二口山塊 名取川 小松原沢 

(2015年9月19日〜21日)

参加者 L蓬生 SL田口 食・記録 堤

19()

  東京9:48=[やまびこ177]11:44仙台12:27=[仙山線]⇒12:55愛子13:18=[仙台市営バス]
  14:15
二口14:2515:40ゲート→15:50二口沢への下降地点→16:15風の堂沢
出合より30m上流(B..

20日(日)  

  B..6:056:45南沢出合→7:20鍋越沢出合→8:00桂沢出合→8:20小松倉沢出合→
  8:55
銚子大滝手前15m滝を高巻時の下降点→9:05下降終了・大滝下9:109:35大滝上→
  10:50禿沢出合→11:20水が涸れた付近の二俣(左へ)→11:25次の二俣(右へ)→12:45
  登山道(1260m付近)13:0513:15山形神室岳への分岐→13:20山形神室岳13:25

  13:30分岐に戻る→14:00神室峠→15:05清水峠15:1515:50二口林道→17:05..

21日(月)  

  B.8:0510:00二口10:30=[タクシー]⇒10:50秋保温泉共同浴場→佐勘前11:57= 
  [宮城交通バス]⇒13:15仙台駅前→仙台・四川料理「須賀の家」

 

19日(快晴)

 シルバーウイークの一日目、新幹線ホームは大混雑。40分前から並んで席を確保。仙山線愛子(あやし)駅は仙台の新興ベッドタウンだが、駅前にはコンビニも、酒屋も無く仙台駅で飲料を調達してきて正解でした。終点二口は昔、盤司山荘という温泉宿があり、田口さんは泊まった記憶があるそうだが、昨年廃業、跡形も無い。

名取川に沿ったこの林道は山形の山寺に続く観光道路だったらしいが、今はゲートで止められて、車は入れない。10年以上前、眼前に聳えている盤司岩の向こう側の大行沢に行った。天国の滑と言われるその場所で、雷雨に襲われ、天国どころではなかった。地図から判断して幕営地は、川の対岸やや小高い台地と決めていたので、沢靴に履き直す。ブナ林の中、素晴らしい2日間のテン場を確保。北海道土産のエゾ鹿の大和煮の缶詰を開けて入山祝い。夕飯は海鮮鍋。
エゾ鹿肉の缶詰で入山祝いをしました


 

 20日高曇り、後晴れ 
  4時起床 6時出発。気温、水温共快適。



出だしから川床が平らで、しかも秩父の沢のように滑る苔が張り付いていないので、恒例、堤の朝一番の大コケも無く順調な滑り出し。
出立 南沢出合の手前の小滝


南沢出合手前の美しいナメ床

1つ目10m滝は、高巻くと言うより、水線の右側を登る。下降予定の南沢合流。覘くと小さい地味な感じの沢だが、沢の下降となれば緊張する。その後は、割と困難無く登れる滝が続く。晴れマークだったはずが、高曇りの空で太陽が見えないのが、玉に瑕。滑床を洗う水流と遊ぶように愉しい遡行が続く。

 

水の作る造形の美しさに息を呑む。この別世界が何と言っても沢に行きたい理由、沢でしか得られない喜び。快調に鍋越沢、桂沢、小松倉沢と出会う。右手の細い本流に入ると、6m滝を巻き、いよいよ大滝手前15m滝の高巻きだ。落ち口への5m程のトラバースが、大変悪いとの事。もしくは上部から懸垂下降。どっちにしても、私の今日1番目の課題。左側からの明瞭な巻き道に入る。


しかし藪のなか、横を見ても滝口など見当たらず、懸命に登っていったら、枝に掛かったスリンゲ発見。蓬生さん下降。下降点が見えないのだが、ロープの長さが足りないのではと、田口さんは案じている。なかなか到着の声が無い。案の定、5mほどロープが足りず、少し登り返して、ロープを外し、崖を笹と枝を頼りに降りたそうだ。10数年ぶりの懸垂下降は、自分のペースでゆっくり降りられるので、快適だった。蓬生さんのリードで、崖も無事降りた。

 

 続く銚子大滝は右手から楽に高巻いた。次にゴルジェ帯の4つの小滝が今日の第2番目の課題。4つとも釜が深く、へつるか、泳ぐかの困難な取り付きが待っている。Lも泳ぐのは苦手。へつりに失敗して、ドボンした場合、私は足が着かないので、這い上がって来られないだろうという事で、4つまとめて高巻く事になった。結構ハードな巻き道で、もう越したかと思って、滝口に下りたら、まだ2つ越しただけであった。

 第2課題が終わると、渓相は再び穏やかになり、滑床を行く。最初の二股を左にとると、もう水量はめっきり減る。この辺りで、田口さんが頭をゴンと木に当てて、ヘルメットを忘れた事に気付き、先の休憩点まで取りに行く。ナメラ沢の上野さんといい、近頃堤の十八番を奪う人が続出で困ったもんだ。すぐに続く2番目の二股を右にとった。間もなく沢を外れ左方向に藪漕ぎ5分で、1220mの鞍部に到着のはずが・・・。何かおかしい。すでに、密生した根曲がり竹との格闘は、30分を超えている。稜線の空は、さっきから3、40m上の方に見え続けているのに距離が縮まらない。田口さんが、稜線と平行に登っている様な気がする、とボソッとつぶやいた。

左に行かなくてはと、三人ともわかっているが、猛烈な竹に阻まれ、取りあえず行けそうな所を探す。1時間以上かかって、やっと稜線の登山道に這い上がったら、目当ての仙台神室山は遥か先、最上神室山が目の前にあった。

時間は13時。これから仙台神室山の山頂を越え、南沢を探しながら降りるのは難しい、と判断して最上神室山頂上訪問する。
最上神室山の稜線の紅葉

 

最上神室山頂上訪問の後、神室峠、清水峠を越え、長い長い林道歩きをして、17時にやっとベースキャンプに帰り着いた。行動時間11時間、沢遡行5時間、藪漕ぎ1時間、下山道4時間。充実した一日だった

 最後の二股を左に取れば、今日の第3の課題、南沢下降が待っていたはずだ。逃した魚は大きかったかな?遠く南沢を眺めれば、頂上直下の傾斜は半端でなく、行かなくて正解という感じではあった。暮れなずむ中、急いで焚き火を起こし、田口シェフ特製のピーマン、しし唐、竹輪の醤油、胡椒炒めを肴にビールで下山祝い。渓を流れる、優しい水音を子守唄に眠りに着く。

21日 (快晴) 
6時起床。朝食ラーメン。テント撤収。二日間のお宿の周りをきれいに片付ける。心地良い陽をあびて、今日はゆっくり帰るだけ。盤司岩、名取川の流れを楽しみ、路傍の秋の草花を写真に収める。

バスが、一日一本だけなので、タクシーを呼んで、秋保温泉共同浴場へ、汗を流しに行く。

豪華なホテルに挟まれた、場違いに薄汚れた地元の方専用の小さく、古びた浴場だ。風呂場の主のお婆さんから、この源泉掛け流し、アツ風呂の入り方を伝授される。掛け湯の回数、入る場所、時間、効用を教えていただく。毎日入って医者要らずだそうだ。
秋保温泉共同浴場

仙台行きのバスで、ぐっすり眠れたのも温泉の効用だろう。二口山塊の沢は、滑らないナメ床、滑滝、そして美しいブナ林。何度でも訪れたい心和む渓です。出発前三つの課題を前に弱気の虫に取り付かれた私の尻を叩いてくれて、ありがとう。 堤記





 



























































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