西上州の晩秋のバリエーションコースを歩く
千ヶ平から毛無岩を登る
日程:2009.11.16(月曜日)
参加者:L蓬生、細谷、佐藤

ここ2〜3年前から西上州の山々に注目して登っている。素晴らしい岩峰と素朴な村々があり、登山ルートに手を入れていないことの魅力、首都圏に近い割には大変魅力的な山域です。

今回はルートも未整備だが素晴らしい岩峰を持つ毛無岩をガイドに無い北稜から目指そうとの話になりました。

東京を深夜出発し、1:00登山口のグランドゴルフ場の駐車場に付き車中で仮眠をする。

まずは送電線鉄塔がる稜線ルートを目指します。鉄塔を過ぎ標高750m付近までは良い道がありますが、その先は踏み跡が出たり消えたり岩稜がでたり消えたりですが基本的には稜線を外さなければ迷うことはありません。千ヶ平にはあっけく着きました。遠く浅間山 荒船山 妙義山が望まれますが。浅間山は未だ冠雪しておらず平凡な感じです。これからはうねうねとした岩稜が毛無岩まで続きますが上から見る限りはたいしたことがなさそうです。最初の大きな岩峰は左へ下り大きく巻いて岩峰のしたにでます。藪の中を進みますが季節柄たいしたことはありません。1116m地点は藪の中にあり、更に進むと、展望岩の北稜ナイフリッジにかかりますが、特に難しいとか怖いとの印象も無くなんなく通過します。展望岩からの眺望は素晴らしく西上州から遠く雪を被った北アルプスも望めました。

展望岩からしばらく進むと相沢越からのメインルートと合流しますが、この道すら細々で道標すらありません。毛無岩西峰に登ると毛無岩が大岸壁を持ってそびえています。ここから見るとどうしてあの山に登るのかなと一思案します。登山道は岸壁の脇を一直線に空に向かっているようです。ナイフリッジの狭い岩稜を通過し、毛無岩の厳しい登りは木の根、岩角に捕まりながら脇を見ると怖いのでなるべく下だけ見ながら登ると割りと簡単に山頂に達しました。これだけの危険な急登にも全くロープ、鎖等はありません。見事に手を入れていません。山頂は360°の大展望ですが狭くて3人は立てません。南はオーバーハングぎみの大岩壁で、足がすくみそうでこわごわ下を覗き込みます。落ち着いて昼食もとれる場所ではないので20分位で先に進むことにします。この下りも相当のものです。2〜3のピークを越え右下の落ち葉の中を適当に下ると尾根に下る珍しく指導標がありますが、熊に齧られ無残です。今回のコース熊の糞は数え切れないほど沢山あり、これだけ熊の糞を見たのは初めてです。

毛無岩南稜の尾根を道場の部落に向かい一直線に下ります。途中大岩壁の上にある展望岩の景色、尾根を左へ下る場所にある素敵な岩穴、里に近づくにつれ美しい紅葉を楽しみながらの順調なくだりですが、コースタイム以上に時間がかかり、羽根沢バス停14:44発のバスに間に合いそうなく気持ちはあきらめていました。沢に下る道は紅葉で美しく、沢の清流も美しく時間が欲しいところですが、先を急ぎます。道場の部落は想像通りの美しい部落で晩秋を静かに向かえ蒟蒻芋の出荷も準備しているようです。羽根沢のバス停までコースタイム55分で残っている時間は36分とりあえずベストを尽くして歩こうと懸命に下り24分でバス停につき、やれやれ思いでしたが、せっかくの美しい里の風景を楽しますにきたのは残念でしへ委託した町営のジャンボタクシーバスは紅葉の美しい「蝉の渓谷」を通り、下仁田駅へ結構な距離を走りましたが、結局乗客は私達3人のみで1人450円でした。利用させていただいた私たちには有り難かったのですが、このコストを考えると複雑です。

下仁田駅からタクシーで三ツ瀬のグランドゴルフ場に戻り、同じ部落内にある日帰り温泉「荒船の湯」で汗を流し、食事をして東京へ帰りました。

西上州の山々は人の気配少ないその分自然が残ってほっとする山歩きでした。これからも機会を捉えて重点的にこの地域の山と里を楽しみたいものです。  







コースタイム 天候 曇り時々晴れ
11月15日品川出発22:30── 関越道・上信道──11月16日 1:00三ツ瀬グランドゴルフ場着 2:00消灯 車中【泊】
起床6:00  出発6:45──6:49十字路──7:30 785m岩場──8:39 1120mピーク──9:12千ヶ平山頂──9:50大きな岩峰をまく──10:08 1116m標高点(木立の中)──10:50ナイフリッジの岩場通過──10:55展望の良い岩場──11:12毛無岩西峰──11:30毛無岩頂上11:50──12:12分岐──12:48展望台──13:20「山」の標識より下る──13:39沢に下り立つ──14:08道場部落──14:32羽根沢バス停  14:44発===バス===15:10下仁田駅15:20===(タクシー)===15:40三ツ瀬グランドゴルフ場帰着  直ぐ近くの「荒船の湯」で入浴と食事 17:50発 下仁田IC──(上信道・関越道)──21:30頃 帰京   










6:34 前夜このグランドゴルフの駐車場に車を止め仮眠する。送電線鉄塔のある尾根を目標にスタートします。
7:29 標高750mまでは送電線巡視路のためしっかり道が整備されていましたが、その先は道は薄く、岩稜と藪になってきました。
7:43 荒船湖を通して標高684mの岩峰がローソクのように立っています。
7:51
7:59 標高を上げるにつれ浅間山が見えてきましたが今年は未だ冠雪していません。
8:20 岩稜を千ヶ平に向かって登って行きます。
8:32 熊が爪をたてた跡です。
8:40 荒船山の連なりの有名な艫岩です。
9:13 藪の中にひっそりとある千ヶ平山頂(1157.7m)です。
9:27 毛無岩(左端)から荒船山に至る主脈です。毛無岩(1305m) 毛無岩西峰(1295m) 展望岩(1250m) イデミ(1294m)の順に並びます
9:29 千ヶ平山頂より毛無岩に至 銃走路を見下ろします。これから先どんな難関が待っているのでしょうか。
9:37 薄い踏み跡を藪を掻きわけて下ります。
9:55 大きな岩稜を左に大くだりして巻き、振り返ってこの岩稜を真っ直ぐ来たら下りられたかどうだったのかしらとの話をしながら振り返ります。
10:47 熊の爪とぎ、噛んだ痕、糞は最初から最後まで多数あり、熊の生活圏に人が入り込んでしまっているのだとの印象です。
10:49 事前情報では難所とのナイフリッジも登りでは足場もよくなんなく通過します。
10:51 簡単に登りきりました。
10:52 ナイフリッジを登りきるとそこは素晴らしい展望台です。右の遠くの角が二つの岩山は昨年三月に登った鹿岳です。
10:53 浅間山です。手前の山の中に残っている緑の部分は神津牧場です。
11:15 展望台を過ぎると毛無岩と荒船山を繋ぐ主脈と合流し、毛無岩の西峰より目的地の毛無岩が大きく立ちはだかります。ルートは右の岸壁の脇を直登しています。
11:24 大岸壁の脇を木の根や岩角に捕まりながら這い上がります。横を見ると怖いのでなるべく下を見ながら登りました。
11:25 山頂に近づくにつれ緩やかな登りになります。
11:31 山頂は狭く二人がいるのがやっとです。
11:55 山頂をバックに記念撮影です。写真を撮るほうもヒヤヒヤです。
11:57 身を乗り出して恐々(こわごわ)大岸壁を覗き込みます。
11:31  東立岩 立岩 西立岩と並んで威圧します。
12:06 毛無岩を更に東へ三つの岩峰を越えていきますがどんな岩峰でも全くロープも鎖もありません。全コースも全く同じ状態です。
12:21 毛無岩南稜の道標です。全コース唯一の道標は熊に食いちぎられて無残です。
12:44 南稜を下り中間点の展望岩から毛無岩の岩峰を振り返ります。
12:44 展望岩から西にイデミ(1294m)の岩峰を見上げます。
12:45 展望岩から東に笠岩(1260m)の岩峰を見上げます
12:51 展望岩を右に回りこんで下りると展望岩は垂直に切り立っていました。紅葉が岸壁に映えます。
13:13 ここからしばらくのんびり紅葉した道をたどります。
13:18 道は岩稜にぶつかり前に進めません。岩稜の下に立派な天然の岩のトンネルがありました。
13:25 岩稜を少し引き返し左手の植林帯を下り、沢に近づくと素晴らしい紅葉に囲まれます。
13:25 紅葉を見ながらこの状況では道場から羽根沢バス停までほほ1時間はかかるし、間に合わなければタクシーでも乗るかなでも下仁田からタクシーが到着するのは時間がかかるしと思いながらの下りです。
13:36 沢に下り立ち、150mほど沢の中を歩き、後は沢の左手を下るとやがて静かな道場部落へとでます。
14:07 道場部落です。のんびり部落の雰囲気を味わいたいのですが、羽根沢まで55分の時間とのガイドブックです。残る37分急げば間に合うかもしれないと早足で歩くことにしました。せっかくの里山の景色をあきらめて懸命に歩きました。
14:44 13:44に羽根沢のバス停に着きました。27分で歩いてきたことになります。バス停近くの紅葉も美しくてのんびりしたかったのですが、定刻通りバスが到着し、渓谷美の「蝉の渓谷」を通り下仁田の町へ、更にタクシーに乗り換え出発点の三つ瀬のグランドゴルフ場に到着、おなじ部落の中にある日帰り温泉「荒船の湯」で汗を流し、食事をして東京へと向かいました。



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