海谷山塊 昼闇山 (1840,9m)
GWの山行計画を伺った時、昼闇山?えっ何処?であった。月例会の前段でルート図を見た瞬間、このルート図を自分も持っているのを気付いた。昭和55年12月10日初版発行。白山書房の「山」スキールート図集」である。海谷山塊は登山道が整備されておらず。阿弥陀山(1,511m)や烏帽子岳(1,450m)などは残雪期のみ登る事が出来る山で、海谷山塊は非常に珍しい山域と言える。山と高原地図にも載っていなく、国土地理院の地図が頼みで地図や地形を読みながら登る山である。
◇日 程
: 平成27年5月2日(土)〜4日(月)
◇メ ン バ ー :
佐藤(L)、堤(SL)、松平、福井、安達、横山(6名)
◇コースタイム :
【5月2日(土)】 東京駅6:28〜(北陸新幹線)〜8:46糸魚川駅8:55〜(路線バス)〜9:35焼山温泉 10:00〜12:45標高790m地点幕営
【6月3日(日)】 3:30起床(幕営地)4:45〜(昼闇谷〜稜線)〜8:52(1,635m地点)〜
(大休止10:23)〜11:45幕営地
【5月4日(月)】 3:45(幕営地)5:52〜(山菜とりに集中)〜8:35焼山温泉9:52〜(路線バス)〜 10:33糸魚川駅13:16〜(大糸線)〜南小谷駅14:22〜18:34新宿駅 |
(5月1日)横山は新宿発23時55分発ムーンライト信州で入山。糸魚川駅でメンバーと合流。
【5月2日(土)天候;快晴無風】
8時55分頃、糸魚川駅でメンバー全員が集まる。直前ではあるが2名(蓬生・松尾)が参加できなくなったと言う。非常に残念。
焼山温泉から春の野道をアケビ平へ向かいます |
貸切状態の路線バスで一路焼山温泉へ向かう。快晴のもと海谷山塊が輝いている。
焼山温泉で荷物を分担10時にのどかな田圃の舗装道路を歩きだす。 |
20分も歩くと田圃も終わり残雪の林道となる。今年は雪解けが早く林道は小川状態となっており、その脇にはワラビ・ふきのとうが多く芽を出していた。
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残雪の林道をあけび平へと進みます |
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あけび平へのトレースには赤布等は無くバックカントリーのスキーのシュプール跡を確認しながら登行する。重荷に喘ぎ少しバテて来た頃、標高790m地点の見晴の良い場所に少し時間が早いが今宵の宿とした。早速テント設営、雪のテーブル作成。入山祝いである。 |
あけび平の上部標高790m地点にテントを設営します。早速「こいのぼり」を掲げ春の雪山に来られた事を祝います。
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午後からは数パーティのバックカントリーが下山してきたのでルート等の情報を得る。1,200m暗いで熊を見たとか、谷の状況等情報を収集できた。 |
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【5月3日(日)天候;快晴無風】
昼闇谷を暫く歩き、谷から稜線へ急斜面を登ります。 |
3時30分起床。4時45分出発。テントサイト脇から昼闇谷に下降する。谷全体は残雪に覆われており悪い部分は確認できないが、少し登り右手の尾根の急斜面に取り付く。
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急斜面を登り切ると台形上となり昼闇谷の全容が望まれる。本来であればこの辺で幕営予定であった。(重荷を背負ってここまでは多分厳しかったと思う。テントサイトから約50分)、計画ではここから右の尾根、少し上部で谷をトラバースし更に右、鉢山(1,575m)の鞍部を目指して小さな尾根や斜面を登行する。
周りの状況はと言うと阿弥陀山(1,511m)や烏帽子岳(1,450m)が日本離れした山容を見せて非常に楽しい。
1,200m位で雪面には熊の足跡がしっかり残っているのは目撃出来た。前日情報がなければ気付かなかったかもしれない。 |
小熊の足跡がしっかり残っていました。直前に歩いたものと思われます。母熊も近くにいます。危険です。 |
標高1620mのピークを過ぎると雪疵が崩壊し、藪と急斜面が行く手を阻みました。 |
8時52分頃、1,635m付近に到着。ここからは藪漕ぎ、クライムダウン。更に200m位いの急な雪面や雪庇の切れている頂上直下の稜線、ザイルが必要な場面である。安全サイドに考え本日の最高到達点とした。 |
360度展望の聴く小ピークに移り大休止。遠くは唐松・白馬・雨飾・栂海新道等展望、春山の醍醐味を味わった。小ピークでは大阪の淀川労山のメンバーも入山しており、我々同様、昼闇山を目指したが安全を考慮し諦めたと話していた。 |
標高1620mの小ピークで大休憩、展望は昼闇山山頂と同じだろうと思う大展望でした。 |
帰路は沢筋を思い思いに滑ってテントに戻りました。 |
下りは尾根筋ではなく沢筋にルートを取りシリセード等思い思いのスタイルで一気に下降する。(登り約4時間、下り約1時間20分)
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鉢山も一緒にとの計画もありましたが、昼闇山でさえあの状況です。あきらめてテントに帰着し、春の午後を楽しみました。 |
11時45分幕営地到着。撤収後下山しても十分な時間であったが酒豪が居なかったので昨日と同様、雪のテーブルで少ないアルコールで下山祝い。就寝まで楽しく過ごす。
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テントからは阿弥陀岳と烏帽子岳が北アルプスの穂高連峰のように聳えていました。 |
【5月4日(月)天候;快晴無風】
焼山温泉への道、周りの山々は雪解けです。フキノトウを採りながら、途中のアイゼン紛失騒動を楽しみながら、焼山温泉へと下りました。 |
3時45分起床。撤収後5時52分下山開始。途中、林道ではふきのとう・ぜんまい等の山菜狩りに夢中になる。山菜採りに夢中になったのかどうか松平さんが林道途中でアイゼンを落としたの事、全員で林道を登り返し捜索したが発見出来ず諦めたところザックを置いた所から数mの所に落ちていた。ザックを下す時に転がったと思われた。≪灯台もと暗し≫なお。≪余談≫堤さんは入山日、帽子を新幹線の中に置き忘れていた。
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8時35分焼山温泉に到着。汗を流し、糸魚川駅から新幹線組と在来線組に分かれて帰京した。
:(横山)
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焼山温泉では朝の9時前から入浴し、汗を流しました。気持ちよい! |
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