白馬岳」山行報告

猿倉ー大雪渓ー白馬岳ー雪倉岳ー朝日岳ー蓮華温泉
【日程】2023720()/夜行バス〜724()

日本三大雪渓の一つ白馬大雪渓から白馬岳を目指し、苦しくも雪渓の登りを終えると、色とりどりのお花畑が迎えてくれました。白馬岳からも稜線上にお花畑や雪渓に出会えたこの縦走コースは、3つの県境を歩く「日本版ツール・ド・モンブラン」のような雰囲気を楽しむことができました。白馬山荘、朝日小屋などの北アルプス随一の個性的な山小屋での宿泊を楽しみました。立山、剣岳、槍・穂高連峰の大パノラマや雷鳥を見るチャンスにも恵まれ、縦走後は蓮華温泉でゆったりと疲れをとりました。全長30km、歩行31時間、累積登り3029m、累積下り2806mの花園を巡る山旅のご報告です。(参加者:L関山、SL三戸、堤、牛嶋、穂積)







【前日7/20】 晴れ(記:三戸)

≪行程≫7:35新宿―バスー12:40白馬駅(昼食)―14:00民宿かしわばら泊











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12時過ぎ今日の宿の手前に「そば処松庵」を見つけ、天婦羅蕎麦に舌堤を打った。

新宿バスタより7:35発白馬八方バスタ行き高速バスに乗る。12時過ぎ終点手前に「そば処松庵」を見つけ途中下車する。天婦羅蕎麦に舌堤を打った後、松本のソウルフード「牛乳パン」を近くのスーパーで購入、民宿「かしわばら」の迎車にて宿に着く。

スキー宿なので我々以外1組のみの客数で、明日からの本番に備えゆっくり就寝する。




【第1日目7/21】 曇り時々晴れ(記:三戸)≪行程≫
6:30
猿倉荘―7:50白馬尻小屋―11:40岩屋跡(昼食)12:2012:40避難小屋―14:15白馬岳頂上宿舎―14:50白馬山荘泊

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猿倉荘前








3時半に起床、準備を整え4時40分朝食を摂り民宿の車にて送ってもらい、前日夜行便で到着の穂積さんと猿倉壮前で合流する。

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ようこそ大雪渓へ」と書かれた大看板前で全員写真を撮る。









猿倉荘からはゆったりとした林道を歩き、御殿場からゆるい登りの山道を辿り白馬尻に着く。少し行くと「おつかれさん! ようこそ大雪渓へ」と書かれた大看板前で全員写真を撮る。
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大雪渓をスタート










いよいよ鉢の木大雪渓、劔沢大雪渓と並ぶ日本三大雪渓の一つである白馬大雪渓に挑戦だ。ヘルメット、サングラス、軽アイゼンを装着しWストックにて広大な大雪渓に足を踏み入れて行く。見上げるとまるでアリの行列のように多数の人が登って行くのが見える。
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大きなクレパスや落石に注意しながら、雪渓上に記された赤いベンガラマークを辿り一歩ずつ足を進めていく。下界では災害級の猛暑といわれているが、雪渓上はまさに天然のクーラーボックスの中にいるようなもので、休憩で立ち止まるとヒヤッと冷たさを感じるくらいである。雪渓の上部、葱平あたりで秋道に入り軽アイゼンを外しホッとしながら昼食を摂る。コンロでお湯を沸かし食べるカップラーメンは暖かく、歩き疲れた体に安らぎを感じる。
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花畑








今年は雪が少なく、本来この辺りからあるという小雪渓のトラバースも見られない。代わりに白馬を代表するウルップソウをはじめ、沢山の高山植物が拡がるお花畑の間を縫って岩稜帯の登山道をゆっくり登って行く。
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頂上宿舎から白馬山荘を目指します










登り始めて約6時間半、ここでも疲労から足の攣った仲間の荷物を、軽々と引き受ける新入の穂積さんの存在が光る。避難小屋を過ぎ稜線上に頂上宿舎が見えてからもなかなか着かない。
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白馬山荘に着きました










ようやく頂上宿舎を経て、後ひと踏ん張り、まるで大要塞のような日本最大級の山小屋白馬山荘に辿り着く。案内された部屋はグループ一部屋八畳敷、その名も「ウルップソウ」だった。本日の無事健闘を称えあい、煮込みとハムの夕食を肴にビールで乾杯し第一日目を終えた。





【第2日目7/22】 曇り時々晴れ(記:穂積)
。、、、、、、、、≪行程≫白馬山荘4:455:00白馬岳頂上―5:55三国境―7:25朝食(鉢ヶ岳付近)8:20雪倉岳避難小屋―9:35雪倉岳頂上―10:30頃雷鳥親子に遭遇―12:00頃最初の水場付近で昼食―13:30水平道分岐―15:40朝日小屋到着

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白馬岳頂上です。ご来光拝みたかったが雲にかくれて見ることが出来なかった。





3:30起床、各自自炊ルームにて軽くモーニングを取り、4:45山荘出発

白馬岳頂上でご来光拝みたかったが雲にかくれて見ることが出来なかったが遠くに雄大な剱岳、立山三山、槍ヶ岳等が朝日で赤く浮きでるのを見られ一同感動した。

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登って来た白馬岳の背面に剣、穂高が見えます

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雪倉岳山頂




雪倉岳頂上すぎザレ場を過ぎたころ雷鳥の親子と遭遇し先頭の三戸さん感激の余り声につまる。
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朝日小屋ディナー





15:40朝日小屋に到着し名物女将に遅いと叱られ、明日の出発を早めろと助言される。

夕食は、メインが醤油ラーメンでとても美味しかった。また、押し寿司、炊込みご飯を明日のため購入したがそれも大変美味しく3日目の行動を助けてくれた。

一同疲れのためか19時前には皆夢の世界に入った。  



【第3日目7/23】 朝日小屋から蓮華温泉 早朝霧後晴れ 白雲立ち上がる(記:堤)
 ≪行程≫行動時間11時間27分(休憩2時間40分) 距離11.7km ↑758m ↓1434

小屋発4:20・・・水平道分岐4:32・・・朝日岳山頂5:405:55・・・吹上のコル6:28・・・水場8:158:20・・・五輪の森8:50・・・花園三角点9:40・・・白高地沢橋ランチ11:3012:00・・・瀬戸川橋13:38・・・兵馬ノ平14:35・・・分岐15:17・・・蓮華温泉15:43

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朝日小屋出発







朝日小屋の朝は早い。私達は3時半起床、4時半出発。玄関脇にはお湯、お茶、飲み物が用意されている。辛口だが、小屋の主人の優しい気持ちが伝わる。サアッ最後の一日がんばるぞ!!
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朝日岳山頂





今日も先頭三戸さんは、霧に包まれた薄暗い道を的確に探し、ゆっくり進む。30分に一回5分程の休み、予定通り1時間半で山頂到着。
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空も晴れ上り朝日に輝く残雪のわきを快適に下る。

吹上のコルで栂海新道への道を分ける。私は今回ここからが初めての道だ。五輪尾根。初めは五輪山裾のトラバース道。花いっぱいで、花園三角点という素敵な名前の所もある。
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ところがところが、地図で見るのとは違い、とにかく小さいが急なアップダウンの連続。その上、中小の沢が入り込む。記録係として、8本くらい数えたがついにギブアップ。思いがけないハードな道に五輪ではない、ご臨終尾根だと、おやじギャグ。山奥に何でこんな立派な橋がと思われる白高地沢まで5時間の大奮闘。橋のたもとでゆったりランチをして息を吹き返しました。
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瀬戸川橋






ひっそりした瓢箪池を樹林の間に眺め、黙々と下りる。第二の鉄橋、瀬戸川橋を通過。

 ここを最低点として急な登りが始まる。覚悟していたとはいえ、下山日の最後の登り返しは堪える。でも穂積さんの標高が下がって昨日より楽だと言う元気な声に励まされた。

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兵馬の平





兵馬ノ平の湿原地を過ぎると、温泉までは間もなくだ。タイムキーパーの牛嶋さんの予定時間はここに来て良く当たる。昨日11時間かかったグループは、今日のコースを12時間見ておくように朝日小屋主人にきつく言われて緊張したが、ここらで目途が付きホッとする。
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蓮華温泉 酒盛




吹上のコルからの行程は天空のお花畑、沢の渡渉、困難なトラバースと、まるで天国と地獄が交互に来るような道だ。そして古い木道が続く。乾いて滑らなくてラッキーだった。
念願の蓮華温泉に無事到着!! 

若い2名の男性は露天風呂へ。残りはうち風呂へ行き3日間の汗を流す。夕食のビールの美味しい事!!食後は、12畳もある個室で、大酒盛、昭和レトロな居酒屋に潜り込んだかと錯覚するような、男たちのバカ話が楽しい。



【第4日目7/24蓮華温泉から帰京 晴れ(記:堤)
≪行程≫温泉発9:40バス乗車 11:15糸魚川駅着 11:48はくたか560号 東京着13:52





4日ぶりに明るくなるまで寝た。蓮華温泉の4つ有る風呂は、すべて混浴。脱衣所もない。宿から温泉までの道は細い山道。真っ暗で夜は怖い。朝8時のバスが出ると人がいなくなる。私はチャンスと、1番人気の仙気の湯へ向かった。歩いた山並みを見ながら最高の露天風呂を満喫した。充実した山行を無事終えた皆の笑顔写真。素敵な山の思い出が又一つ。

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蓮華温泉とのお別れです。

【万太郎の感想文】

今回は「品川さんかくてん」に入会して前泊を入れて45日の最大の山行となりました。初日は猿倉から入り大雪渓を歩き、白馬山荘まで、このコースは去年歩いたけどなんせひたすら登りが続き、脚が攣った不安なコースでもありました。今回はそんなことのないように準備したつもりでしたが、大雪渓が終わり、岩場を上がって行く中で、左足の腿内側に違和感を感じあっという間に攣ってしまった。「68」を服用し登り始めるが、お花を撮る余裕もなくなり始め、水分、塩分を補給しながら登るがついに2回目、去年と同じような場所で攣ってしまった。穂積さんには荷物を一部持ってもらったり、迷惑と負担をかけてしまった。避難小屋に着くと水場で命の水分を補給、休憩しゆっくりと上る。山頂小屋見えてからあと1時間、その間なんと3回も攣ってしまった。左足の次は右足、木の階段でぐっと踏み込むとやばい。その都度、休憩を取るのでみんなに申し訳ない気持ちでいっぱい。だまし、だまし山頂小屋まで何とか上ったが、疲労こんぱい。ここから20分でやっと白馬山荘に到着。三戸さんからは1日目攣ったら2日目は攣ったのを見たことないと励まされ1日目を終わる。攣る理由を考えてみた。

@   水分、塩分補給不足(それなりにやったつもり)

A   荷物による脚への負担増(確かに重たい)

B   普段の訓練不足

C   準備運動と途中でのストレッチ運動不足

2日目は恐る恐る出発、長い長い距離を歩くことになる。水分、塩分補給をしっかりやりながら歩く、雪倉岳への登りはきつかったが、なんとか無事に朝日小屋に着く。

3日目は朝日岳からは下りと聞いていたが、大変な路が続き、蓮華温泉ロッジに到着。

この3日間長い距離、長い時間の山行でしたが、良いメンバーにも恵まれ、励まされ、非日常の世界を経験し、素晴らしい景色を見ることができ、きつかったけどいい日を過ごすことができました。できたらまた来たいと思ってしまうのが不思議。

この文章を書いているときにも、その時々の景色や場面が浮かんできました。健康年齢まであと5年ぼちぼちと楽しい山行をこれからもできたらと思っている日々です。

関山さん、三戸さん、堤さん、穂積さんありがとございました。     (記:牛嶋)

【あとがき】

「万太郎と行く・・・」と題されたこの山行名は、NHK朝ドラ『らんまん』が植物学者・牧野富太郎の人生をモデルにしたオリジナルストーリーに由来しています。好きなもののため、夢のため、一途に情熱に突き進んでいく万太郎。春らんまんの明治の世を舞台に、万太郎は草花の採集と発見の喜びに満ちた生命力あふれる人生を、ときには大冒険をしながら私たちに、癒しと感動を届けてくれます。

当会「さんかくてん」には植物に造詣の深い先輩諸兄姉が多数いらっしゃいます。しかし、こうした先輩諸兄姉とは大分異質な植物好きがいることをご存じですか。胴乱に代えて高級で重厚な一眼レフカメラをいつも持参し、山行に参加される方がいらっしゃるのです。この方から白馬岳連山縦走山行(花山行)に参加のお申し込みをいただきましたが、私にはこの方=万太郎というイメージが出来上がってしまったのです。万太郎のように決して若くスマートではありませんが、「一途に情熱に突き進んでいく」ところが大好きなのです。いまでは「花と自然観察会」夏編・秋編を計画し、実行して下さっています。その他にも、花図鑑デジタル版の制作や知り尽くした奥多摩地区のハイキングの計画・・・などが進行中で、ほっとけない方なのです。その方の名は、牛嶋敏文さんです。

この山域は、岩峰が縦にそそり立つこれまでの北アルプス山域とは違い、どことなく北海道や東北の山々を彷彿とさせる横へ広がる解放感が素晴らしく感じました。稜線の数々のお花畑や小雪渓。なだらかな砂礫、木道、草原や湿原歩行。まさに深山中の深山なだけに、感動もひとしおでした。2日目と3日目の両日の歩行距離は11.5km、歩行時間は11時間であり、時速1kmという超低速歩行となったハードな山行でした。しかし、夕食時にドリンキングタイムを設けてわいわい・ガヤガヤ・ああでもないこうでもないと楽しく談笑する機会ができ、又、苦しいことや過酷な局面を乗り越えて成し遂げて得た喜びと感動を共に体験することができたことで、私たちは心を許せる仲間となりました。ご一緒した新入会の穂積さんも、ほっとけないパワフルで危ない頼もしいお方です。 (記:関山)


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