富士が雲の上にぽっかりと浮かんでいる。黒い樹林の額縁に切り取られたその景色はまるで絵画のようだ。

重い荷物を背負った山のエキスパート蓬生さんを先頭に続く女性5人、最後尾をリーダーの飯嶋さんに護られ10分遅れで出発(610)。歩き始めてすぐの急坂は、まだ眠っている体に少々こたえる。しかし、昨日の瑞牆山の急登の連続を思い出し“楽勝、楽勝”と言い聞かせる。体が温まったところで衣服調整。カラマツ林、寒さから身を守るように固く丸まったシャクナゲの葉、路傍の土は所々10cm程度の霜柱にびっしり覆われている。左手の樹林の向こうには瑞牆山の巨大な岩峰が透けて見え隠れする。憧れのドロミテとはこんな山かもしれない。時折右手に富士が姿を現し、その度富士を称賛する歓声があがる。見える場所、時刻によってその美しさを刻々と変える富士。傾斜が緩やかになり、大日小屋到着(700)。苔むした倒木が印象的。

 

 

少し急坂になり、シャクナゲの群生する中岩場が増えてくる。大日岩到着(755)。“素晴らしい”思わず感嘆の声を上げる。富士山、北岳、甲斐駒、その右手に見える御嶽山の山頂は雪にすっぽり覆われ今も噴煙を上げている。その姿に複雑な思いでそっと手を合わせる。
金峰山山頂からの大展望 噴煙たなびく御嶽山も良く見えました。

乗鞍、そして八ヶ岳。その手前に昨日急登の連続に苦しめられた瑞牆山が眼下に小さく見える。昨日の苦労もちっぽけに思える。頂上から下ってくる人からの“上にはもっと素晴らしい景色が待っていますよ”という言葉を励みに金峰山の頂上を目指す(8:00) 



樹林帯を抜けると目の前に突然、金峰山の大きな山容が姿を現す。右側は切り立った岩壁、左側はハイマツに覆われたなだらかな斜面、頂上には巨岩が数個、間隔をあけて聳え立っている。昨日の瑞牆山とは異なる異様で巨大な山容が迫ってくる。視界は開け山頂は近い。あと少しだ。ゴツゴツした岩場も苦にならない。

巨大な五丈岩を経て山頂に辿り着く(1030)。先程の大日岩からの眺めより、さらに遠くまで見渡せる。北八ヶ岳、蓼科山の右奥に、鹿島槍ヶ岳の双耳峰、白馬三山がすっぽり雪に覆われている。その向こうの富山湾まで見えたような気がする。金峰山の頂上は巨岩が重なり合っている。“ここが一番高いところだ”。目の前の巨岩の上に飛び乗った青年らしき声がする。見上げると飯嶋さんだ。山男は少年の心を忘れない。高所を恐れる者は立ち上がれず、岩にしがみついた姿をカメラに収めてもらうのが精いっぱい。頂上に名残惜しさを残しつつ下山開始(1040


朝日岳からの稜線は白い枯木立が目立ちました

 ハイマツ帯、樹林帯を抜け、鉄山を巻き(1100)、朝日岳到着(1150)。朝日岳を過ぎた当たりで白い枯木立の林に出会う。急降下して朝日峠到着(1220)。途中カラフルなファッションに身を包んだ山ガールの大集団とすれちがう。若さがまぶしい。噂には聞いていたが、瑞牆山、金峰山は中高年より圧倒的に若者の登山者が多い。先頭の蓬生さんはピッチを上げた様子。

ペースの速い渡辺(綾)さんと蔦さんはぴったりとついていく。その後を宮下さんが安定した足取りで続き、背後からは、登山を楽しんでいる様子の渡辺綺子さんと飯嶋さんの明るい声が聞こえてくる。一泊二日の山旅もそろそろ終わりを迎える。

大弛峠に到着すると(1240)待機していた大型タクシーに乗り込み、山を下る。暖かい車中で今登ってきた山々を眺めながら気持ちよくまどろむ。文明の有難さに感謝。花かげの湯で汗を流し、冷えた体を温め、ようやく日常に戻る。塩山駅近くの食堂に立ち寄り、地ビールで無事の下山に乾杯。甲州名物のほうとうと馬刺しで空腹を満たし、山旅を締めくくる。塩山発 (430)。  記:橋元

                        

 

 

 












11/15 955 みずがき自然公園でタクシーを下り、カラマツ林の中をカンマンボロンを目指しました。

1040 カのマークと矢印がカンマンボロンへと導いてくれました。

1054 樹林帯の中の急登を抜け、瑞牆山の岩峰群の隙間にカンマンボロンの梵字のような岩がありました。

1150 瑞牆山の岩峰の裾を正規の登山道目指して這い上がります。

1209 岩峰と岩峰の間のコルを目指して上がりました。

1213 コルから富士の流れるようなラインが見えました。

1245 「景観を乱すボルト打ち」の字が書かれた板、瑞牆山に登るロッククライマーへの警鐘でしょう。

1329 瑞牆山山頂につきました。岩峰群と雄大な山並みが素晴らしい。

1329 瑞牆山山頂で記念ポーズ

1333 百名山瑞牆山山頂で記念撮影

1335 瑞牆山山頂より絵のような富士がありました。

1531 瑞牆山から岩・岩・岩の急降下を下り、今日の宿泊地富士見平に近づき、振り返ると瑞牆山の岩山がありました。

1541 今日お世話になる富士見平小屋が夕日に照らされています。

 

 

11/16 602 富士見平小屋の前から朝の富士のシルエットがありました。

616 11月の朝は寒い、防寒着を着て金峰山への長い道程へ出発です。

718 1時間ほど歩くと大日小屋が冬木立の中にありました。

757 大日岩から御嶽山の白銀の峰々をみました。

目をこらすと御嶽山の左の肩に大惨事を起こした噴煙が見えました。

854 金峰山への広い稜線から南アルプスの間ノ岳3189mと北岳3193mが良く見えました。

914 砂払いノ頭 2317mまで来ました。

934 千代ノ吹上といわれる岩だらけの稜線を歩きます。前方の金峰山山頂と近くの五丈岩が近づいて来ました。

939 雪はなかったのですが岩には美しい霧氷がありました。

1023 巨大な五丈岩が聳え、金峰山2595m山頂は近くなりました。

1152 金峰山から朝日岳を過ぎ、白い枯木立の稜線を歩きます。

1218 朝日峠に到着 終着の大弛峠まで30分です。そこまで行けばタクシーが待っています。

 

 

 

 




































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