地図読みハイキンク三浦アルプス山行記録

山 行 日  2016年5月29日()

参 加 者  渡邉美、三部、長谷川、福井、堤、松下、安達、渋谷、吉岡、松尾和、L関山()

        日比野、和久井康、堀井、山崎(一般参加者)

アクセス/コースタイム

京急・品川駅(7:10)---金沢文庫駅(7:49)/乗換(7:58)----新逗子駅(8:08) 新逗子駅(8:20歩行開始)・・・桜山トンネル・・・川久保交差点(8:50)・・・大山橋(9:10/登山開始)・・・<大山尾根>・・・大山見晴所(9:35-9:45)・・・観音塚(10:34)・・・どんぐり並木(10:50)・・・分岐(11:20)・・・ピーク昼食(12:11-12:35)・・・桜並木・・・高圧線鉄塔(12:45)・・・乳頭山(13:10-13:20)・・・港が丘団地(14:30)・・・京急・田浦駅(15:05) 解散

 

[はじめに]

三浦半島の中央部、逗子と葉山の山塊に位置し、森戸川の源流の発する山塊です。この山塊には*三光鳥が東南アジアから渡って来ます。又、オオルリやホトトギスなどの渡り鳥の姿を見ることもできます。タヌキや台湾リス、うさぎなどの哺乳類も多く生息しています。(*囀りがツキ・ヒ・ホシ(月日星)ホイホイホイと聞こえるので、三光鳥と呼ばれている)

 

[コースのねらい]

このコースは、低山でありながら、分岐箇所や脇道が多くあり、あちこちに多くの「道標」が設置されています。小さな手作りの道標も多く散見されますが、見過ごしてしまうこともあり、書いてあることも分かり難いものも多くあるように感じます。又、登山道の道幅は狭く、道の両側は笹竹や雑木が生い茂り見通しが悪く、尾根と沢の位置を把握しづらいルートになっていて、地味な山域です。山座同定の学習にも不向きなコースであるように思います。又、標高は高くありませんが大変複雑な地形をしているため、迷いやすいと言われています。しかし、小さな頂き(ピーク)がたくさんあり、アップダウンを繰り返す山域は、まさにアルプスの感があり、里山歩きにうってつけです。

地形図には南尾根の主要ルートの一部が表記されていなかったり、多くの分岐道も表記されていません。ですから、このような表記されていないルート(尾根道)や分岐点を、地図読みの学習を通して地形図上にその軌跡を描く楽しさがあります。又、三浦アルプスの南尾根縦走路を、新逗子駅から京急田浦駅までの約12kmを全員が元気に完歩することも大きな目標にしています。

[ポイントの設定]

地図読みに慣れるためには、できるだけ行程を短く区切って、だんだんに進んで行くことがとても大切なことです。そこで、このたびは全行程に大きく36のポイントを設定しました。具体的には、現在地確認ポイントをたくさん設定して、次のポイントまでに現れる地形を先読みすることです。それから、その一つ一つを目で確認しながら歩く、ということを繰り返して行くのです。

読む要素は、尾根であれば(今回は尾根縦走です)、@ピークの位置、Aコルの位置、B登り下りの標高差、C傾斜の緩急です。これらが読めるようになってきたら、D尾根の方向の変化、E支尾根の派生、の項目を加味していきます。

[記録]

ポイント5/市街地分岐

この分岐点には、登山口方面の標識があlません。このポイントで、これから向かう大山見晴所にコンパスの方向を固定します。皆さん真剣にトライしています。

 

ポイント8/大山見晴所

このコース一番の高度差170mを一気に登って来ました。江の島がぼんやりと見えます。ヨットの白い帆が湘南の海に気持ち良く浮かんでいます。一番のビュースポトです。

 

 

 

ポイント12(分岐) /実教寺方面と南尾根入口の分岐

実教寺へはこの分岐の広い道を真直ぐに進みますが、観音塚、乳頭山方面へは左手の斜面から尾根道に入ります。木の幹にも三浦アルプス入口、乳頭山方面へ導く案内がペンキで書かれていますが、この道は細く分かり難い。 大山見晴所標高189mからいったん110mのコルまで下り、150mのここまで登り返してきました。ここまでの道幅は比較的広かったのですが、これからは細く見通しが悪くなります。この間の80m下がり、40m登り返すという標高差を上り下りする体力の疲労度を実感し、傾斜の緩急などを読み取れるように学習してほしい。

 

ポイント13 /観音塚167m       

ポイント16 /どんぐり(マテバシイの木)並木  

観音塚のピークには大きなタブノキがあり、千手観音と刻まれた石碑と馬頭観音の石碑が佇んでいます。ここから道は二手に分かれ、右手は「バス停・一色住宅」、正面は「三国峠」とあります。手元の地図には、どこにも三国峠の場所は表記されていません。何処なのでしょう。乳頭山へと続く正面の尾根道を進んで行きます。しばらくすると鞍部に出て、ここから木の根が張り出した丸い尾根の背を登って行くと、大きな樹木が行儀よく並んで生えている高みに着きます。ここがどんぐり並木なのですが、地図とにらめっこをして下を見て歩いていた皆さんは気づかなかったようです。

                   

笹竹の回廊

手作り標識

 消防標識

 


ポイント19

その後、背の高い笹竹が回廊のようになった所を過ぎ、手作り標識、葉山町消防本部の看板などを見やりながら、少し登った所に森戸川林道終点から合流する分岐点(ポイント19)に着きました。

ここで、ほぼ同時刻に関山君と皆が合流したのです。実は、関山君は大山見晴所(ポイント8)で忘れ物をしたことに気がつきました。そこで、忘れ物をした市街地分岐(ポイント5)まで一人で戻り、森戸川の林道沿いに歩いて、林道終点から連絡尾根を登ってポイント19で合流することにしたのです。

 

林道には何組かのバードウオッチングの集団がいました。連絡尾根は、いきなり雑木林の急斜面の登りが始まります。このルートを利用する人は多くないようで、道幅は狭く木の枝を払い除けながら登って行きます。木の枝や根っ子につかまりながら慎重に登って行きました。青葉が生い茂り見通しは良くありません。携帯電話で互いの位置確認をしながら合流しました。(11:20) これまでの山行の状況を互いに確認し一休みして、更に尾根道を進みます。

 

 これからの道は、笹竹の中を通り抜けたり、アップダウンを何度も繰り返します。傾斜もあります。

だんだんと疲労をしてきました。ランチコールがでるようになり、標高200m程の細長い高みの西端に着いて昼食を摂ることにしました。(ここは、桜並木のある(ポイント24)高台の西端です)

ランチタイム

この先にある鉄塔下で予定していたランチタイムを早めてとりました。低山でありながらアップダウンを幾度となく繰り返し、見通しの効かない尾根歩きに皆バテ気味です。地図読みどころではないといった感じです。持ち寄ったフルーツや料理をいただいて、皆笑顔で会話がはずみます。

 

 

ポイント24 /桜並木

ポイント25 /鉄塔

 

ポイント28 /乳頭山

鉄塔からはいくつかの分岐を通過し、広い尾根道を進んで行くと金属網製の階段が3ケ所程現れ、最後の階段を登ると乳頭山に着きました。山頂の周囲は概ね樹木に覆われていますが、一部が開け横須賀港などを見渡せます。

 

乳頭山下山後のコースは、傾斜のゆるやかな登山道を歩いて港が丘団地を経由して京急田浦駅に向かいます。しかし、コースの途中には田浦梅園、国道16号線方面や二子山、沼間、東逗子方面に向かう登山道や旧生活道、多くの枝道があり、とても迷いやすく、その都度コンパスと地図で方向の確認をしました。手書きの標識も目につきます。道迷い事故が多発しているようで、その危険ケ所には「この分岐 要注意」という黄色の大きな標識が立てられ、登山者に注意を喚起しています。この周辺で大事な目安となるものは、鉄塔と送電線でした。こうして港が丘団地の階段上に着いた時は、ホットしました。団地内の公園に立ち寄って、顔や手を洗い、靴底を洗ったり身支度をして田浦駅に向け舗装道を歩きました。

             

・注意喚起標識 

 ・手書き標識

 

 

 

 ・駅も真近かです。港が丘団地上階段/笑顔が浮かんでいます

 

P5290163

 

 

 

[感想]

松尾和さん /湘南アルプスよりアップダウンがあり、それなりに運動になりました。時折、心地良い風が吹いて、花の香りもして、初夏を満喫しました。予定通りの時間配分に感激! ただ、私は地図は、まだよう解らん・・・

安達さん /歩きはじめは鉄塔や送電線などの目印がなく、又結構木が生い茂っていたので、いくつかの分岐では本道か支道かの違いが分かり難かったのですが、堤さんが落ち着いて踏みとどまり、コンパスで方向確認をして一歩一歩進みましたので、地形を感じながら歩けたと思いました。低山だからこそ、歩けど歩けど似たような道のりなので、地図とコンパスが大切だと思いました。

渋谷さん /最後まで無事完走できました。翌日の寸又峡が楽々でした。吊橋3本渡ることができ、SLにも乗れ充実した旅を過ごせました。

三部さん /何回も地図とコンパスを使い地図とにらめっこしながらの山行は、とても勉強になりました。コースもアップダウンがあって、楽しませていただきました。

福井さん /低山ながら、なかなか手ごわい三浦アルプスでした。関山さんの4回の下見で作られた行程表と地図のお蔭で、苦手な地図読みも何とか分かりました。時々全然間違ってましたけど・・・

地図読みハイクをもっとやりたいですね。

和久井康さん /地図読み山行は、楽しく役に立ちます。三浦アルプスは初めて行くところでしたが、起伏に富んでたっぷり訓練できました。皆さまの元気に励まされ、何とか歩き通すことができました。

吉岡さん /全く知らないところを地図を見ながら歩き、とても良い経験をさせていただきました。これからはもっと積極的に地図とコンパスを使い歩きたいと思いました。

松下さん /何度も下見をしていただき、地図読みハイキングを学ぶことができました。

渡邉美さん /どんな山行でも、地図(地形図)とコンパスは必須ですね。思い込みほど恐いものはありません。コンパス合わせて進みましょう!と、痛感している今日この頃です。

長谷川さん /コンパスの使い方を何回か根気強く教えていただき、少し苦手意識が薄れたかなという感じです。でも、記憶が持続する自信がないので、機会があるごとに復習したいです。

堤さん /迷路のなかの進路探しでした。超方向音痴の私には、楽しい道探しです。地形はとても見辛い山域でした。複雑すぎる。両脇の木が高くて見えませんでした。

関山 /私の不注意から忘れ物を取りに下山(ポイント8)することになり、ポイント19で合流するまでの間(約1時間30分)、皆さんと行動を共にできなかったことをお詫び致します。又、この間私に代わってリーダー役を務めていただきました堀井さんや堤さん、福井さんをはじめ先輩諸兄には、お礼を申し上げます。地図読みハイキングのコースとしてこの山域がふさわしかったかどうかは、[コースのねらい]と[ポイントの設定]で述べている考え方によれば、どこの山においても地図読みは必要であり、地形を読むことはどこの山でもできます。そういうことから考えると、それなりに良かったのではないかと思っています。又、堀井さんや一般参加者の山崎さんとの新しい出会いもでき、お二人を知る楽しい山行となりました。そして、全員での慰労会ができませんでしたことを、お詫び致します。皆さまに感謝を申し上げます。

 

[俳句]   人一人通れる山路風薫る

       炎天下磁石と向き合う葉山嶺

       緑陰や座して地図読む山ガール

 

 

 

 

 

 





























































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