熊野古道 小辺路コースを歩きます

 

熊野古道は6ルートあり、今回の小辺路コースは高野山と熊野本宮大社を結ぶ

72qの山岳地を通る難関の参詣道です。3泊して4日の日程で歩きます。

日 時  2018324()27()

参加者  (L)得津 (SL)佐藤 (会計)福井 堤 吉岡 川田 上野 渡辺(綺)

 

コース  1日目(3/24) 晴

南海高野線橋本駅集合10:30(タクシー)⇒11:00丹生都比売神社----町石道コース】----11:35古峠----12:00二ツ鳥居----13:20笠木峠----15:05押上石----15:50鏡石----17:00高野山入口大門----17:25壇上伽藍----17:45高野山南院宿坊 (泊)

前夜発の夜行バス、当日発の新幹線と各々和歌山入りしたメンバー全員8人が橋本駅で顔を会わせました。早速リーダーが手配してくださったジャンボタクシーで丹生都比売神社へ向かいます。

 この丹生都比売神社は空海が816年に金剛峰寺を高野山に建立する際、神領を寄進したと伝えられ古くから高野山と深い関係があるそうです。高野山の入口にあたることから高野山参拝前にはこの神社に参拝する習わしがあるそうです。

 

世界遺産 丹生都比売神社にお参りして、熊野古道の無事を祈ります。

 

鮮やかな朱色の鳥居をくぐり、太鼓橋〜山門〜本殿へと進むにつれて古代からの神の領域に近づく雰囲気が漂います。残念ながら世界遺産の4つの神殿は境内の外から見るだけです。

 

 

さてこれから高野山町石を歩きます。町石道は空海が開き、慈尊院に暮らす母に会うため通った道です。町石と呼ばれる石造の五輪卒塔婆が慈尊院から高野山壇上伽藍まで一町ごとに180基約20q、壇上伽藍から奥の院まで36基約4qあります。(一町は109m) 鎌倉時代に寄進により木製だったのを石造に変えたそうです。山中に延々と続く町石に刻まれた数字を数えながら高野山を目指しました。昔の人も同じ思いで歩いたのでしょうか。それにしても参詣者に会うこともなくひたすら山中を歩きました。
900年前の町石の名前の由来の石塔に導かれて高野山に向かいます。

 

これも珍しい世界遺産の二ツ鳥居

 高野山までの山道(町石道)では(ヨーロッパ系の外国人カップル1組に会ったかな?)全くに近く人に会いません。

峠を超えると「二つ鳥居」が出現。巨大な石造の二つの鳥居が横並びの不思議な光景です。これも空海が建立したもので当初木製であったのを1649年に石造に変えたそうです。

 

町石道も国土地理院の示しているルートとはかなり違って、沢筋の道歩いていました。

 






 

 

やっと高野山の入口の大門にたどり着きました。

 

 

高野山の静かな街並みを今日の宿坊の南院に向かいます。

 

 

 

美しい根本大堂に挨拶しました。

 

 

 

 

 

 

ここで休憩と昼食タイムです。空海と母親にまつわる押上石・鏡石を越えてPM5時やっと高野山入口にあたる「大門」に着きました。ここから見どころ満載の壇上伽藍〜金剛峯寺〜奥の院へと続きます。

 

待望の宿坊での精進料理を頂きます。部屋は素晴らしく立派です。

 

 

 

 

 

高野山は、唐の都・長安から帰国した若き空海が「真言密教」を日本に広めるため816年に開創したそうです。標高850mの高野山山上は真言密教の修行に最適だったのでしょうか。空海に思いをはせて大門をくぐり、壇上伽藍に進むと中央に根本大塔がそびえています。写真でよく見るこの朱色の塔は高野山のシンボルなのか。現在のコンクリート製は1937年に建て替えられたらしい。真言宗総本山の「金剛峯寺」を横目に今夜の宿・南院宿坊へと高野町の目抜き通りを急ぎました。南院に隣接する宿坊も立派な建築物で、お世話して下さる若い修行僧?のおもてなし態度も丁寧です。夕食は襖絵のある部屋で懐石料理。お風呂はゆったりとした檜風呂。お勧めの宿坊です。高野山は高野山大学・歴史的な多くの寺院がありまさに宗教都市であることを実感し、明日訪ねる「金剛峯寺」と空海に思いをめぐらし布団に入りました。  (記録 渡辺)

 

2日目(3/25)晴 高野山〜大股集落

6:00起床 6:30南院お堂にて朝のお勤め参加8:30---出発 金剛峯寺見学----10:45薄峠  ----11:30御殿川橋----11:45大滝村で昼食----13:20スカイライン----14:10水ヶ峰15:30平辻----16:25大股 (19.5q) かわらび荘【泊】


高野山を出発する前にお世話になった南院の本堂ををお参りしました。

DSCN0293熊野古道へ出発前、宿坊の高野山真言宗南院の本堂に描かれていた堂本印象の竜の絵。迫力満点でした。

 

 

 南院前のお土産屋さんで巡礼服を購入、金剛峯寺の前で記念撮影をし、いざ熊野古道へ出発します。

 

DSCN0304スタートから曲がるべき道を曲がらず、道迷い、高野山女道から登り直し小辺路ルートに戻りました。

 

DSCN0325高野山を下った大滝集落で巡礼者の北欧ラトビアの男性単独の若者に写真を撮って貰いました。

 道迷いもありましたが、熊野古道に入り、歩き始めました。大滝集落では、一人のおじいさんがジャガイモの種イモをうえているところで、「トイレはここにあるから」と声をかけてくれました。さすが世界遺産のトイレはウオシュレットもついていました。

大滝の集落にある休憩所で昼食休憩、お茶をわかし、のんびりです。

今日も外国人単独者以外は全く巡礼者にはあいませんでした。

 

 

今日の最高点、水ヶ峰1070mにある古い道標と、かってこんな荒れた高所にあった開拓者の墓がひっそりとありました。

 水ヶ峰集落跡の由来の看板です。
野迫川村史によると、水ヶ峰は明治中期に最盛期を迎え、八戸の宿屋が軒を並べるほどの活況を呈し、特に冬になると奥州人や関東人が何十人も一晩に泊まったという。

DSCN0351ひらつじ地蔵ひっそりと2体並んでいました。大股集落までもう少しです。

 


ひらつじ地蔵から今日の目標大股まであと3q。佐藤さんは早いペースが衰えず、終始トップを行き皆を引っ張ってくれました。(吉岡)

 

 

 大股集落の上流にある「かわらび荘」に宿泊しました。

 

 かわらび荘の少し上流にある野迫川温泉で汗を流し、民宿へ戻って美味しい夕食です。

 

 

 

 

3日目(3/26)晴  大股〜十津川温泉

4:00 さわらび荘出発 4:15 大股登山口

 今日はいよいよ熊野古道小辺路コースのクライマックスともいえる大股集落から十津川温泉までの30キロ、12時間以上の道のりを歩きます。通常は2日かけて歩くところを1日で歩くので、果たして歩けるのかと不安な気持ちで出発します。

早朝の出発 大股にかかる橋にライトで浮かび上がる熊野古道小辺路の標識です

 3:00起床 かわらび荘から大股登山口まで歩いて15分。大股は川筋にできた集落でその両側は山。民家横の急坂を登り山道に入る。朝一の急坂はきついのでうつむいて無言で登る。


5:03 蓑小屋跡

江戸時代に茶屋があった場所です。昨日お風呂でお会いした大学の先生二人は私たちと同じコースを歩かれるとの事で、出発時間は私たちより1時間遅れだけど蓑小屋で追い抜くと豪語(?)していましたが、私たちのペースも快調なのでまだ大丈夫のようです。

DSCN3505

 

6:00 檜峠

朝食もとらずに出発なのでお腹がすきました。宿で作ってもらったおにぎりを食べる。

 

 

DSCN3506
檜峠でとっていなかった朝食をとる皆さん

 

歩行距離が長くなった結果、GPSルートのデーター量が多く、加工した地図が現在掲載できません。

 6:39 伯母子岳分岐

DSCN3508

伯母子岳分岐で直登すれば伯母子岳に行きますが、まだまだ先は長いので体力温存で巻いて行きます。

リーダーは行きたそうですがみんなの意見に押されて心残りそう。

 6:55 伯母子峠

本日一つ目のピークの伯母子峠に到着。まだまだ先は長いけど一つピークを越えたのでなんとなく嬉しい。みんなの顔もこのペースだと何だか行けそうという感じ!

DSCN3520

 

7:50 上西家跡

伯母子峠峠から下りになり、所々幅が狭くなっているので慎重に下ると開けた場所に出ました。

昔は旅籠で大勢の人で賑わっていた上西家跡です。こんな山奥で畑も作り、馬も往来していたそうです。今は何も残っていませんが目をつぶり風を感じていると昔の賑やかな様子が走馬灯のように見えてくる場所です。

 

8:40 水ケ元茶屋跡

 弘法大師象がありました。小辺路には立派な神社やお堂はないけれども、庶民の道として石像や茶屋があり高野山から熊野を目指す旅人の楽しみだった事が判ります。

DSCN3521

9:40 待平屋敷跡

ここまでの下りは石畳で結構急で歩きづらかったです。

DSCN3540

 

10:15 三浦口

通常はここで1泊するらしいですが、宿が取れず十津川温泉まで歩く事となりました.

 

10:50 三浦口登山

石畳道を登り三浦峠へと向かう。

.

民家の脇を通り抜け、吉村家跡に着く。

杉の巨木は防風林らしく樹齢500年前後で昭和23年まで人が住んでいたらしいです.今は苔むして年月を感じさせます

DSCN3547

DSCN3566

 

12:08 三十丁の水

三十丁の水で一息ついて、昼食タイム。三浦峠を目指します。12:30出発

 

13:16 三浦峠

 標高1060mの三浦峠。標高差700M程を登り、今日二つ目のピーク達成。後は西中バス停まで距離は長いが比較的緩やかな下りとなります。古矢倉跡・出店跡を通り矢倉観音像です。

DSCN3571

 16:05 西中バス停

 ようやく西中バス停に到着。足の裏が痛くて靴を脱いでしまいました。

LSLは全行程を歩きたかったようですが、女性陣の断固たる猛反対にあい、宿に送迎を頼みました。
車が来るまで車道を歩きました。

 

 

川沿いには桜・木蓮が満開で春爛漫でした。車に乗って宿までの道のりは長かった!

とても歩いていたら何時に着いた事やら。

若しかしたら途中でバテテ歩けなかったかも。それ位疲れていました。車で宿まで行けて良かった!!

お風呂に入って食事。ビールが美味しかったです。

明日は最終日。お天気も良さそうだし、何て言ったって歩く時間は6時間、今日の半分。楽勝だね。   

とは言え、4時起きで5時出発なので早々に寝る事にしました。

 

 

 

4日目(3/27) 十津川温泉〜熊野本宮大社

5:00 果無峠登山口  いよいよ最終日、果無峠から熊野本宮大社を目指します。

DSCN3582
登山口 暗闇の中からツアーの一行が現れました。

登山口には、ツアー客が11名程いました。後からわかった事ですが、このツアーのガイドは元会員のWさんの部下でした。急な登りの石畳道を登り一息ついた所で十津川集落が見えました。

DSCN3586登るにつれ、夜が明けて来ました。十津川の先の山脈は奥駆け道でしょう。


果無集落入口の石畳のみちです。

6:00 果無集落

DSCN3595

 果無(はてなし)って読めますか?

すごい地名ですね。昔は陸の孤島だったのでしょうか?

今回の熊野古道では果無集落を楽しみにしていました。

今年は花の時期が早く水仙・桃など春爛漫でしたので、果無というイメージはあまり感じられませんでした。田植え時期も良さそうですね。

 

 

DSCN3592

 

8:22 果無峠

 途中、天水田跡で朝食を取り、観音堂の水場で喉を潤して果無峠に着きます。このコースは西国三十三の観音様の30番から1番までを拝む事が出来ます。それぞれ表情も違ってますので見るのが楽しみです。ちなみに果無峠の観音様はこれです。

 

 

DSCN3610
今日の果無峠越えルートには西国三十三ヶ所の三十三の石像が立っていました。

 


 

9:51 三十丁石を少し下ると和歌山県本宮町を望めた。

 11:10 八木尾バス停

11:40 道の駅 残念本日定休日でした。

 道の駅でアイスクリームを食べるのを楽しみにしていたのに火曜日は休館日でショック!仕方なく持っている食料を食べる。美味しい物が食べれなかったのもショックだけど今日もきついのは想定外でショック!熊野本宮大社まで長い。

13:00 三軒茶屋跡

国道を歩き、中辺路と合流して熊野本宮大社へと向かう。住宅地を抜けて歩くと鳥居が見えてきます。

14:00 最終地点の熊野本宮大社に到着です。


熊野本宮大社の前でめいめい撮影です。

 


 



 熊野本宮で大学の先生二人組に会いました。追い抜かされる事はなかったのでどうしたのかと思っていましたが、私が何処かで置き忘れたボロボロの手袋を大事に持っていてくれて恐縮してしまいました。

帰りは、当日新幹線で帰京・夜行バスで帰京・もう一泊して旅を満喫する組と分かれました。

4日間、天気に恵まれ桜の満開時期にも当たり、とても思い出深い熊野古道でした。大変でしたけど、第2回目、3回目と続く事を楽しみにしています。

リーダーの得津さん、ずっとトップを歩いて皆を引っ張てくれた佐藤さん、皆さん、有難うございました。又、一緒に熊野古道を歩きましょう!(34日目:福井記)

 

 
































































inserted by FC2 system