天空の楽園を行く1泊2日の山旅(2015.8.15-16 宿泊:駒の小屋)

福島の名峰 会津駒ケ岳 2133m

参加者:日比野、三戸、関山()



「駒ケ岳」の名称を持つ山は、いくつぐらいあるかご存知ですか。

北海道には: 北海道駒ケ岳1,131m

青森県: 大駒ケ岳1,144m

岩手県: 焼石駒ケ岳1,130m

秋田県: 秋田駒ケ岳1,637m、 藤里駒ケ岳1,158m

山形県: 山形駒ケ岳1,067m

福島県: 会津駒ケ岳2,133m

群馬県: 赤城駒ケ岳1,685m

埼玉県: 越生駒ケ岳369m

神奈川県: 箱根駒ケ岳1,356m

山梨県: 甲斐駒ケ岳2,967m

長野県: 木曽駒ケ岳2,956m、 南駒ケ岳2,841m

新潟県: 越後駒ケ岳2,003m、 頸城駒ケ岳1,487m、 朝日駒ケ岳776m

富山県: 越中駒ケ岳2,003m、 北駒ケ岳1,914m、 下駒ケ岳1,241m

福井県: 若狭駒ケ岳780m

 このように、20もの代表的なものがあります。その名は、山容が馬()の形をしている。雪解けの山肌に馬の形が現れる。などの理由で名づけられているようです。馬は農作業には欠かせない重要な生き物でしたから、上記のように米や農産物の生産地である東北地方や北陸地方には馬と生活を共にする文化があり、駒ケ岳の名のついた山が多くあるように思います。最高峰は甲斐駒ケ岳2,967m、次に続くのが中央アルプスにある木曽駒ケ岳2,956m、南駒ケ岳2,841m、そして4番目に今回挑戦する会津駒ケ岳2,133mが登場します。

 

私たちは、この天空の楽園に抱かれた会津駒の登攀に是非とも成功したいとの強い思いから、事前に「足慣らし山行」を行うことにしました。それは、残暑の厳しい熱波に打ち勝ち、且つ体力強化を図ることを目的とするものでした。

この山行に参加予定の山口さんは丹沢・塔ノ岳8/1、三戸さんと関山は筑波山8/2、そして日比野さんと関山は高尾山8/9にそれぞれ「足慣らし山行」を実施しました。その結果、山口さんは炎天下暑さの厳しい中での山行で、登りに2L、下りに1Lの水を消費してしまい、持参した水量3Lのすべてを飲み干してしまったのです。しかし、登り5時間(ヤビツ峠〜塔ノ岳)、下り3時間(塔ノ岳〜大倉バス停)、炎天下の計8時間を頑張り抜きました。山口さんは一昨年の山行で右膝を痛め、その治療とリハビリに今日まで努めてこられました。そして、今回の塔ノ岳山行レベルまで膝が回復してきていることを確認できましたが、2年間のブランクの大きさはまだ完全復帰までに至っておらず、炎天下での歩行が余儀なくされる今会津駒山行は不参加とし、体調の完全復帰する秋頃までもうしばらくリハビリに努めたいとのことでした。私たちは、彼の勇気ある決断をうれしく思いました。その後、山口さんには会津駒山行事前ミーティングにも参加をしていただき、いろいろと参考になる助言をたくさんいただきました。

 一方、筑波山組も炎天下の登山に苦しめられました。2.L持参した水も登りで2Lを飲んでしまい、このままでは熱中症にもなりかねないことや足がつってしまう恐れから、下山にはロープウェイを利用することにしました。そうしたことから無事に下山することができましたが、真夏の山行の厳しさを身をもって痛感しました。帰路秋葉原でビールで乾杯!(詳細は山行記録(記・三戸)をご参照下さい) 

そして、高尾山組はゆっくりとした足慣らし歩行と、関山君の初めてのストック使いの訓練山行にしました。数多くある登山コースの中から、日比野さんお勧めの歩きやすく、日射しのあまり差し込まない、比較的涼しいコースを歩きました。登りは6号路(びわ滝コース)を歩いて頂上に(8:3010:25)、下りは4号路(吊り橋コース) +1号路 +びわ滝道 +6号路などを歩いて登山口駅へ(11:2012:35)。合計4H05M(含む休憩)のゆっくりとした歩行タイムとなりましたが、登りでは暑さ対策として頻繁に休憩を取り、水分を補給するようにしました。そのかいあって、身体にダメージを受けることも無く、とても快適な山行となり、新宿駅ドイツ風バブ・ミュンヘンで大ジョッキービールで暑気払いをして、本番山行の無事と成功を願って乾杯をしました。

 

このように万全を期して望んだ会津駒ケ岳山行の実態について、お話しを致しましょう。

当初の山行計画タイムは、下記の通りでした。

[1日目] 駒ケ岳登山口(11:10)・・<徒歩>・・滝沢登山口(11:40着/11:45)・・・水場(13:45着/14:00)・・・駒の小屋(16:00)

[2日目] 起床(4:00)・・・<食事>・・・駒の小屋(5:00)・・・会津駒ケ岳(5:20)・・・中門の池(6:00着/6:10)・・・中門岳(6:20)・・・<駒ケ岳山頂迂回>・・・駒の小屋(7:00着/7:30)・・・水場(8:45着/9:00)・・・滝沢登山口(10:30)・・・駒ケ岳登山口バス停(10:50)・・・入浴/駒の湯(11:00-13:00)

 

実際のコースタイムは、下記の通りとなりました。

[1日目] 駒ケ岳登山口(11:25)・・<徒歩>・・滝沢登山口(11:55着 通過)・・・水場(14:10着/14:30)・・・駒の小屋(16:20)

 

[2日目] 起床(4:00)・・・<食事>・・・駒の小屋(5:40)・・・会津駒ケ岳(5:55)・・・中門の池手前(6:25折り返す)・・・中門岳(6:20)・・<駒ケ岳山頂迂回>・・・駒の小屋(7:00着/7:45)・・・水場(8:50着/9:00)・・・滝沢登山口(10:50)・・・駒ケ岳登山口バス停(11:15)・・・入浴/駒の湯(11:35-13:20)

 

計画対比で概略を説明致しますと、

1日目は、毎度のことながらパッキングのへたくそな関山君の多量の荷物(リュック以外にナップサックにもいっぱいの荷物)を皆さんに分担してもらったりしたことから、登山口の出発が遅れましたが、小屋には計画より20分遅れで到着しました。これは上出来のコースタイムであったと思います。特に登山口から水場までの2時間に及ぶ急な登りがきつく、25分前後ごとに小休止をとり水分の補給をし、体力の消耗を極力抑えるようにしました。稜線から小屋が見えるようになってくると元気が出て、木道周辺の小さな池塘やお花を眺めたりしながら、最後のゆるやかな斜面を充たされた幸せな気分でゆっくりと一歩一歩足を運びました。

駒ノ小屋前のベンチで夕食

 既に小屋に到着していた人たちは、グループごとにテーブルを陣取って早めの夕食を食べており、私たちの到着を笑顔で迎えてくれました。

私たちもチェックインを済ませ、開いていたテーブルに食材、燃料、鍋、水、アルコールなどを広げ夕食をとりました。次第にガスが出てきて全山を覆うようになり、明日の天候が気がかりです。

本日の登山の無事を感謝し、明日の天候の回復を願って、ビールで乾杯しました。

 

2日目は、予定通りの時間に起床したものの雨が降っており、全山がガスで覆われていました。

 炊事室で天気が良くなるように祈りつつ朝食をとりながらしばらく様子を見ていると、雨が止み、ガスも少しずつ薄くなってきました。



本日は、下山後温泉に入浴することにしています。又、帰りのバスの時刻に遅れてはなりません。少し予定を変更し、会津駒頂上に登り、中門の池、中門岳方面の行けるところまで行って、7時迄に小屋に帰着することにしました。

お世話になった駒ノ小屋前です。天気に心配しました。

点在する池塘です

 

天気がある程度まで回復するのを見届けてからの小屋出発(40分遅れ)となったので、中門岳迄行くことはできませんでしたが、天空の楽園の一画を散策できたことは感動ものでした。

 

下りは、小屋出発が予定より遅く、又、道が滑って何回か転倒したりして多少時間を要しましたが、ほぼ予定通り下山できました。

 

滝沢登山口へ無事下山しました

 

 

●昭和一桁と終戦記念日を登山する!

   私たち(三戸、関山)は、昭和一桁生まれの日比野さんとこのたび山行を共にできたことをうれしく思っています。日比野さんは姿勢が良く、年齢を感じさせないフットワークの良さと身のこなし、良く食べ良く呑み、まじめである。 なぜ日比野さんは、年をとってもあんなに元気で、いつもにこやかで、楽しげで、豊かな表情でいられるんだろう。周囲の人々にこのような印象を与え、その人たちまで楽しい気分にさせてしまいます。人の顔つきも習慣であるように、心も体も習慣がつくるように、良い習慣にもとづいた生活を送っていらっしゃるに違いないと感心してしまいます。又、日本百名山の全山を踏破した健脚家でもあり、歩行バランスが良く、私たちが何度も転倒したのに転倒しませんでした。私たち男三人衆は厳しい山道を黙々と会話もなく静かに登って行きますが、トップの三戸さんは後続の者たちの息遣いや足音の変化を聞き取り、歩みを止め状況確認をして、次のペースを調整したり必要に応じて小休止を取ったりと、リーダー以上にチームの掌握に努め、安全な山行を実現してくれました。そして、この山行で多くのことを皆で一緒に楽しんだり、感動したりして、心の充足を図ることのできた素敵な山行でした。

 

●ブヨに好かれた男

夕食を小屋の前の眺めの良いテーブル一等席で楽しく過ごしていると、ブヨがやって来ました。 ブヨはおいしい料理や野菜、フルーツに寄ってきたのでしょうか。いや、違うようです。ブヨは三戸さんにだけ寄ってきたようです。三戸さんの顔の周りにはブヨが何十匹も飛び回り、追い払っても追い払ってもしつこく飛び回りつづけました。そして、アルコールが入ると更にその数を増し、私たちはその現象が滑稽で笑いこけました。三戸さんの顔や頭には無数の刺された傷跡が残っているのではないでしょうか。今度会ったら覗いてごらん! たぶん、ボコボコだよ。

 

●健康のための登山から、登山のための登山へ

   私の若い頃の登山は、健康のために登山をしていたという認識はなく、ただ好きだからしてい

   たように感じています。しかし、リタイアして山の会・さんかくてんに入会して登山を再び始める

   きっかけは健康のためでした。そして、人の後について登るだけでもかまわないと思っていまし

   た。しかしそのうち、自分の好きな山、行きたい山が出てくると、自分で計画を立て装備や食料

   を準備し、読図や気象判断をして、その山に自分の力で登り、帰ってくることができたとしたら、

   その喜びはどんなに大きいだろうか。そう思うようになり、最近では自分がリーダーとなる山行を

   計画させていただいています。この会津駒ケ岳山行もその一つです。このようにしていろいろと

   登山を経験してくると、登山は心身の健康増進だけでなく、知的な能力も大いに刺激し発達さ

   せてくれるように思います。

   登山には、山を登ることそのものの楽しさに加えて、風景や動植物などを観察したり、歴史や文

   化を学ぶといった副次的な楽しみもたくさんあります。又、見たことや体験したことを文章、写真、

   絵などで記録に残すのも、とても楽しいことです。

   登山を始めるきっかけは「健康のため」でいいのです。でも、自分の行きたい山の山行計画を

   立てて、皆に参加を呼びかけて下さい。経験がなくても自信がなく不安であっても大丈夫。

   先輩たちが、ちゃんとフォローしてくれます。そのようにしていくと、好きだから登山をするように

   なり、その結果として健康になっていることを実感することでしょう。チャレンジしましょう!

 

 
































































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