鹿島槍ケ岳(2889?



来る820日よりの奥穂高山行に備え、3000?級の山に慣れておこうと梅雨明けの翌日から後立山連峰の盟主「鹿島槍ヶ岳」を目指した。
南峰・北峰が吊尾根で結ばれた双耳峰の鹿島槍そのものも素晴らしいが、絶好の天気のもと、そこから見渡す剱岳はじめ立山連峰の大パノラマは正に北アルプス醍醐味そのものであり、心に焼き付けることが出来た。

 

日 時:2021717日(土)〜19日(月)

参加者:渡辺綺(L)福井(SL)堤・関山・高田・松下・三戸

 

《第1日目》晴れ

700新宿発あずさ1号―938松本―1054信濃大町-TAX1140柏原新道登山口―1310ケルンー1650種池小屋(泊)






満席のあずさ1号で松本に向かい、JR大糸線に乗り換え信濃大町からジャンボタクシーを利用、柏原新道登山口に到着した。

梅雨明け第1日目でお天道様が頭の上からガンガンと照り付ける。柏原新道を少し登るだけでコロナ待機で鈍った体から一斉に汗が噴き出す。水2Lを用意しこまめな水分補給と塩分タブレットを舐めながら歩を進める。この新道は種池山荘二代目管理人の柏原氏が半世紀前に苦難の末、開拓した登山道で北アルプスの中でも最も登りやすい道の一つとガイドブックにあったが、とにかく暑い!暑い! モミジ坂の急坂を経てケルンのある処に出る。

初日は種池山荘に世話になりました

ふと見上げると稜線に今宵のお宿、赤い三角屋根の「種池山荘」がもう見えるではないか!? あと少しと思いきやそこからが長い、暑い!あまりの暑さに熱中症状態のT氏の頭にベテランT嬢が冷たい真水をぶっかける。マリア様から洗礼を受けた幼子のようにこれで見事活きかえったが、その時喫煙したタバコの効果かどうかは定かでない。雪渓に頭を突っ込んで冷やすなど、ほうほうの体で標準タイムをはるかにオーバーして漸く種池山荘に到着する。まずは小屋前のベンチで立山連峰を肴に飲むビールの味は最高であった。我々7人個室でゆっくりと疲れを癒し、明日の鹿島槍登頂を夢に20時には眠りに就いた。 (記:三戸)
種池山荘脇のコバイケイソウの群落
種池山荘を出ると剱岳・立山連峰が良く見えました。
鹿島槍ヶ岳南峰2889.1m
快適な稜線歩きに昨日とは打って変わって口数も多く写真タイムの時間も多くなった。足取りも軽く爺ケ岳の南峰にほどなくして到着。中峰からは富士山が綺麗に見えた。北峰に向かう途中で、突然けたたましい鳴き声と羽ばたく音がしたので見ると雷鳥が必死に飛んでいる。何事かと見ると周りを猿が取り囲んで雷鳥を襲おうとしている。いつものんびりと餌をついばんでいる雷鳥しか見ていないので、自然界の厳しさを垣間見た気がした。その後どうなったかは解らないが無事でいて欲しいと願うばかりです。

稜線脇のシャクナゲを見ながら順調に歩を進め、冷池山荘に到着。荷物をデポして鹿島槍ヶ岳南峰・北峰を目指す。布引山手前ではキヌガサソウや一輪だけ咲いていた黒ゆりが見られた。
南峰からは剱が間近に見られ、キレット小屋も眼下に見えるがすごい所に建っているなと改めて思う。
鹿島槍ヶ岳北峰2842m

いよいよ今回の核心部の北峰に向かう。最初の下りが怖く感じる。コースタイムは25分となっているが見た感じではとても無理ではないかと思う。滑落しないように慎重に下り、やはり1時間近くかかって北峰に到着。




振り返って南峰を見ると迫力ある山容の姿。帰りは登りになるので怖さも軽減して歩きやすい。無事に南峰に到着してあとは小屋に戻るのみ。布引山を過ぎて、行きは気が付かなかったがキヌガサ草の近くでサンカヨウの花が咲いていた。

 もう少し少しと思いながらなかなか着かない小屋に到着。ここも7人個室で快適でした。待ちに待ったビールを飲み、明日は帰るだけなので楽な気分で夕食を食べ、明日も晴れを期待して就寝となりました。(記:福井)



《第3日目》晴れ

400起床―500朝食-540出発―635爺ヶ岳北峯―700爺ヶ岳中峰(巻道)―720爺ヶ岳南峰―805種池小屋-1030ケルンー1150登山口-1230薬師の湯―1543信濃大町発直通新宿行あずさ乗車

 双耳峰を二つともに踏破し、今朝はゆとりの気分も出て、小屋での朝食。高級ホテル並みに気配りがあるスタッフの給仕で、気分よく朝ごはんを食べた。

幸か不幸かガスが立ち込め、一層ひんやりして心地良い。稜線の美しさは昨日堪能した。最後まで慎重に歩こう。今日も先頭を行く福井さんは、遂に後にも目が付いたようで、絶妙なペース取り。平日にも拘らず入山者も多く、互いに雷鳥情報を伝え合う。

爺ヶ岳2峰は巻道を取ったせいか順調に種池山荘に到着。リーダーはここで下山口までタクシーを予約する。1200mの下りは、50代では楽々だったが、今の私には長く感じる。ガスも晴れ、直射日光が注がれ、又しても暑い。雪渓が2日間で小さくなって、2mくらい上に小屋の方がスコップで雪を切り出し、新な道を作っている。やっとケルン到着。このコース、2回リーダーをしている綺子さんの予定ぴったりに登山口に着いた。待ち受けるタクシーで、薬師の湯へ。さっぱり気分で恒例の愉快な反省会を行った。(記:堤)

関山さん俳句
「旅三日コバケイソウ咲きいそぐ」 
「鹿島槍二つの峰も朝焼くる」



最後に雷鳥を初めて見て大感激の松下さんより以下感想文です。
「今回の山行は、久しぶりの泊まり、ベテランの皆さまについて歩けるか?2回目のワクチン接種後、一日おいての出発と気になる事が幾つかありましたが、お陰さまで無事に登り、下山できました。初雷鳥にも感激でした。猿に追われてる雷鳥、飛んでる雷鳥、餌をついばんでいる雷鳥とたっぷり見ることが出来ラッキーでした。コバイケソウの群生も見事でした。お天気に恵まれ、ベテランのメンバーと楽しく歩く事が出来ました。リーダーの渡辺(綺)さんサブリーダーの福井さんお世話になりました。有り難うございます。感謝です。」

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