大岳山(3/奥多摩三山)山行記録

山行日  2016年2月7日()
参加者   山口、綾乃、長谷川、今岡、L関山()
コースタイム
JR新宿駅(6:46)---<ホリデー快速おくたま1>---御嶽駅(8:07)/乗換(8:20)---<西東京バス>---ケーブル下バス停(8:30)・・・滝本駅登山開始(8:50スタート)・・・<表参道>・・・ビジターセンター・・・随身門・・・御嶽神社下/大岳山方面分岐(10:20)・・・長尾平(10:30)・・・水場(11:00)・・・休憩小屋・・・芥場峠(11:50)・・・岩場(12:05)・・・大岳山荘(廃虚)広場(12:30-12:50)・・・大岳山山頂(13:10-13:30)

・・・大岳山荘広場(13:50)・・・鍋割山分岐(14:35)・・・芥場峠(14:40)・・・休憩小屋(15:15)・・・長尾平・・御嶽神社下(15:55)・・・ケーブル滝本駅(17:00)・・・ケーブル下バス停(17:16)---御嶽駅(17:26)

[記録・感想]
新宿駅に着くと、架線凍結のため「青梅ー奥多摩間で運休や一部列車に遅れがでている」と報じていたので心配をしましたが、予定時刻通りにホリデー快速が入線し、全員が座ることができました。

 国分寺を過ぎた辺りから富士山が車窓に顔を覗かせるようになり、その前面に雪の丹沢山塊も見えるようになってきました。天気は快晴で、拝島辺りからは車窓から見える周辺の木々には新雪が霧氷のようにうっすらとついて、神秘的な景観を演出してくれて、私たちをロマンチックな雪山に誘ってくれているようです。

DSCN0916拝島駅周辺の木々についた美しい霧氷

 

御嶽駅に近づくに従い沿線の民家の屋根の積雪量が1cm、2cmそして3cmと、その量を増してきました。雪上を歩く本格的な雪山登山が楽しめるのではないかと、気持ちが昂ぶってきます。

 

 

御嶽駅からのバスは小型でしたが、待合していた登山客の全員が座ることができました。ケーブルカーが巻上機の改修工事で運休していることから、御嶽神社の参拝客や登山客が減少しているようです。バス路には積雪は無くケーブル下バス停に10分程で着き、急な坂路を少し登ると滝本駅に着きました。路は雪が薄くシャーベット状になっているケ所もありましたが、夏靴でも問題の無い路面状態です。ここで、身支度、準備運動を十分に行い出発です。
DSCN0920表参道登山口方面/滝本駅より

DSCN0928ジグザグの雪景色の参道を登りました

 

表参道の登り口は滝本駅の向かい側にあり、こんもりとした森の木々には新雪が霧氷のように積もって雪山の様相を呈し、慎重に覚悟して登れよと言っているようで、身の引き締まる思いです。

参道は鳥居から始まり、鳥居の右手前には推定樹齢500年の神代銀杏の大木があり、鳥居をくぐった左手には樹齢350年の杉並木1号大杉があり、ここから参道に沿ってジグザグに約3kmの杉並木が続きます。杉の木には1本毎に番号がつけられ、1号大杉が784番で、登るにつれて700600500・・・321番と番号が減っていきます。
参道は舗装された路で、積雪も無く凍ったところも無く安全に歩けます。時折、杉の枝葉にうっすらと積もっていた粉雪が微風に飛ばされて、私たちの頭上に降りかかる光景や、朝日が杉木立のなかに差し込んでつくりだす陽と陰のシルエットに感動を覚え歓声をあげながら歩行を続けました。

 そして、杉の木番号388番のところで服装調整と水分補給のための小休止をとりました。登り始めて40分の地点です。表参道も残り半分です。パーティーは先導役の山口さんにつづいて今岡さん、長谷川さん、綾乃さん、関山と隊列が組まれ、歩行の仕方、ストックの良し悪しなどの講釈を聞きながらゆっくりと歩を進めます。

やがて、杉番号1番を通過して石垣の坂を登ると、ケーブルカー・御岳山駅からの路と合流し、すぐにビジターセンターに着きました。ここで、トイレタイムをとり情報収集をしました。気合を入れて出発です。宿坊や民宿、山荘、土産物店などが迷路のようになった御師集落をなんとか抜け出して隋身門の大鳥居にたどり着きました。往路は御嶽神社に立ち寄らず、この先の銅鳥居の階段下の分岐点から長尾平、大岳山を目指すことにしました。

 

ここからの登山路はこれまでとは違って、まだたっぷりある残雪を踏んで歩くことになりました。長尾平周辺の登山道は暖かな陽射しを受けて残雪も少なくぬかるんでいます。
DSCN0931水場を通過するにつれ積雪の多くなりました

 

水場を過ぎ、芥場峠の登りはかなりの深雪になっていました。

 

水場や休憩小屋を通過するににつれて積雪の量も多くなり傾斜もきつくなってきました.

 

 

やがて開けた芥場峠に着きました。そして、この先には岩場がありました。ここは、このルートの一つ目の難所、注意して通過しなければならないケ所として考えていましたが、積雪で凹凸が平面化されていたので何等問題なく通過できました。その後、数ヶ所の鎖場や梯子を通過して大岳山荘(廃屋)前の広場に着きました。ここには、トイレもあり小休止を取ってアイゼンを装着しました。アンゼンを付けるだけで劇的に歩きやすくなりました。ストックもとても有効なツールとなりました。
DSCN0930芥場峠で休憩する皆さん

DSCN0944大岳山山頂です。後方に富士山が見えるはずでした。

 この先は、大岳神社の鳥居をくぐり社に向けて直登し、左右に置かれた狛犬を左折して最後の登りが続きます。次第に岩場が続くようになり、ここが二つ目の難所です。足場に注意して慎重に登ります。アイゼンの感触も良好です。そして、ついに頂上です。頂上のスペースはそんなに広くはありませんでしたが、他の登山者数人と犬が1匹いました。

 

登山開始時は快晴だった空模様も、4時間20分後の頂上からは雲に包まれて富士山の眺望を得ることはできませんでしたが、山頂を極めた喜びに変わりはありませんでした。空気が澄み渡り、まぶしいほどの銀世界が広がる雪山。そんな積雪のある山を登山の対象としてこなかった初心者にとっては、雪とうまく付き合えば、山登りのフィールドと世界は大きく広がり、一年を通じて山登りが楽しめるんだ、と実感したことでしょう。いきなり本格的な雪山装備をそろえなくても、知識がそれほどなくても、ちょっとした準備さえしてあれば、それほど無理なく登れてしまうことを知ったに違いありません。ごく初級の雪山対策とたくさんの知識を学んだことでしょう。

 

山頂で20分程過ごして、いよいよ下山です。靴紐を締めなおし、アイゼンの装着具合を確認して、岩場では慎重に一歩ず足場を固めて下りて行きました。
DSCN0946帰路の大岳山の山頂直下の岩場

帰路の芥場峠で記念写真

 

途中、大岳神社の広場、芥場峠、休憩小屋などで休憩をとりながら、長尾平でアイゼンを外しました。

 






そして、綾乃さんと長谷川さんは納経帳を持って黒書と朱印をいただきに御嶽神社に詣でました。納経帳には多くの印が納められ、信心深い巡礼者のお二人の徳をあらわしているのではないかと想像しました。表参道を下山する頃から雪が降りだし、ところどころに融雪剤がまかれていました。約1時間遅れで御嶽駅に着きました。
DSCN0952御嶽神社に詣でました

電車は乗り継ぎ乗り継ぎで新宿に向かいましたが、車中で登山の無事に感謝しビールで乾杯です。

このたびの大岳山雪山山行では、雪山には全く素人の方を含めて全員が頑張って頂上を登攀することができ、無事に下山できましたことを、大変うれしく思っています。これひとえに、先導役を務めていただいた山口さんのおかげと感謝を致しております。雪道に不慣れで、アイゼンすら着用したことのない後続者たちの息遣いや足音の変化を感じ取り、その都度歩を止め状況確認をして、ペースを調整したり必要に応じて小休止を取ったりと、リーダー以上にメンバーの掌握に努めていただき、又、アイゼンの装着の絶妙なタイミングを取っていただき、安全な山行を実現していただき感謝をしています。そして、メンバーも寒空の下8時間もの長時間を歩き通しました。良く頑張って歩いてくれました。ありがとうございます!

私は、かねてより東京近郊の低山で雪山を楽しむ山行がしたいと思っていました。今回は偶然にも降雪があり雪道を歩く体験ができましたが、できれば降雪の直後に出かけて、まだ踏み跡が無く圧雪アイスバーンにもなっていない雪道をラッセルしながら歩いてみたいと考え、その機会に恵まれましたら、早速山行計画を立てたいと思っています。その際にはご案内しますのでご参加下さい。

皆さんの喜びの声をお届けしましょう!

 

[感想/山口さん]  前日の新雪のおかげで登山道の路面凍結上に積雪され、トレースができていましたので歩き易かったと思います。心配していた登山道の2ケ所の凍結部分も新雪で覆われ問題が無かったのも安心しました。予期せぬ前日の新雪で雪道登山になり、良い経験が出来てラッキーだと思います。ここ数年、このように雪が積もった大岳山はありませんでした。往復8時間は長丁場でしたが、皆さん頑張ったと思います。

[感想/綾乃さん]  電車の中から雪の富士山がドーンと現れ見とれていました。登山道からは白く薄化粧した木々がまた美しく、もうこれだけで満足のところ、御嶽神社からは本格的な雪道歩行の練習もでき、盛りだくさんの山行でした。頂上では、はぐれたらしい痩せ細った犬が居て、登山者から食べ物を貰っていたことが気になっていたけれど、他の登山者と下山し無事飼い主と連絡取れたことを知り、皆で安心したというハプニングで、忘れっぽい私でも記憶に残る山行でした。

[感想/長谷川さん]  真冬にアイゼンを持って大岳山に行くのは、初めてだったので大丈夫か心配でした。幸いにも天候が味方してくれて、前日に雪が降り、辺り一面が粉砂糖が降りかかったように、みごとな美しい景色に元気づけられました。又、少し踏み後がついた細い道をしゃきしゃきと歩く爽快感に感動し、今までと全く違う山の姿をたっぷりと楽しみました。

[感想/今岡さん]  枯れ木に刷毛ではいたような淡い雪をまとった木々、光のカーテンの中を舞う雪、これらを見ただけで満足でした。アイゼンを履いた場合と、ない場合のどちらも経験させてもらい、道具の優れた点、自身の体力、バランスに気づかされ有意義でした。

 

































































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