冬の金峰山縦走

日 時:2019.122021

(一日目)12/20 晴れ 行動時間5時間50分  

730塩山駅―(タクシー)―900柳平林道ゲート―1450大弛峠(大弛冬期小屋)

(二日目)12/21 曇のち晴れ 行動時間9時間10

510大弛小屋―550朝日峠―650大ナギ(朝日岳付近)―810露岩(鉄山付近)―840金峰山頂上―900五丈岩―940千代の吹上―1040砂払ノ頭―1200大日岩―1234大日小屋―1320富士見平小屋―1420瑞牆山荘―(立寄り湯)―1715韮崎駅

尾瀬の集中山行以降、縦走スタイルの良さを改めて認識し、出来るだけ自分自身の山行にも縦走スタイルを取り入れたいと思っていました。

候補地は奥秩父。佐藤さんと何度かやり取りし、金峰山から朝焼けを見たいという僕の希望を取り入れた縦走プランを検討しました。

今回は、塩山側の川上牧上林道の柳平から入山し、途中、大弛冬期小屋を利用し、瑞牆山荘に下山するという28qのロングコース。静かな山旅が期待できます。




12/20
夜行バスとJRを乗り継ぎ塩山駅で佐藤さんと合流し、早速タクシー乗り込み柳平ゲートへ。一昨年歩いた石楠花新道を登り、国師ヶ岳を経由するルートも有りますが、時間的なことと石楠花新道の雪の具合が分からない事もあって、今回は安全に、この林道を歩くことにしました。それでも柳平から大弛峠までは15q。標高差約700m。重量ザックを背負っての林道歩きは、体に堪えます。

大弛峠への長い林道歩きのスタートです。冬期通行止めゲートをよけて林道に入ります。

 

林道を上がるにつれ南アルプスの連山が手にとるように見えます。左から北岳、鳳凰三山、仙丈ケ岳、甲斐駒と素晴らしい山々が林道歩きを楽しませてくれました。勿論誰にも会いませんでした。


 

 

大弛峠に近づくにつれあの個性的な金峰山五丈岩がすっくと青空の中ににありました

 


しかし、車一台通らない林道は静かで、青空の下、新雪を被った金峰山を見ながら、のんびりと歩くのは、決して悪くは無いなと思いました。6時間歩いてようやく着いた大弛峠に、雪は殆どありませんでした。

大弛峠手前の凍結した林道

 


 

 

朝日岳2579mも白く薄化粧をしています。


 

冬期小屋の入口は小屋の脇にあり、扉の建付けが悪く、ただ置いてあるだけという扉はきちんと開閉しませんでした。

雪の寂しい大弛小屋

 

 

山小屋と言っても、土の上に床板を敷き詰めただけで、冷え込みが厳しく、床の上にツエルトを張りました。湯を沸かし、夕食を作り始めたのですが、佐藤さんが「ツエルト内が全く温まらないなあ。普通なら、ガスを付けると、暑くなるくらいなのにね」と言うくらい、この小屋の寒さは尋常ではありませんでした。起床は3時。遅くとも4時30分に出発するために、19時に就寝しました。

 

寒気が床から吹上がる室内に各自ツェルトを張って寝る準備をしました。

寒さ対策に、部屋の隅に積まれていた黴臭くて冷たくなった毛布何枚かを、ツエルトの下に敷きました。寝袋に入って間もなく、あまりの寒さに、とてもこのままじゃ眠れないなと思い起き上がりました。「佐藤さん」って声を掛けて見ましたが、返事が無かったので、佐藤さんはこの寒さの中で眠れたのかなと思いました。こうなれば仕方ない、有るだけの毛布全部をツエルトの下に敷き詰め、出来るだけ床下からの冷気を遮断して、寝ました








12/21 翌朝、寒くて朝方寝付いたため、予定より1時間遅れ、5時に小屋を出ました。金峰山までのコースタイムは2時間。到着予定時間は7時を過ぎる。日の出には間に合わなくても、朝焼けに間に合うかどうかと言った所です。まあ、時間に追われずゆっくりと雪山の歩きを楽しみましょう!と言うことで歩き出しました。 上空の風は強く、樹林の中に少し雪が舞っていました。夜が明けても、周囲は霧で視界はほとんどありませんでした。積雪はさほどでも無いのですが、凍っている箇所も多く、アイゼンを付けました。



途中、朝日岳や鉄山を通過する際に、遠い記憶では、有ったと思った標柱を見落とし、地図を見ても確かな地点がよく分からないくらい不明瞭な視界でした。

霧の朝日岳山頂で記念撮影です。

 

 

 

 

相変わらず濃い霧の中を歩きました。


 

 夏なら簡単な道も、露岩地帯はコースを確認出来ず、何度か軌道修正して、8時40分、ようやく金峰山の山頂に着きました。


予定より1時間40分遅れての登頂です。

金峰山山頂2599mの標識の前で記念撮影です。

 


金峰山山頂の霧の五丈岩は霧が晴れ、見る見る眼前にその巨大に雄姿を見せました。

 

 

雲が流れ、瑞牆山を眼下にし、八ヶ岳から北アルプスまで見えました。

相変わらずの視界不良。風も強くなっています。ほんの数メートル先の五丈岩も霧で見えず、たまに霧が薄くなって、ぼんやり見える程度でした。ここで長居することも無いので、下ろうとなった時に、一瞬、八ヶ岳方面の霧が風で飛ばされ、八ヶ岳と太陽光が雪に射し込んだ黄色い北アルプスが見えました。

すると見る見るうちに、南アルプスと富士山方向も見えだしたのです。

「佐藤さん!見えたよ!こっちこっち!」山頂エリアで走り回り、思う存分、山岳景観を堪能しました。もし予定通り7時に登頂していたら、この景観は見ることは無かったでしょう。

 

富士も姿を見せてきました。

 

霧の晴れた五丈岩付近より記念撮影です。

 


 

 

北アルプスを背に素晴らしい樹氷です。


 

今回、佐藤さんに声掛けし、実現した金峰山縦走。

主脈縦走路から派生するいくつかのルートを確認出来たことも今回の収穫です。

金峰山を雄姿を惜しみながら下山しました。

 


 

 

大日岩より奥秩父の景色を味わいます。


 

大日岩から見る鷹見岩です。富士見小屋から北にある瑞牆山荘に対し、南にある岩峰です。来年は登りたい。

 

 

 

富士見小屋です。
ゴールの瑞牆山荘までの輻輳した急坂の道は落ち葉で分かり難い。

その一つが水晶峠から御室小屋を経て金峰山へ登り詰めるルートです。昔の修験道として使われたルートで、昔、佐藤さんは登ったそうです。さすが峠に思いを馳せる佐藤さんが好むルートだなと思いました。今もそのルートが存在するか含めて、今度、佐藤さんと一緒に確かめて見たいと思っています。(記録 得津)

























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