早春の南八ヶ岳に登りました。

日 時:2015 3 22 () 晴れ時々曇り

行 程:600 美濃戸山荘→740 行者小屋→900 文三郎分岐→940 赤岳→1000 地蔵の頭→1100
          
行者小屋→1220 美濃戸山荘(行動時間 6 時間 20 )

メンバー:得津(記録)


3 月下旬の八ヶ岳は厳しかった冬が終わり、ようやく山全体に春が芽生え始めた感がありました。早朝6時、僕は美濃戸山荘から南沢沿いを行者小屋へと歩き出しました。歩き出して5分も経たないうちに額が汗ばんで来ました。

 

3 月はまだ日によっては厳冬期という認識ですが、今日の八ヶ岳には凍てつく寒さはもうどこにもありませんでした。陽が昇ると春の光は明るくて、凍った真っ白な登山道は、新雪とはまた違う透明感を映し出し、樹林の深緑と相まって、残雪期の山の美しさをいっそう際立たせます。

 白河原を進み行者小屋が近づくと、樹林の上に赤岳がちょこんと顔を出し、続いて阿弥陀岳、そして最後に横岳西壁の全容が目の前に現れました。

南八ヶ岳を代表する山岳景観です。南八ヶ岳東面に射し込む朝の光は横岳稜線を明るくしますが、横岳大同心から赤岳主稜に至る西面は日陰となって青黒く、まるでここだけに冬が居座っているような、そんな岩肌の冷たさを感じました。

行者小屋付近から見る横岳大同心の大岩壁

 僕がここで少し腹ごしらえしようとザックを下ろすと、さっきまで汗ばんでいた背中が途端に寒くなり、慌ててヤッケと薄手の目出帽を着用し、赤岳への登りに備えました。

文三郎尾根ルートから見る阿弥陀岳2805mの鋭峰です

 これから登る文三郎尾根に目を凝らすと、何人かの登山者が登っていく様子が小さく見えていました。文三郎尾根の分岐までは、ここから標高差約 300m の急な斜面の登りですが、金網の階段と鎖は雪に埋もれ、かえって登りやすく、締まった雪面では 12 本爪アイゼンの歯がよく効きました。

 

 

分岐から先、竜頭峰へと続く岩稜帯は雪に覆われ、部分的に岩が露出し、所々氷化していました。ただ手掛かりが豊富で立ち往生するような箇所もなく、ピッケルとアイゼンの 3 点支持で登れました。
赤岳山頂2899.2mにもう少しです

  

赤岳山頂には多くの登山者がいました

 

9 時 40 分、赤岳山頂には多くの登山者がいました。山頂は春の陽気に包まれ、春霞んでいるものの南から北へと続く八ヶ岳全山が見えていました。

 

 

帰路は地蔵尾根の下りです。2 月に地蔵尾根直下の稜に出来る大きな雪庇はずいぶんと小さくなり、痩せた雪稜の両側は谷底へと落ちていました。
赤岳天望荘付近から横岳方面を見ます。ここから地蔵尾根を下りました。

僕はアイゼンの爪だけは引っ掛けないよう注意し、慎重に下りました。危険個所を通過し、中山尾根が目の前に見える平らな場所で休憩することにしました。ここまで下りればもう心配なく、どら焼きと珈琲を沸かして、やっと一息付くことが出来ました。(得津)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






























































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