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白山(美濃禅定道を行く)

日 程:726日(金)~28日(日)

参加者:山口(L)・飯嶋(SL)・松平・三戸(記)

 

富士山、立山と並び日本三大山岳信仰の一つである霊峰白山を平安時代に開かれたとされる修行道のうち、最も距離のある「美濃禅定道」にて23日の行程で山行しました。あいにく台風6号の暴風雨の中での厳しい山行となりましたが、さすが「花の山・白山」の名に恥じず霧中の百花繚乱を楽しむことが出来た山旅でした。

7/26・第1日目】

634品川~名古屋~美濃太田~長良川鉄道にて1151美濃白鳥~1300タクシーにて白鳥白山神社経由石徹白登山口~1530神鳩ノ宮避難小屋(泊)

 のどかな一両編成の長良川鉄道の車窓からアユ釣りを楽しむ大勢の釣り人を見ながら美濃白鳥駅に着く。

長良川鉄道の車窓から臨む長良川の美しい清流 

 

 

そこからタクシーで石徹白登山口に向かうが、途中美濃禅定道の出発点である「白鳥白山神社」に立寄り無事を祈願する。折しも白衣の(美人?)巫女との会話が弾み、これから白山奥宮へ向かうと言ったところ「御札を差し上げますから是非奥宮へ納めて欲しい」との事、喜んで受取りこれで神のご加護のもと山行できると勇んで出発する。

 

禅定道とは、禅頂(山頂)に登ぼるまでの山道を言う。
禅定道の起点は修行の起点でもあり、白山信仰の禅定道の起点の一つ白鳥白山神社にお参りし、白衣の巫女より御札を預かる。

 

 

 

登山口から階段の急登が始まり、やがて天然記念物である「イトシロの杉」を右に見ながら、今宵の宿「神鳩ノ宮避難小屋」を目指す。到着した避難小屋はログハウス風の小奇麗な小屋で貸切り状態、設備も整い快適そのものである。夕食の後、気になる台風情報を調べるもスマホは受信できずラジオからも当該地域の情報を得ることは出来ない事から東京出発時の天気予報である27日曇り一時雨、28日晴れを信じて就寝する。

1日目は立派な神鳩ノ宮避難小屋に泊まりました。

 

 

 

 

7/27・第2日目】

330起床430神鳩ノ宮避難小屋発~530銚子ケ峰~830三ノ峰避難小屋~1030別山~御舎利山~油坂の頭~1330南竜山荘着

朝食後、夜中雨音を聞いていた事から早めに雨具を着て避難小屋を出発する。雨はまだ降っていなかったが風がかなり強い。これは明らかに台風の影響かなと思いつつも雨具の蒸し暑さからは解放され、調子よく銚子ケ峰を超える。ところが一ノ峰を超える頃には雨が降り始め、二ノ峰、三ノ峰避難小屋に着いた時には暴風雨状態となってしまう。本来三ノ峰山頂からは別山~白山主峰部までが一望できる好展望台の筈だが望むべくも無い。

 

三ノ峰避難小屋では強風と雨

 

早々に三ノ峰避難小屋を出て別山に向かうが雨足強く横殴りの雨粒が顔面を叩く。稜線に出ると東側から吹き上げる突風で思わず吹き飛ばされそうになり、緊張の連続である。西側面に回り込むたびに一息つき、雨のなか立ったままで昼食のパンをかじる。頬を伝うは雨か涙か、萎れた気持ちでふと見るとガスの中一面に広がる別山平のニッコウキスゲのお花畑である。そのうちに見事なコバイケイソウの群生、また黒ユリも見つける。

暴風雨の中、ニッコウキスゲの登山道を進みます。

 

 


 

お花オンチの私ですら何かホッとして頑張りなんとか別山に辿り着く。

別山神社の祠にお参りし、此処まで来ればあと半分、下り道で南竜山荘だと言い聞かせながら疲れた体に鞭を打つ。暴風雨の中、御舎利山を通過し右手に天池を見ながら油坂の頭から油坂を下る。


 

別山頂上にたどり着きました。

 

 

ドンドン下り着いた後、朝からの豪雨で水嵩を増した渓流を恐々として渡河する。対岸から南竜山荘まで最後の登り返しにかかるが登山道が滝のように流れ落ち、極めて歩行困難、靴の中もズブ濡れ状態と成ってしまった。やがて先頭を行く松平さんから「小屋が見えるよ!」の声、まさに地獄で仏とはこのことか、残る力を振り絞り這う這うの体で南竜山荘に辿り着く。時刻は午後1時半、早朝4時半に神鳩ノ宮避難小屋を出て実に9時間の行程であった。

南竜小屋です。暴風雨の中、9時間、体力気力を振り絞って歩き通しました。

 

 

厳しい条件にも拘わらず標準タイムに30分遅れで到着できたことは山口(L)の指導力のお陰と感謝する。悪天候にも拘わらず山荘は満員で乾燥室は大混雑、ホールの石油ストーブを囲む席を確保し濡れ物をひたすら乾かす。夕食後、部屋に戻ると65Lのザックを背にした地元山岳ガイドと相部屋となり“白山談義”となる。なんでも花名にハクサンが付いた花は20種類以上に及ぶとか、その内明日は何種類見れるだろうと期待に胸膨らませ夢路につく。







7/28・第3日目】

400起床500南竜山荘発~室堂ビジターセンター~奥宮~黒ボコ岩~甚之助避難小屋~砂防新道を経て1145別当出合着1230発バスにて金沢~新幹線かがやきにて2023東京着

翌朝、風は収まるものの雨足は相変わらず強い。南竜山荘を出発し御前坂を一歩々登り室堂に向かうが妙に足が重い。通常朝一番は脚が軽いものだが余程昨日の疲れが残っているのだろう。

 

南竜山荘から雨の中、昨日の疲れが残り苦しい御前坂を登り、漸く室堂に近づいて来ました。

 

 

 

 2時間ほどかけてガスに曇る室堂ビジターセンターに着く。一息ついた処で目の前の奥の宮に、一昨日白鳥白山神社の巫女から託されたお札を納に行く。悪天候にも拘わらず無事お札を収めることが出来たのも神のご加護の賜物と手を合す

標高2448mの室堂ビジターセンターには雨の中多くの登山客で溢れていました。

 

 

 

コバイケイソウ

クロユリ

ニッコウキスゲ

計画では室堂から更に上に登る予定だったが濃霧で先が見えず、ここで打切り下山を決め奥宮を立つ。黒ボコ岩に至るまでを阿弥陀が原というが、ここが昨夜の山岳ガイド一押しのお花畑である。道の両側一面に、ハクサンコザクラ、ハクサンイチゲ、ニッコウキスゲ、クロユリ等々が赤、青、黄、白らに咲き乱れ、なかでも今年は当たり年で9年に一度しか見れないと云うコバイケソウの群生は圧巻である。

室堂~別当出合間の登山道は花の季節と日曜日が重なり、雨にもかかわらず登りも下りも登山客で溢れている。昨日1名しか出会わなかった美濃禅定道とは大違いで道も整備され非常に歩き易い。小さな子供連れも多く見られ登山道で迷子が出る始末である。さしずめ東京での高尾山の感覚であろうか。


 

やがて長い吊り橋を渡り、鳥居をくぐり別当出合のバス停広場に着く。鳥居をくぐった辺りから急に空が晴れ真夏の暑い太陽が差してきた。

 

別当出合に到着し、厳しかった禅定道の山行を終えました。

バスで金沢に出、駅前スーパー銭湯で汗を流し、近くの居酒屋で地元加賀冷酒と旨い肴に舌鼓を打ちながら厳しくも素晴らしい感動にあふれる白山山旅を終えた。(三戸)

 

 














72610:57長良川鉄道車窓から長良川

201972611:19長良川鉄道郡上八幡駅


72612:05長滝白山神社


72612:12神主さんに石徹白から白山に行くと話したら白山奥宮に納めるお札を書いてくれました.

72613:07石徹白登山道入り口にある案内板。長滝白山神社にある案内図とほぼ同じ。


72613:23 美濃禅定道の始まりです。石徹白大杉まで400段の石段。


72613:26振り返ってみるときれいな石段。


72613:34石徹白大杉

72613:35石徹白大杉の前で

72613:48整備された道。

14:12

72614:53おたけり坂の急登が始まります。


72615:01雨宿りの岩屋、どうやってはいるのでしょう?

72615:00雨宿りの岩屋。

72615:14 野伏ヶ岳

72615:01 かむろ杉。


72615:32今夜のお宿神鳩の宮避難小屋到着。窓ガラスに小屋の近くでの排泄禁止の貼り紙


72615:36小屋の前に水場の案内。5分で水場。











7275:09母御石、案内標


7275:09母御石。


7275:31銚子ヶ峰



7275:35銚子ヶ峰三角点



727日一ノ峰



7276:43 一ノ峰


7277:27  二ノ峰




7278:07 イワカガミ



7278:10 赤兎山へ



7278:12三ノ峰避難小屋では強風と雨



7279:03雨に濡れたニッコウキスゲの色が鮮やか。



72710:53コバイケイソウが雨の中



72711:00チブリ尾根分岐



72711:06ニッコウキスゲの中を行きます。


727日南竜山荘への道



727三ノ峰







7279:09猛烈な雨と風の斜面から風下に入り一息ついて




72711:00別山頂上標ここから頂上は猛烈な風雨


727強風の別山山頂にて



72711:10 チブリ尾根分岐



72713:01赤谷の渡渉地点が見えます。




72713:25南竜山荘が見えてきました。



72713:39 南竜山荘に着きました。







7286:25トンビ岩



7286:29室堂ビジターセンターへ間もなく



7287:57室堂ビジターセンター近くのクロユリの群生地







7287:59コバイケイソウは小さな花の集まりなのですね。



7288:10室堂ビジターセンター



7288:38弥陀ヶ原



7288:45ダイモンジソウ



72811:38別当出会いはもうすぐ



72811:45別当出合のつり橋を渡ればバス停留所



72812:11別山出合到着





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