小樽労山・夏山納会1日目/昆布岳山行記録

山行日  2018.10.20()

参加者  CL森越、SL伊吹、斉藤、辻、一條、山田、関山()

今朝の僕は心と体の調和がとれていて、「今日も元気に頑張るぞ」という気力が充実しています。東京から帰省してくる仲間のために、小樽労山の皆さんが注文をしてくれたような好天気がそうさせてくれているのかも知れません。



宏楽園のセイコーマートで森越さんの車に便乗して赤井川国道393号線を通り、京極町―真狩村―豊浦町を経由して昆布岳登山口に向かいます。途中、倶知安の手前のビュースポットで車を止めて頂上の一部が冠雪した羊蹄山やニセコ連峰を眺めて、北海道は大きいとつくづく感じました。北海道はすべてにおいて風景の大きさが本州と違います。昭文社の「山と高原地図」では、持参した「ニセコ・羊蹄山」の縮尺は1/60000で、本州の山で使っているものは1/50000と縮尺の割合が異なっています。

そんなことを感じながら、羊蹄山や尻別岳を横に見ながら前方に見え隠れする昆布岳を目指して車を進めます。ようやく集合時間ギリギリに着くと、すでに札幌から一条さんと岩内から辻さんが待っていて、マダニ対策にスパッツを装着し、マダニ忌避剤を持って待ち受けていました。本州では丹沢山塊周辺でヒル被害が多発し、「ヒル下がりのジョニー」「ヒルまず進め」といった滑稽な商品名のスプレー缶(忌避剤)が売られています。まさか北海道でマダニ対策をして登山をするとは想像もしていませんでしたが、小樽組の皆もスパッツをまとい、ほぼ全身にスプレーをしていよいよ出発です

 

入林届に記入して、辻さんを先頭に、一条さん、森越さん、斉藤さん、山田さん、関山、伊吹さんが続き歩行をはじめます。登山道には、1合目、2合目、・・・、9合目、山頂の標識がそれぞれに配備されています。はじめはカラマツ林を抜け、5合目辺りまでは根曲り竹と白樺林の展望の利かない林道をひたすら登って行きます。そして、5合目を越えて少し下がると突然刈込された広場に出て、岩稜に大きな穴の開いた「メガネ岩」が現れます。

ここで休憩をとり伊吹さんの到着を待ちます。伊吹さんは、途中途中でマダニの生息実態の調査のために、植物の葉の裏や枝などを観察しながらやって来て、生息数は少ないものの何体かを見つけたことを報告してくれました。そして、おもむろにパルスオキシメーターを取り出して僕の中指を差し込み、動脈血の酸素飽和度と脈拍の計測をはじめました。その結果は酸素飽和度96、脈拍97/分ということで、休憩していた割には飽和度は低く、脈拍数は高かったのです。
ここまで皆に遅れまいと頑張って登ってきたのが一因で、ハードな歩行により呼吸が深くできず十分に酸素を取り組むことができなかったことと、ハードな歩行が心臓に大きな負担をかけていたようです。伊吹さんはいつも「無理をしない歩行ペースとは」「高齢者の登山と心拍数の関係」「疲れない歩行に努めるために、何時でも何処でも心拍数をチェックする」などに取り組んでおられ、安全な登山に関する指標を作成されていらっしゃいます。

メガネ岩の目の中に身を置いたポーズを写真に撮って後半の登山を続けます。7−8合目は下り気味で、8合目からは傾斜が強くなり岩場もあり、9合目からは露岩帯や崩壊地もあり、細い尾根道に乗ると頂上は間近で個性的な山頂標識が目に飛び込んで来ます。頂上は360度のパノラマが展開し一等三角点が設置され、北東方向には上部が雲に覆われた羊蹄山、南には噴火湾から渡島半島、昆布岳、南東方向には洞爺湖がすぐそこに見えています。伊吹さんの到着を待って、みんなで一緒に下山しました。登り3時間下り2時間の山旅でした。

北海道を離れて10数年になる僕には、この時期のニセコ周辺の山々がどのような季節を迎えているのか分かりませんでした。初冬なのか、晩秋なのか、秋の真っただ中なのか。しばらくぶりに訪れたニセコはとてもご機嫌が良くて、快晴の秋空にたくさんの山を見せてくれました。みんなもうれしそうで、そんな素敵な笑顔を見ていると、何だか訳の分からない共通意識が生まれてきて、山にはいろんな魅力があることを再確認しました。

晩餐の酒盛りでは、皆さんが「お酒をこよなく愛し、小さなことを気にせず、平凡なことにあきたらず、人生を楽しみ心豊かに生きていらっしゃる」ことをあらためて知ることもでき、とても楽しくうれしい時間を持つことができました。皆様、いろいろお世話になり、ありがとうございました。


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