今年は雪解けが早すぎた。 もう少しで届いたのに
会津の秘峰 城郭朝日山 山行記録
【日 程】2016年4月8日〜4月10日
【参加者】堤(L・食当)、蓬生(SL)、田口、佐藤、吉岡(食当)、渡辺綺(食当)飯嶋(装備)、
上野(1日目:記録)桑村(2〜3日目記録)、
【出 発】集合6:50東武浅草駅 7:10発会津田島行き 10:21会津高原(尾瀬口)着
【行 程】
□ 4/08 タクシー40分強──11:20鳥井戸橋11:38出発―いきなりの急登──13:28 1099m地点―14:45 1285mの小ピークで幕営 19:10消灯
□ 4/09 幕営地5:23―6:26山毛欅沢への分岐──7:00小手沢山―8:23恵羅窪山8:30―
10:14城郭朝日山手前(直前で断念)10:35──12:15恵羅窪山──14:12小手沢山──
15:11山毛欅沢への分岐──幕営地15:55 往路を幕営地まで戻る
(行き5時間 帰り約5時間20分の長丁場でした)
□ 4/10 幕営地から鳥井戸橋に下山 7:50幕営地(発)──(着)10:05鳥井戸橋
タクシーで会津高原駅 夢の湯入浴 会津高原駅前の食堂で打ち上げ
(1日目)4月8日 雪が少なくて心配しました
私はこの計画を聞いたとき、どこの山か全く分かりませんでした。ただ、この機会を逃すと、今年の雪山は参加できなくなると思い、とりあえず参加の意を伝えました。後に、山のことを調べてみましたが、昭文社の地図にも載っておらず、カシミールで地図を検索したり、ネットで調べてみても、他人の山行記録がヒットするだけで、案内らしいものはありません。とにかく地図を見て、びっくり。一番下のスタート地点から目的地まで、端から端まで長く、とても遠い。こんなに行けるのかな・・・?と不安に思いながら、出発の日を迎えました。
11:34 重荷を背負って鳥井戸橋近くの鉄製の橋を渡って尾根に取付きます。尾根は急登と藪と植林で大汗をかきました。 |
天気は、この三日間は、どうやら良さそうです。この日も晴れて、駅でマイクロバスのタクシーに全員乗車(10:40)。鳥井戸橋到着が11:20。皆、それぞれ準備し、いよいよ登山開始です(11:35)。
鉄製の橋を渡り、蓬生さんを先頭に、読図しながら方向確認して進みました。 |
あたりは、落ち葉とブナ林の中、トラバースも無く、徐々に傾斜もきつくなってきました。皆、重いリュックを背負い、木の幹、ツタにつかまりながら、必死の形相で登っています。木の跳ね返りも多く、顔を打たれたり、くぐったりの繰り返しでした。 |
11:54 鳥井戸橋を渡り、尾根に取り付きの始めは木の根を掴みながら上を目指しました。 |
13:10 標高1100m付近で残雪が現れ、これで雪があるとまずは安心しました。 |
今年は雪が少ないためか、まだ辺りに雪はあらわれていませんでした。ようやく1100m付近まで登ったときに、ちらほら雪が現れました。 |
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14:17 雪稜に黄色いマンサクの花が咲き、春を先取りしていました。 |
藪と残雪に苦戦、標高1285mの小ピークでテント2張を設営 |
この時間では、今日も目的地(1526m)までは無理ということで、1285m付近の適当なところを見つけ、幕営しました(14:53)。 |
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暖かいテントの中で夕食を美味しく頂きました。 |
(2日目)4月8日(土) 城郭(じょうかご)朝日山は、指呼の距離だったが・・・
夜半にゴーゴーと風の音は吹いていたが、テントを揺らすでもなく、日中も怖いような音ほどの体感はなかった。暑くもなく寒くもなく、山行の大事な要素の天候には恵まれたようだ。早朝の雪は凍っていて、テントのまわりはつるつる滑る。アイゼンを履いて出発する。前日の泊の荷物を背負って急登のヤブ漕ぎに比べると、空身の楽なこと! しかし幕営予定地(1526m)よりずっと下でテントを張ったので(1285m)、はたして憧れの城郭朝日岳(1449m)に私たちは届くのだろうか? 地図で数えるとポコ(小ピーク)が20個ほどもあるではないか! 累積標高はいくらになるのだろう?
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5:17 明るくなった5時過ぎ、出発準備です。 |
トップの蓬生さんのルート取りは上手く、ポコは避けて、巻いて行く。西丸震哉の著書に、パプアニューギニアで原住民に山案内をしてもらう話があるのだが、案内人はすべてのピークを踏んでいく。「巻くという概念はないのか」と著者がぼやいているシーンを思い出した。
5:26 小ピークにあるテントサイトを下っていよいよ長い尾根歩きへ出発です。 |
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快調に山毛欅沢山(ぶなさわやま)の稜線に出る。山毛欅沢山へは、例年ならもっと雪が付いているはずなのに、雪庇は切れてヤブが出て、困難そうだ。 |
6:29出発から1時間ほどで山毛欅沢山の見える分岐点に到着、これから長いアップダウンが始まります |
長い長い稜線が城郭朝日山へと続いています |
恵羅窪山(えらくぼやま1429m)が見えてくる。左手には、会津駒ヶ岳〜三岩岳〜窓明山(まどあけやま)〜坪入山〜丸山岳〜会津朝日岳の稜線。
ブナの自然林がみごとだ。大木は何百年もここに立っているのだろう。ブナの回廊になっている。芽吹けば新緑が美しいだろうが、雪が溶けたら入れない。
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恵羅窪山に8時過ぎに着く。いいペースだ。私たちは、城郭朝日山へ行けるのではないかと期待したのだが・・・。
台形の山頂には目印になりそうなブナの大木、ちいさな山名を記したプレートでも付いているかと思ったが、そんなものはない。
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恵羅窪山頂までは順調です。この調子なら城郭朝日山へ皆が到達できると期待しました。 |
9:18城郭朝日山がだんだん近づいてきましたが、これからが大変でした。稜線は藪がひどく、稜線を下って雪の斜面をトラバースそして藪の稜線へ戻るの繰り返しで時間はどんどん経っていきました。 |
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1446mまでは省エネのために巻いてきたが、ここからは雪が切れていて、巻きとヤブ漕ぎを強いられてくる。5月連休の記録でも、ず〜と雪の尾根通しなのに、今年は異常に雪が少ない。 |
深い難儀な藪を抜け、雪疵の稜線へでました。 |
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10:30城郭朝日山頂へあと少し、深い藪と岩稜が迫り、時間切れで退却を決断しました。城郭朝日山をバックに記念撮影です
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最後のポコ1386mの手前で、タイムリミットの10時半に。城郭朝日山へは雪の尾根が続いているように見えるが、目前に雪の切れたヤブと岩稜帯が立ちはだかっている。雪がなくて、時間切れとなった。
撤退地点から見た城郭朝日山です。東斜面の切り立った様はさながら城郭を思わせました。 |
10:40 撤退してから更に藪の多い稜線を避けて、稜線下部の雪の斜面を歩いて戻ります。 |
復路では、本日の最高峰を踏みたいという佐藤さんがトップで1526mに立つ。全員、快調に帰還、さすがに最後の30mほどの登り返しはしんどい。 |
本日の最高点、無名の1526m峰の景色は素晴らしい。数多いピークはこれからないものの帰路の足取りは重い。皆テントが見えてやれやれお疲れました |
16:07 テントに戻り、あと少しで城郭朝日山に着けなかったけど充実した一日に満足して乾杯です。久しぶりに長い長い一日でした。 |
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(3日目)4月10日(日) 最終日
7:36 最終日は下山するだけなのでゆっくりの下山準備です。
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下山は1000m付近までは藪に入っては雪の稜線へとルートを選んで下ります
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8:57 雪が終わり、深い落葉は行きの踏み跡は勿論ありません。似たような尾根の下山は気を使いました。 |
1000m辺りで雪が終わる。下部の尾根はかつて作業道だったようだ。 |
今回初めて人に出会った。地元の会津若松から単独、日帰りで山毛欅沢山だという。鳥井戸橋の駐車スペースに彼のと思われる車が停まっていた。 |
10:09 一昨日出発した鳥井戸橋前の鉄製の橋を渡って戻ってきました。 |
11:22 タクシーで会津高原駅近くの「日帰り温泉夢の湯」で山行の疲れを癒し、いつもの駅前の中華店でビールで乾杯でした。
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