ふるさとの富士シリーズ |
有 明 山 (信濃富士)2268.3m |
日 時 2010年7月16日(金)夜 〜 17日(土)中房温泉泊 |
有明山は安曇野から望むと富士山にそっくりな姿だ。「天の岩戸」伝説の伝わる霊山で地元の人々が朝に夕に眺め、親しんでいる山だ。安曇野生まれの私にとって子供のころから見なれた懐かしい山だ。祖父が歌ってくれた安曇節が思い出されこの山行がとても楽しみだった。 |
♪ なにか思案の有明山に 小首かしげて、小首かしげて出たわらび 出たわらび 出たわらび チョコサイコラコイ ♪ |
有明山は中世以後「修験道場で行者が修行登山していた峻厳な山だ」と予備知識は入れていったつもりだったが想像を越えていた。 山頂まで登山道の90%は急登。木の根、ザレガレ場、崖、岩壁、岩場の連続!到たる所にロープが張られ、岩場のトラバースには鎖や足場のボルトがしっかり取り付けられていた。剣岳のカニノヨコバイ・タテバイを思い出させるような岩壁もあらわれ緊張する。標識がほとんどないため何合目あたりを登っているのか見当がつかない。無我夢中?で山頂を目指した。 |
傾斜が緩やかになり、ゴヨウマツ、シラビソ、コメツガの薄暗い林を進んでいくとヒャクナゲの群生地に出た。淡いピンクの花に「よく来たね〜。頑張ったね~。」と迎えられた心地で疲れも忘れる。ほどなくステンレス製の鳥居が現れ、有明山北岳に到着した。鳥居は避雷針の役目もはたしていると看板に書いてあった |
12:00 |
それぞれ祠のある中岳と南岳をめぐり北岳に戻り昼食休みにする。安曇野や燕岳から常念岳への稜線展望が素晴らしい山頂だが曇り空で残念ながら望めなかった。 鳥居の周りをたくさんのトンボが飛びかっていた。シャクナゲとトンボに癒されたのも束の間、超厳しい下山となる。木の根は滑る。ザレ場は踏ん張り疲れる。岩場では緊張し、よくもまぁこんなに登ってきたものだと呆れるほどだ。時々後ろからL山田さんが「急がなくていいですよ。慎重に下りましょう。」と大きな声で励ましてくれる。4〜5合目あたりだろか?登りでは余裕がなく通り過ぎてしまったビュウポイントに到着。木の間から雪を抱いた美しい円錐形の山が見える。「形からすると常念岳のようだね。」「常念はこんなに近いかしら?」と地図とコンパスで確かめるが断定に至らず・・. そこは小さな花畑でもあり |
ヒヨドリバナ、トリアシ.ヒョウマ、ウスユキソウ.シロバナニガナなど地味 だけど可愛い花が咲いていた。下山中ここだけが心と体の休まる場所だった。帰途よるつもりでいた三段の滝は全員一致でパス。ひたすら下山を目指した。いやはや何とも 難行苦行の山行だった。けれどメンバーは誰も途中で弱音は吐かず下山後「凄かったね〜。超ハードだったね!良く登ったね。」と健闘を讃えあった。有明山荘で休憩し、重い足どりで車道を中房温泉まで歩いた。 |
■ 有明山の次から次へと訪れる難所をご覧下さい |
8:43 |
8:45 |
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9:59 |
10:04 岩場を巻いて下るとまたもや鎖場の登りです |